中華パッドは電子辞書になるか、オフライン対応の辞典アプリを探し試した話

公開日: : 最終更新日:2024/01/07 Android アプリ ,

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最近になって立て続けに8インチ台のAndroidタブレットを入手(うち1台はメーカー提供)した。

8インチは図解・実用書を読む際、片手で持てて画面も大きく便利だ。もし辞書アプリが使えたら、と思ってしまう。

Google Bard のチャットAIでオフライン対応の辞書アプリを紹介してもらい、実際にインストールを試みた結果をレポートしたい。

(UPDATE:2024/01/07)
・セイコー辞書アプリを追加。

辞書でオフライン対応というAndroidアプリを試す

はじめに『オフライン』にこだわる理由だが、アプリ通知や詳細画面の広告表示など言葉と戯れるのに障害となるからだ。具体的には思考の遮断や広告による表示遅延などが挙げられる。

そこでオフライン辞書アプリについてGoogle Bard のチャットAIに尋ねたところ下記のアプリが紹介された。

  • 物書堂辞書
  • コトバンク
  • スマート辞書
  • Eijiroid
  • LexicEN Lite

物書堂辞書は過去のセールで辞書を購入していることもあり、先に未知のコトバンクから試した。

コトバンクを試す。

辞書数115、総数186万語を一度に検索できるというコトバンク。

文章だけでなく写真や図版でも解説され、さらにオフライン対応ということでインストール(無料、Google Playへ)を試みた。

しかし、Android版は古いバージョンだけをサポートしており、Pixel 7aやiPlay50 mini Pro、AvidPad A30いずれもインストール不可という結果に。

諦めきれず、iPhoneのAppStoreからコトバンクを探したところ無事にインストールできた。こういったところがApple製品の強みだと思う。

いざコトバンクを起動してみると、AppStoreではオフライン機能である”電子辞書モード”は2023年2月1日で終了したとのこと。残念。

オンライン検索なので、今回の目的から外れてしまった。

物書堂の辞書アプリを試す

Google Bard のチャットAIに推薦されて「確かに物書堂は良かった!」なんてことを思いながらGoogle Playストアの物書堂ストアページを開いた。

なんとAndroidアプリでは「NHK日本語発音アクセント新辞典」しか配信されていない。

仕方がないので、再びiPhoneを取り出す。

iOSで物書堂アプリを起動し、購入済みコレクションから「ウィズダム3」「コンパスローズ」を任意の言葉を引いたところオフラインでも検索・表示できた。

しかも表示内容がカラー、かつ発音音声もオフラインで再生可能。

以前レビューしたシャープの電子辞書と比べても表示の速さ、スクロールのしやすさ、タップの反応速度、文字のみやすさではiPhoneアプリは優れていた。

(画像)360度回転の電子辞書は便利だった。シャープ「PW-H2」購入レビューより

文字入力も普段から打ち慣れているiPhoneのほうが早い。横断検索もできるので一般的な英和辞典や英英、和英などであれば物書堂のセール時に購入するのも良さそうだ。

もちろん電子辞書には類語辞典などの収録している辞書の数が多いという強みがある。

しかし、電子化されていないけれど便利な辞書である「てにをは辞典」(Amazonへ)や文章作成向けの類語辞典などを求めると電子辞書・辞典アプリが最適解とは言えない。

そう考えると、物書堂(一般用途)+電子化されていない紙の辞書(特殊用途)という構成で大抵の言葉は見つけられるのではないだろうか。

ちなみにAndroid版とiOS版での購入引き継ぎについて調べたところ、物書堂では対応できない旨が説明(Webページへ)されていた。

以上のことから、最有力候補だった物書堂はAndroid端末で使うことができない。

スマート辞書を試す。

なぜかGoogle Bardでオフライン対応の辞書と紹介されていたスマート辞書をインストールした。

アプリ説明欄や製品画像にオフラインの文字はなく、どうやらカメラで文字認識できることをオフラインと解釈しているのかもしれない。

実際に使ったところ、広告が多く、かつ誤タップを誘うためかグローバルメニューの位置が広告によってズレるため使いずらい。さらに物書堂のように何行も解説があるわけではなく、1行程度しか表示されず広告が画面の7割を占めている。

