手書き入力「Kindle Scribe」は買いか、レビューから知る強みと弱み
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Amazon Kindle Kindle, Kindle Scribe
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Kindle史上初となる手書き入力機能を搭載し、ペンは充電不要でマグネットによる本体吸着を備え、目に優しいE-InkのKindleとしては初めて雑誌表示に耐えられる大画面10.2インチといった特徴をもつ「Kindle Scribe」のレビューが増えてきている。
海外を含め大手メディアの「Kindle Scribe」レビュー記事はアマゾンから配布されたこともあってか一部の印象的なメリットだけを取り上げて褒め称える内容が多く感じたこともあり、この記事では購入者の意見を集めた。
はじめに「買って良かった」という良い意見を箇条書きにしたい。
- 大画面、雑誌を表示できる、老眼に優しい
- 大画面なのに長時間の使用でも目が疲れない
- 他のKindle端末より動作が速い
- USB-C充電が嬉しい
- iPadよりも集中できる
- 手書きモードでもバッテリーが3週間は持つ
- Apple Pencilのようなガラスに書き込む感覚ではないところが気に入った。
- シャーペンで紙に文字を書く感覚が良い
- ペンが充電不要で便利
- 罫線付き、グラフ用紙、五線譜、To Doリストなど18種類のテンプレートが便利
次にこういった声と同じくらいの熱量で伝えられた「Kindle Scribeの弱み」「残念なところ」をみていく、それらを不満にカウントしないなら買いと言えそうだ。
「Kindle Scribe」は買いか
手書きの範囲
もっとも多かった不満としては「手書きの範囲」だったと思う。
ライバル機種「Kobo Elipsa」(楽天ページへ)は電子書籍へ直接書き込みできるが、「Kindle Scribe」はKindle本はもちろんDRMフリーのEPUBファイルへの書き込みさえ許されない。
PDFファイルを取り込めば本へ直接書き込みはできるが、PDFの特定ページを拡大して手書きした際にページ間を移動したり、拡大表示を維持するといった機能はなく、表示を戻して行うといった小さな手間が多いようだ。
他にはMicrosoft WordやHTML、TXT、JPEGのようなテキスト・画像のファイルをインポートして手書きの付箋メモを作成できるものの「手書きできる範囲が狭い」というところが不満となっているように思えた。
iPadとの比較
「Kindle Scribe」は定価47,980円、これまでの最上位モデル「Kindle Oasis」の29,980円と比べても高額だ。
それもあってかiPadと比較しているユーザーは多い。
その際、Kindle Scribeで提供される18種類のノートブックにおいて数式の挿入や手書き文字をテキスト変換できないほか、図形や直線を描く機能がないといった不満が挙がった。
このノートブック機能では電子メールを使って出力できるものの、Dropboxをはじめとするオンラインストレージや他社サービスと連携ができないことを指摘する声もある。
ペンの話
「Kindle Scribe」のペン入力が筆圧感知ではないため、Kindle本でのペン習字には使えないというレビューもあった。
「Kindle Scribe」のペン入力については文章の選択によるハイライトをした後で「メモを選択」から手書き入力を行えるが、iPadではさらに手書き文字を自動的にテキスト変換できる「スクリブル機能」が利用できるため、その点でApple Pencilのほうが便利とする意見もある。
ただAppleの「スクリブル機能」は丁寧に書かないと文字認識してくれないこともあり、テキスト変換が不要なら「Kindle Scribe」のペン入力はあっていると言えそうだ。
使い勝手の面では、ペンを「Kindle Scribe」本体にマグネット吸着できる機能があるものの磁力が弱く、プレミアムレザーカバーのホルダーに差し込んで使っているといった声も。
「Kindle Scribe」はペン初号機なので「Apple Pencil + GoodNotes」とは別のノート端末として扱うことになるだろう。
あとはやはり、電子書籍へ書き込める範囲が圧倒的に狭く、比較的自由なPDFファイルもインポートが気軽に行えないことからノートブック機能がペンの主な活躍場所といった内容が多かった。
他には思いのほかペン芯の消耗が激しく、同梱された替え芯があるもののページ送りでペンを使用するのを躊躇うといった投稿も見受けられた。
その他、レアケースかもしれない不満点
Amazonレビューでは個体差や捉え方、タイミングという可能性があるものの次のような不満もあがっていた。
- Kindle本を大量に所有していると固まりやすい、再起動するしかない
- ページ送りボタンがないのでKindle Oasisに戻ってしまった
- 10.2インチで重量(433g前後)もあるので結局Kindle Oasisを携帯している
- ペンの消しゴム機能を使用すると残像が残る
- 漫画を横向きにしても見開き表示にならない
- ブラウザ機能ではYahoo!ニュースさえ見れない
- 高額なのにページ送りが相変わらずワンテンポ遅れる
上記の話は本人の勘違いという可能性もあるため全てを鵜呑みにできないし、今後のアップデートで解消される可能性もある。そのため数ヶ月後に上記の項目を見ると「嘘を書いているように見えるかもしれない」が敢えて取り上げた。
まとめ、価格・買いなのか
Kindle Scribeはペンの種類とストレージにより次のような価格で販売されている。
- Kindle Scribe(スタンダードペン+16GB):47,980円
- Kindle Scribe(プレミアムペン+16GB):51,980円
- Kindle Scribe(プレミアムペン+32GB):54,980円
- Kindle Scribe(プレミアムペン+64GB):59,980円
各メディアに配布されたレビュー品はKindle Scribe(プレミアムペン+16GB)のようだ。
Kindle Scribeのレビューを見て実用性は今後のアップデート次第、ガジェット好きや大画面のE-Ink端末がほしい人向けといった印象を受けた。
個人的には価格に見合った使い方ができそうになく、携帯性からKindle Oasisで十分だと思った。
しかし、楽しみは増えた。
記事投稿時点でKindle Oasis以外は全てUSB-Cを搭載していることからUSB-C化が最新機種への主要なアップデート内容だったはずで、それがKindle Scribe登場により「ペン対応」が次世代の主要アップデートになるかもしれない。
そして、E-Inkの弱点であるページ送りの遅さに唯一対処できるデバイス「Kindle Oasis」にペンが付いたら最高だ。
E-Ink端末では数年前からカラー表示や動画描写に対応するモデルも発表されており、iPad / Androidタブレットほどのスピード感はないもののアップグレードできる範囲は広く、Kindle Scribeで実装されたペン入力はUSB-Cに次ぐ買い替えを促せるアップグレードとして早期投入を待ちたい。
前回のE-Ink+ペン端末
4096段階ペン搭載10.3型「Xiaomi Note」登場、スペック・価格
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アマゾン、10.2型「Kindle Scribe」発表・価格一覧・発売日・スペック(ペンで出来ること)
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