筆圧ペン対応の高コスパタブ「Xiaomi Pad 6」と「Galaxy Tab S9 FE」でスペック比較
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最終更新日:2024/02/11
サムスン Galaxy Tab, Xiaomi Pad, スペック比較
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先日ゲオモバイルで1.9万円で購入した中古Aランク「Galaxy Note9」(レビュー記事一覧へ)が優秀すぎて食わず嫌いを反省する日々を送っている。
そうなるとブログでも取り上げる回数の少なかったGalaxy Tabシリーズはどうだろうか、と思う。少し調べたところ「Galaxy Tab S9 FE」が魅力的だった。
同じ大手では「iPad 10(無印)」「Xiaomi Pad 6」が比較対象になるだろう。しかし、同じRAMやストレージであってもiPadOSとAndroid OSでは根本的に異なる。そのため、今回は記事タイトルにある2機種でスペックを比較していきたい。
「Xiaomi Pad 6」と「Galaxy Tab S9 FE」でスペック比較
下記スペック情報は2024/01/25時点のSamusung製品ページとXiaomi製品ページの仕様表から抜粋しています。
はじめに2機種の発売日と定価、購入特典という前提になる情報。そこへタブレットとして重要な画面サイズと解像度、ペンについて表にした。
発売日・定価・画面サイズ・ペンの状況
名称 | Galaxy Tab S9 FE (Wi-Fiモデル) | Xiaomi Pad 6 |
発売日 | 2023年10月19日(木) | 2023年7月27日 |
特典 | ・Goodnotes1年利用権 ・クリスタ6ヶ月利用権 | 購入時の3000円OFFクーポン ・ガラスフィルム ・フリップケース |
定価 | 68,799円 | RAM6GB=49,800円 RAM8GB=64,800円 |
OS | Android 13 | MIUI 14 for PadAndroid 13 |
画面 | 10.9インチ 2304×1400 DCI-P3対応 リフレ90hz アイケア認証済み | 11インチ 2880×1800 DCI-P3対応 リフレ144Hz アイケア認証済み、ゴリラ3 |
ペン | Sペン同梱(IP68準拠) | 別売り(定価14,800円) Xiaomi Smart Pen 2nd Generation |
防塵防水 | IP68 | ー |
Androidタブレットとしては画面サイズは10.9インチと11インチで変わらない。解像度は「Xiaomi Pad 6」の方が高い。肉眼で区別はつかないだろうけれど。
それに加えて「Xiaomi Pad 6」は、リフレッシュレート144HzやCorning Gorilla Glass3にDolby Vision対応などに対応する。コンテンツ消費端末として頭一つ抜けている印象を受けた。
一方、Sペンを含め最上級の防塵IP6Xと防水IPX8に準拠して色域「DCI-P3」をサポートする「Galaxy Tab S9 FE」は”お絵描きマシン”としても、”バスタイム端末”としても優秀。Androidタブレット全体を見回しても珍しい端末だろう。とくに筆圧検知スタイラスペンが防塵防水IP68というのは液晶ペンタブレットなどを含めても希少な存在となる。
バスタイムに少し絵を描きたいといったニーズを満たしてくれそうだ。
ペン重視であればXiaomiは専用ペン「Xiaomi Smart Pen 2nd Generation」が別売り、かつ防水ではないことから一歩後退する形となる。
なお、2機種ともWidevine L1対応となっている。
処理性能(CPU/RAM/ROM)ほか
次にAndroidタブレットとして快適に使えるのか、体感速度を大きく左右する処理性能について見ていきたい。
名称 | Galaxy Tab S9 FE(Wi-Fi) | Xiaomi Pad 6 |
CPU | Exynos 1380(2.4GHz/2GHz オクタコア) | Qualcomm Snapdragon 870 |
RAM | 6GB | 6GB / 8GB LPDDR5 |
ストレージ | 128GB UFS3.1 | 128GB UFS3.1 |
外部メモリ | microSD 最大1TB | ー |