Wikipediaをタブ切り替えで検索できるのは便利だが、辞書の正確性を求めるユーザーであればノイズになるようにも思う。

その他、EijiroidとLexicEN Liteも紹介されていたが、私は語彙力を高めるべく日本語の辞書を探していたので上記3アプリで調査を終了した。

ロゴヴィスタを調べる。

Google Bardで紹介されていないが、物書堂と変わらない機能と同じような辞典を提供しているロゴヴィスタについても調べた。

横断検索・オフライン検索に対応する「LogoVista電子辞典閲覧用ブラウザ Ver.2」というアプリがあり、辞典は個別のAndroidアプリとして提供されている。

iOSアプリの物書堂は1つのリーダーアプリを無料インストール、そこからアプリ内課金という形でのみ辞典を提供していた。そこが大きな違いと言えそうだ。

しかし、Google Playストアでレビューを見ると次のような恐ろしい投稿があった。

新版を別料金にするだけならまだしも、こちらのメーカーさんの都合で過去購入した大量の辞書アプリが新版が出ていないものも含めてすべて使用不可にされ、数万円の無駄になりました。一時的な不具合ではなく、使えなくしたようです。漢語林第2版など、現在販売されているものもすべて使えなくなりました。

引用:Google Playストア

上記の苦情に対して対処したという返事はなかった。

一般的なiOSアプリでも最新OSに対応していないとして使えなくなることがあり、デベロッパーの対処を待つしかない。とくにAndroidアプリはOS問題で起動しなくなることが多い印象がある。

アプリ開発側の姿勢が重要で、かつ安心できるストアという意味ではApple製品が良いのだろう。

これは推測だが、上記のようなことから、物書堂もAndroidをサポートしきれないと判断してiOS向けしか展開していないのかもしれない。

Android向け辞書アプリを探した感想

電子辞書は主要辞書の横断検索を一括で行える強みがあり、かつオフラインということで図書館やカフェなど場所を選ばず持ち込んで検索できる。

アプリでは、物書堂やロゴヴィスタであれば電子辞書のように横断検索・オフライン検索が行える。

尖りすぎる解説で注目を浴びる『明鏡国語辞典 第三版』や最強の言葉探し辞典『日本語シソーラス 類語検索辞典』など自分が求める書籍だけを購入するなら物書堂のほうが安く済むかもしれない。

物書堂アプリはiPhoneとiPadだけでなく、Macでも使えた。Appleユーザーであれば電子辞書さえ持たずに荷物を減らせる選択肢として有力ではないだろうか。

最後にAndroid端末しか持っていないのなら、ロゴヴィスタが最有力となる。

しかし、Google Playのレビューにあったような「辞書が使えなくなる可能性」がある。コトバンクのように最新Android OSではアプリすらインストールできないというケースも予想できる。

Pixelスマートフォンをコンデジ+写真編集デバイスとして使っていて、Android端末はハード面で魅力的だと思っている。だが、ソフト面はiOS/iPadOS/macOSの連携や開発者側の情熱といった点において足元にも及ばない。

以上、中華パッドを電子辞書化するならロゴヴィスタ一択となった。

だが、ロゴヴィスタを選ぶ際は、紙の辞典や電子辞書とは異なり数年以内に使えなくなる可能性を覚悟する必要がある。

やはり、iPad miniやiPhoneを手放すのは難しそうだ。

UPDATE:2024/01/07
 「セイコー辞書アプリ」(SEIKOへ)を発見、札幌光星中学校・高等学校が授業で使うiPadにインストールするための申込書を2023年1月31日付で公開していた。iPadOS/macOSに対応している。

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