ソニー、8型「PlayStation Portal」発表・搭載OSや想定ユーザー・価格ほか
公開日:
:
周辺機器 PlayStation, ゲーム機, ソニー
この記事にはアフィリエイト広告・広告が含まれています。
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は2023年8月23日、かねてより伝えられていたリモートプレイ端末”Project Q”こと「PlayStation Portal リモートプレーヤー」を正式に発表した。
価格は29,980円(199.99ドル/219.99ユーロ/199.99ポンド)、発売日は2023年内を予定しており近日中に予約を開始する。
「PlayStation Portal」とは。
ソニーが2023年5月にProject Qとして発表していたデバイス「PlayStation Portal」は、2006年末のPS3時代から実装されていたリモートプレイを専用デバイスで行うというコンセプトの製品。
ソニーのプレスリリースには「PlayStation Portal」の想定ユーザーについて次のように伝えている。
PlayStation Portalは、家族がテレビを使用していてゲームが遊べないときや、PS5のゲームをリビング以外の別の部屋で遊びたい、といったユースケースにぴったりのデバイスです。
最新のPS5でもリモートプレイに対応しており、以前よりPC / スマートフォンなどからアプリ経由でプレイすることができていた。
ハードウェアの話(製品仕様)
ソニーの発表会で実機をプレイしたレポートによれば、ハードウェア面の評価は一様に同じで興味深い。
ーーーーーーPS純正コントローラー「DualSense」を左右に分割して、その間に8インチのディスプレイを挟んだ製品。
その評価に至る理由として振動やアダプティブトリガーといった動作・挙動の再現率が高いことを挙げていた。
細かいことを書くとアナログスティックの高さが異なるなど「完全一致」ではないものの操作性は変わらないと評価されていた。
「PlayStation Portal」は8インチ(1080p/60fps)ディスプレイを備え、PULSE EliteおよびPULSE Exploreへの接続に対応、3.5mmオーディオ端子を搭載している。
充電はUSB-Cで行い、内蔵バッテリーは非公開。
(追記:プレ時間はおおよそ4時間前後の模様)
Wi-Fiは2.4GHzおよび5GHzに対応、インターネット経由のリモートプレイに対応しているが、ソニーのサーバーからプレイするクラウドゲーミングは非対応となっている。
ソフトウェア面(搭載OSなど)
「PlayStation Portal」は、2006年のPS3時代から2023年のPS5まで受け継がれているPC/スマホ向けのリモートプレイ体験と何が違うのか。
それについても発表会のレポートを見ると、次のような違いがあるようだ。
- PS5とのワイヤレス接続を行う必要がない
- ログインやアプリの起動などが不要、電源ON→即ゲーム開始
- PC/スマホ+Bluetooth接続コントローラーの遅延がない
- 5GHz(Wi-Fi)接続ではLAN環境であれば快適(遅延ゼロではない)
ソニー担当者への質問も積極的に行われており、アプリ版と「PlayStation Portal」の接続に違いがあるのかという問いに対して「技術的に同じ」とのこと。
「PlayStation Portal」だから高速で繋がるというわけではないようだ。
次にOS、無料のAndroid オープンソース プロジェクト(AOSP)【公式サイトへ】を採用している。
AOSPだからといってAndroidアプリが遊べるのかといえば、そこはリモートプレイ専用に仕立て上げられているので解放されていないようだ。
もっとも近いデバイスとしてはAndroidカスタムを採用して自社サービスへの広告・チラシとして低価格で販売されていたアマゾンの「Fireタブレット」シリーズが近いだろう。
どちらもAndroidの利用を極限まで削り自社サービスに特化させている。
しかし、Fireタブレットに無理やりGoogle PlayストアをインストールできるようにSoCやRAM/ROMという構成が変わらない以上、「PlayStation Portal」もハックされるのは明らかだ。
Nintendo SwitchやDSなどの初代はハックされやすく、2023年になっても高価売買が行われているように「PlayStation Portal」の初回ロットはハック可能(つまりAndroid端末として使える)として高値がつくかもしれない。
ただ、その際はAndroid端末としてSoCが優れているのか、ROMはeMMCではなくUFSなのかといったハード面が重要になる。
そこで注目すべきは「PlayStation Portal」の役割。
最も負担がかかる描写はPS5で行っているため「PlayStation Portal」は低スペックで十分、それを考えれば「Fireタブレット」に近い安価なパーツ構成と思われる。
無難にMediaTek製SoC、RAM4GB、ROMはeMMC 64GBではないだろうか。ーーー処理性能を高めればバッテリー消費が激しくなるので、それ以下かもしれない。
そう考えると希望小売価格29,980円はDualSenseディスプレイ搭載モデルというゲームコントローラー部分が価値を占めそうだ。
もっともハックしてAndroidアプリが遊べるようになってもDualSenseコントローラーを認識できるのか、正常に動作するのかはわからないけれども。
繰り返しになるが屋内と屋外のリモートプレイ対応ながら、クラウドゲーミングには非対応なので注意したい。
ー
「PlayStation Portal」の価格は29,980円(199.99ドル/219.99ユーロ/199.99ポンド)、発売日は2023年内を予定しており近日中に予約を開始する。
前回→ソニーPS5向け8型「Project Q」の実機リーク
Source : Playstation.com