「Galaxy Tab S9 FE」はGoogle PixelシリーズのベースSoCであるExynosブランドのExynos 1380を採用。「Xiaomi Pad 6」は高価ながら安心安全なQualcomm社のSnapdragon 870チップを採用している。
Qualcommチップ搭載端末はAndroidサポート期限が切れてもカスタムROMが豊富でLinuxなどをインストール可能だったりと有志の力を得られることが魅力。そういう点で「Xiaomi Pad 6」は長く使えるコンテンツ消費端末と言えそうだ。
RAMは6GBもしくは8GBとなっていた。最近の中華パッドでは低速なストレージを仮想RAMとして使用する手段が増え、見た目の容量が増えているだけに少なく見えてしまう。それに対抗するならAndroidアプリで強制的に仮想RAMを増やす手段もある。だが、そもそも今回のようなローエンド端末で重いゲームをプレイしないだろう。それさえ目論まなければ物理RAM6GBで十分だと思う。
ストレージは2機種とも128GB UFS3.1。しかし、「Galaxy Tab S9 FE」については日本公式の製品ページでUFSに関する記述はない。海外モデルの256GB版を含めた製品説明でUFS3.1となっていたためそう記述した。
そして外部メモリ、「Xiaomi Pad 6」にはmicroSDカードスロットがない。コンテンツ視聴端末として優位に立つだけに残念なところ。
「Galaxy Tab S9 FE」はクリスタで巨大化したファイルをmicroSDに保管したり、そのままデータの受け渡しにも使えそうだ。やはりクリエイターを強く意識した端末に映る。
インターフェイスを確認する。
続いて接続性、インターフェイスを見ていきたい。
名称 | Galaxy Tab S9 FE(Wi-Fi) | Xiaomi Pad 6 |
スピーカー | デュアルステレオ、Dolby Atmos対応 | クアッドスピーカー、Dolby Atmos対応 |
イヤホン | なし、USB-C経由可 | なし、非公式で対応の報告あり |
フロントカメラ | 12.0MP | 800万画素 |
アウトカメラ | 8.0MP | 1300万画素 |
USB | Type-C 2.0 | Type-C 3.2 |
生体認証 | 指紋(電源ボタン) | 顔認証 |
スピーカーは「Galaxy Tab S9 FE」が2つ、「Xiaomi Pad 6」が4つ。ここでも動画視聴をするならXiaomiが良いということになる。しかし、2機種ともイヤホンジャックがない点に注意。「Xiaomi Pad 6」はユーザーレベルでUSB変換アダプタが使えたという報告を見かけた。
カメラは真逆の画素数で興味深い。
クリエイティブ重視の「Galaxy Tab S9 FE」は打ち合わせを優先したのかWebカメラに使われるフロントが1200万画素。コンテンツ消費を重視した設計の「Xiaomi Pad 6」はリアを1300万画素にしている。
USB-Cポートは2.0と3.2で「Xiaomi Pad 6」の方が高速データ転送5Gbpsに対応する。「Galaxy Tab S9 FE」購入層は動画など何百GBを頻繁に転送するクリエイターではなく、イラストやアニメーションなど軽いファイル転送を想定しているのだろう。ハイエンドSoCではないことからも動画編集よりイラスト制作があっている。そう考えるとUSB 2.0でコストを抑えたのは良い判断に思えた。
「Xiaomi Pad 6」はコンテンツ消費端末なので消費電力が多く、(単純にSoCの影響という気もするけれども)後述する急速充電を考えてUSB 3.2にしたのかもしれない。
通信性能の違い
今度はワイヤレスあるいは外部デバイスとの通信を見ていきたい。
名称 | Galaxy Tab S9 FE(Wi-Fi) | Xiaomi Pad 6 |
位置情報 | GPS, Glonass, Beidou, Galileo, QZSS | ー |
WiFi | WiFi6(802.11axまで) | WiFi6(802.11axまで) |
Bluetooth | v5.3 | v5.2 |
PC連携 | Smart Switch / Dex | USB-C to HDMI対応 |
まず衛星対応の有無。Galaxy Tab S9 FEは5Gモデルを展開していることもあってか5つの衛星をサポート。日本国産みちびき対応だ。Xiaomiは非対応。
WiFiはどちらも802.11ax(WiFi6)までサポート、Bluetoothでは小数点以下の違いとなっていた。
そして、PC連携ではSamsungが注力してきたDexモードがある。残念ながらワコム液タブを接続し、本格的なワコムペンと専用ディスプレイで筆を走らせることができるDex対応機種はGalaxyのスマートフォンだけとなっている。
