5000円未満で商用電源とポタ電の「自動電源切替器」を自作しよう(計画・注文編)

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限界別荘地には下水が通っていない。

それゆえにトイレは便槽式だし、臭気煙突も外された状態だった。それについては当初からコンポストトイレで生活する計画だったので問題はない。

だが、オフグリッドのコンポストトイレを甘く見ていた。それは自然の力を操るに等しく微生物の働きに依存する。温度や湿度、肥料、生物といった高度な知識が求められた。私はプランAとプランBで用意していたコンポストトイレの運用に失敗してしまう。

そして、プランCがバイオトイレだった。

このバイオトイレは水を使わないものの、かなりの電力を消費する。

寒冷地仕様なので電源ON/OFFするだけでリセットされる仕様。その日から1週間は最大250Wのフルパワーで稼働して微生物を活性化させるという。古い機種なので、それを止める手段は用意されていない。

なんとコンポストトイレ1台で「1日4.0kW」も使うのだ。

水道管ヒーターをフル稼働させても「1日3.3kW」。これなら簡易水洗トイレを導入して冬場だけ水道管ヒーターをしたほうが安上がりだ。

私はミニマムな生活をして1日0.6kWしか生活で電力を使わないというのに・・・それでもフルパワーの1週間が過ぎれば通常36W運転に切り替わる。少し耐えれば「1日1kW」にまで減る。

それを期待していた。

実際に住んでみるとこの限界別荘地、1週間に少なくとも1回は短い停電が起こるのだ。

つまり、ほぼ毎週フルパワー駆動(1日4.0Kw運転)になってしまう。

これを避けるために専用のUPS機器や簡易UPSを備えたポータブル電源を調べ回った。そのシミュレーションを繰り返すたびに耐え難い結論に辿り着く、それは「そこまでするなら便槽に簡易水栓をつけて冬場だけ水道管にヒーターを巻いたほうが安い」という答え。

ここで手持ちのポータブル電源「EBL MP1000」(記事一覧へ)がAC入力のパススルー充電に対応していることを思い出す。

しかし、「EBL MP1000」のパススルー機能はDC出力しか対応していない。さらに最大出力となるシガーソケットが最大180Wまで。コンポストトイレは最大250Wを必要とする。た、足りない。

もはや、これまでか・・・。

そんなときに軽キャンで計画していた「自動電源切替器」を思い出す。

これなら5000円未満でUPS機器にある不具合を避けて手持ちの古いポータブル電源も活用できる!! これしかないっ!!!

商用電源とポタ電の「自動電源切替器」を作ろう

最初はパソコンなどを守るUPSを考えた。

有名メーカーで価格を抑えようとすれば正弦波と修正正弦波といった問題にぶつかり、レビューを読めば正しく動作しないとか、そもそもUPSとして機能しなくなるのが早い、電池切れが早いといった声が並ぶ。

それではと幅広く活用できるポータブル電源のUPS搭載モデルを調べ出す。

こちらも有名メーカーであってもサブ機能であるUPSが正しく動作しない、何度か切り替わらないことがあるという投稿を見かける。それとは別に機種ごとの自動切替時間が20msや30msと違うことも困る原因だった。つまりUPSは統一されていない。

一部メーカーでは80%充電のままでUPS運用できるといったことに対応しているが、その機種でさえUPSが起動しないという投稿が何件も寄せられている。

UPS機器は「もしもの時のお守り」という程度の認識がメーカーと利用者にあるのだろう。とくに1万円前後の専用UPS機器では電池容量も少なく、もう少し足して簡易UPS搭載のポータブル電源にしたほうが良いように思えてくる。

もうコンポストトイレは諦めるべきか。

そんなことを思いながらも相変わらず調査は続けてしまう。

そして「自動電源切替器の自作」へと辿り着く。

カインド・オブ・自動電源切替器

「自動電源切替器」といっても既製品から自作品まで無限に近く存在する。

既製品であれば1.8万円前後とポタ電を選びたくなる値札が揺れ、アマゾンの怪しい1000円前後のパーツを使った自作品であればレビューに「エアコンが壊れた」「車のヒューズが切れた」など不具合のオンパレード。

752円という破格の自作パーツ(Amazonへ)は有識者がレビューを書いていて、電気の知識があれば抵抗を変えるなどして既製品のレベル近くまで性能を高められるようだ。

しかし、パーツが見るからに頼りない。短絡したときの保護に対して不安が残る。これでコンポストトイレが壊れてしまったら数万円の損害となり、これこそ簡易水栓トイレの便器を3.5万円ほどで購入して取り付けた方が良かったという話になってしまう。

さらに調査を続けた。

————すると、興味深いパーツに出会う。

それはキャンピングカーなどで採用されているというパーツ。

富士電機の「SH-4」あるいは「SH-4H」という型番で販売されていて3000円未満で手に入る。そこへVVFケーブルとコンセントプラグのオスとメスを取り付けることでUPSやポタ電よりも確実に電力を切り替えてくれる「自動電源切替器」が作れるという。

この製品はキャンピングカーのビルダーが手数料込みで5万円ほどで提供しているという情報があった。

ほほぅ。

迷うことはない。

注文した。

実際に購入した金額は2780円(Amazon販売ページへ)で、そこに分解して使うための2m電源タップ1本(683円、レビュー9096件はAmazonへ)とプラグオス1個(161円、レビュー486件はAmazonへ)を注文した。

それとVVFケーブルの接続時に必要な丸端子はR2-3.5(10個入り229円、Amazonへ)を加えれば準備が完了。この丸端子はR2-4だと富士電機に合わない(金属部分が入らない)そうなので注意したい。

この5000円未満で揃えたパーツで手持ちのポータブル電源を使ったUPS運用が実現できたら・・・そう思うとワクワクしてきた。

自動電源切替器で出来ること

上記の構成で作成した「自動電源切替器」はポータブル電源とコンポストトイレを繋いだ状態にしてから商用電源を繋ぐと「バチン」という音とともに電力会社の電力に切り替わる仕組みだ。

そして限界別荘地で「予備停電」と呼ぶらしい「雷が鳴ったから停電するかも」といった気軽な事前停電を実施されても元のポータブル電源へ戻されるだけとなる。

専用のUPS機器みたいに電池容量が少なくて停電が10分も続いたら電力供給を終了・・・とはならず、かといって簡易UPSを備えたポタ電のように正しく機能しない or 切り替えが遅くて電源OFFからのONとコンポストが認識して1日4.0kWのフルパワー週間へ逆戻りなんてこともない。

「バチン」と電力を切り替えてくれる。

さらに軽キャンのトイレとして携帯するときにポータブル電源+自動電源切替器をセットにしておけば電源を切ることなく移設できるのだ。

今更だがハイブリッドのバイオトイレは微生物+電気による乾燥と攪拌により臭いはゼロ。公衆トイレはもちろん一般家庭のトイレよりも臭わない。だからこそ軽キャンでも使いたい。

軽キャンカーの外部電源としても使える!

この5000円未満で自作できる「自動電源切替器」は軽キャンのシェルに設置しても活躍する。たとえばRVパークや自宅の駐車場で外部電源に繋げばエアコン等を「バチン」と切り替えてくれる。

今回は小規模向けの「自動電源切替器」だが、最終的には家全体を商用電源から切り替える際の装置として発展できたらと思う。

明日には届くようだ。

この記事の閲覧数を見て需要がありそうなら「自動電源切替器」の製作と動作結果をレポートしたい。

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