100µAhのSMDマイクロバッテリー登場、コイン電池の置き換えへ
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フランスの全固体電池メーカーITENは現地時間2022年11月10日、環境に優しく小さなSMDマイロクバッテリーに基づく自律型資産管理ソリューションを発表した。
日本でもコンビニで販売されているコイン電池は充電に対応せず、かつ重金属、有毒物質、有機溶剤を含み、二酸化炭素排出量が多いという問題を抱えている。
このマイクロ電池は、そういったことを解消して環境汚染を伴うコイン電池から置き換えを目指すという。
同社は2022年11月15日から18日に開催されるELECTRONICAで幾つかの自律型資産管理ソリューションを公開する予定だ。
ITEN、100µAhのマイクロバッテリーとは
同社のプレスリリースで公開された人差し指に乗せられた米粒よりも小さなマイクロバッテリーは数分で充電が完了し、環境に優しく、力強く動作すると説明されていた。
ディープテック企業であるフランスITENは、ソリッドステート・リチウムイオン・マイクロ電池の製造における主要プレイヤーになるため8,000万ユーロの資金調達に成功したばかり。
ELECTRONICA展示会では、自律的な組込みシステムに電力を供給する方法を紹介するようだ。
同社はバッテリー駆動の電子機器を観察して、次の問題に直面したと報告している。
- 多くの電子設計は汚染されたコイン電池に依存
- プリント回路基板の組み立てが難しく、リサイクル費用がかかり、空電池の交換に定期的なメンテナンスが必要
- コイン電池は国によって30〜50%しかリサイクルされていない
- 自律組込み機器は動作エネルギーが減少傾向にある
- 電源に関しては高電流パルスが必要なシーンが多く、結局は特大サイズのコイン電池が必要になる
こうした現状から必要なバッテリー電力を供給できて、定期的に充電可能、より低いバッテリー容量が必要だと結論に至ったようだ。
そして、 ITEN が ELECTRONICA で実証するのはセンサーと Bluetooth Low Energy (BLE) システムオンチップを含み、DRACULA の屋内光電池の組み合わせによって電力を供給される、自律的な資産監視ソリューションだった。
LAYER技術とSMD マイクロバッテリー (100µAh)を用いて、24 時間年中無休で動作するこのソリューションは、日中は10秒ごと、夜間は4 ~ 5分ごとにデータを送信できるという。
同じ動作条件であれば、これまで100mAhの大きなコイン電池が必要となり、その寿命も限られ、定期的な交換が必要だった。
また、250µAhのマイクロ バッテリを使用することで、データ送信頻度や駆動時間の延長も可能とのこと。
世界中で使用されているコイン電池とは異なりマイクロバッテリーには重金属、有毒物質、有機溶剤が含まれず、その二酸化炭素排出量はコイン電池と比べて200倍から1,000倍も少ないとも。
今回のプレスリリースとは関係ないが、2030年から非充電式バッテリーを取り除くという欧州指令もあるため、そう遠くない未来にマイクロバッテリーを見かけることとなりそうだ。
Source:businesswire