それでもGalaxy Tab S9シリーズに関しては、ワコムが2023年8月17日のプレスリリースで同社の技術を提供していることを明らかにしている。全く無縁というわけではない。
なお、Galaxy Tab S6の時からWacom Oneペンが使えたという報告を見かけている。そのペンはAmazon.co.jpで3,637円(レビュー269件はAmazonへ)にて販売中。レビューではGalaxy Tab S8 Ultraで使用しているという投稿があった。長時間であればワコムペンのほうが良さそうだ。
一方、「Xiaomi Pad 6」はUSB-C to HDMIケーブルで外部出力ができたという報告がある。ただ、公式の製品ページに外部出力に関する記述は一切ないので注意。そのため、別途購入したケーブルによっては出力できないといったことやシステムアップデートで非対応なんてことも考えられる。
本体サイズと重量、バッテリー機能、充電
最後にモバイル端末にとって重要な携帯性と駆動時間を見ていきたい。
名称 | Galaxy Tab S9 FE(Wi-Fi) | Xiaomi Pad 6 |
サイズ(mm) | 165.8 x 254.3 x 6.5 | 165.18 x 253.95 x6.51 |
重量 | 523g | 490g |
バッテリー | 8000mAh | 8840mAh(33W急速充電) |
逆充電 | 対応(公式) | 対応(ユーザー報告) |
本体サイズは1ミリ前後の違いになった。重量はXiaomiのほうが軽い。ここは防塵防水やワコムペン対応スクリーンが重量UPに繋がったのだろう。
バッテリーはXiaomiの方が多く、さらにグローバルなQualcomm急速充電をサポート、33W急速充電も行える。
所謂モバイルバッテリー機能である逆充電はGalaxyが製品ページで対応を謳っているが、Xiaomiは未掲載。ユーザーレベルで充電できたと報告があった。
USB-C to HDMIケーブルもそうだがQualcommチップ搭載タブレットは逆充電などに寛容なイメージがある。アップデート期間終了後のカスタムROMを含め、Android端末を楽しみたいなら「Xiaomi Pad 6」は良い選択肢となりそうだ。
スペック比較した感想、まとめ
最後に2024/01/25時点の実売価格を見ていきたい。
「Galaxy Tab S9 FE」はAmazonで65,360円(レビュー36件の詳細はAmazonへ)、楽天では71,900円ー1000円OFFクーポン+楽天お買い物マラソン還元8500円相当で最終価格62,400円前後(最新の価格は検索結果一覧へ)だった。
「Xiaomi Pad 6」はAmazonでタイムセール特価50,830円(レビュー114件はAmazonへ)、楽天は最終価格4.2万円(最新価格とレビュー57件は楽天Xiaomi公式ストア販売ページへ)という結果に。
やはりiPadにも存在しない筆圧ペンごと最上級の防水性能を備えた「Galaxy Tab S9 FE」は廉価版であっても値段が下がらないようだ。
先日よりレビューしている「Galaxy Note9」はフラッグシップ端末とはいえ5年前の製品。すでにOSやセキュリティのアップデートは停止している。それでもフルセグ(ワンセグ)やクリスタは問題なく動作し、プライムビデオも高画質で視聴できている。
防水のデジタルお絵描き専用端末を探していればクリスタとも仲良くしているGalaxy Tabシリーズの最新廉価版「S9 FE」は買いだと思った。
割安な価格にまで値を下げている「Xiaomi Pad 6」は4つのスピーカーなどコンテンツ視聴に強い。カスタムROMや別売りの筆圧ペンで強化できるため、Androidタブレットで何ができるのかわからないというユーザーがアプリや動画視聴を体験するのに良さそうだ。
正直、防水ワコムペンといえばイオシスで6,980円で購入した「Arrows Tab Q508/SE」がある。
「Arrows Tab Q508/SE」は古いWindows端末で処理速度が遅く、デスクトップ向けOSなので単調な操作も苦手だ。そんな端末でクリスタを起動すると古代の絵師みたいな前準備の多さを感じてしまう。
そういった点を見直すと『絵を描く板』の入門として「Galaxy Tab S9 FE」は最適解の1つに思えた。
もっともダークホースである液タブメーカー「XP Pen」のAndroidタブレット(記事へ)が発売されたら全てをひっくり返されるかもしれないけれども・・・。