マイナス10度の山奥で手足が出せる寝袋「Bears Rock FX-451G」は使えたか、3年ほど使った感想・レビュー

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2022年に都内のマンションならエアコン要らずになるのではと購入した寝袋「Bears Rock FX-451G」を標高1000mを超える山奥で毎日使用しているのでレビューしていきたい。

購入当時は山奥への移住は想定していなかったが、厳冬モデルではないものの冬用というだけあって外気温マイナス10度でも奮闘してくれている。

これまで3年ほど使用したことになるが、新たに山奥の夏向け中古別荘で使った感想をレポートしていく。

寝袋「Bears Rock FX-451G」は使えたか、3年ほど使った感想・レビュー

まず東京の都心部に住んでいた頃だが、実はロゴス寝袋(封筒型)ばかり使っていた。「Bears Rock FX-451G」を使うと暑すぎて汗をかいてしまうのだ。そのため、気温が著しく下がるといった限られた日しか使わなかった。

しかし、2月にはマイナス19度を記録したこともあるという避暑地へ移住したことで状況は一変する。オールシーズンのロゴス寝袋は夏に使用する程度で、「Bears Rock FX-451G」の使用頻度は増えていった。

—————余談だが関東地方で連日38度前後を叩き出していた2024年の夏、避暑地の日陰に位置する中古別荘の室温は高くても26度、夜には16度くらいまで下がっていた。とても寒い。そのため、夏でもフランネル素材で厚めなロゴス寝袋が活躍した。

そんな環境の変化で主役に躍り出た「Bears Rock FX-451G」について、ひと言で感想を書くなら「満足」となる。たぶん劣化したら再購入するだろう。

もちろんマイナスポイントはある。しかし、それを上回るだけのプラス評価がある製品だと思う。とはいえ、何を重視するかで価値は変わる。その天秤は個々に委ねられているので今回のレビューが判断材料になれば幸いだ。

マイナス評価、残念なところ。

先に残念ポイントを上げさせてもらうと「縫製が甘い」こと。

購入時からビロンと糸が飛び出ている箇所が複数あった。それは末端だけでなくファスナーの途中などでも確認できた。Bears Rockは広島のメーカー。中華ブランドではないので委託先の工場が問題なのかもしれない。

次に「形状」における不満点を挙げると、足元の開放部を少し広く作ってもらえたらと思う。足の窮屈さで目覚めることがあったからだ。ただ膝を曲げることでスペースを確保できる造りになっているので「それで十分」という意見もある。マミー型の強みを考えると改善範囲に入らない可能性が考えられる。

続いて「ファスナーが噛む」ということも挙げたい。

これは楽天公式ストアやAmazonのレビューでも再三書かれていることで、具体的には寝袋の内側にある生地がファスナーに干渉してしまうという事象。

だが、これはBears Rock独自のドラフトフード(特許取得済みらしい)という3D構造により顔や頭まわりにフィットして冷気を遮断する機構とセットになっている可能性がある。そういった構造ゆえに改善しにくいところかもしれない。たとえばファスナーが噛まないように寝袋の生地を後退させれば、今度は「センタージッパー部分が寒い」というクレームが巻き起こるだろう。

Bears Rockユーザーには是非とも「噛まないファスナー(YKKなど)に変更を!」とメーカー側へ伝えてほしい。ここをケチらずYKKあたりを採用すれば改善できると思う。

最後に「収納が大きい」ことがある。

かなり大きいのでオートキャンパー向けかもしれない。この大きさについては化繊の限界ということもあるので中綿のパターンを工夫するとか、防風層の変更で中綿減量といったことでも起きない限り難しいだろう。

しかし、それが実現できたらメーカーにとっては製作費のコストダウンにも繋がりメリットは少なくない。寝袋という革新を生み出しにくい製品なので是非とも「収納を小さくする」という角度からアップデートを取り組んでもらえたらと思う。

実際に使った感想。

まず「洗濯」について

私はコインランドリーで乾燥まで行っている。中綿の化繊「BRウォーム3D中空化学繊維」が良いのか洗濯によって中綿が寄れるといったことは一度もなかった。乾燥機から出せばすぐに使えるというのは強い。

もともと変な匂いはなく、今も匂わないので「普通」という見逃しがちな最高の品質を提供してくれているのも見逃せない。

続いて「寒さ」について

この「Bears Rock FX-451G」はマイナス15度対応を謳う冬対応モデル。只これは限界温度であって快適温度は20度から0度となっている。

それでは室温マイナス3度にも至った私の生活環境では大丈夫だったのか。

—————その日は外気温マイナス10度、室温マイナス3度という状態だった。さすがにダウンジャケットを着込んで寝袋に入っていたが、それでも夜中に寒さで目が覚めることが3回ほどあった。やはり極寒では厳しいと思った。そこでロゴスの寝袋「丸洗いソフトタッチシュラフ」(スペック詳細は実際に購入したAmazon販売ページへ)を重ねた。

写真:続・寝具のモバイル化、ロゴス「丸洗いソフトタッチシュラフ」感想・レビュー編より

具体的には封筒型のロゴス寝袋にマミー型の「Bears Rock FX-451G」を入れるようなスタイル。ロゴス単体ではマイナス4度が限界温度。いわゆるオールシーズン向けの寝袋だ。

室温マイナス3度という世界を知らなかったこともあるが、この2枚重ねなら寒さを相殺できる(ちょうど良い)だろうと期待した。

しかし、その考えは甘かった。

汗をかくほど暑く、汗だくで目が覚めた。

慌てて下着や替えの服をかき集めるが、寝袋から出ればマイナス3度の世界。びしょ濡れの肌着が凶器となって襲ってくる。暖を取ろうにも寝袋の中も濡れていて、開け放ったままなので急速冷却済み。この時ほど電気ヒーターの瞬暖に感謝したことはないだろう。

そんなわけで「Bears Rock FX-451G」単体では寒いが、2枚重ねなら十分に寒さを凌げることがわかった。

最後に「手足が出せること」について。

これは非常に助かっている。避暑地の夏仕様を素人リフォーム中ということもあって部屋が暖まりにくいのだが、寝袋+こたつでPC作業が行えている。

薪ストーブの登場により室温マイナス1度くらいなら20度前後まで上昇できるようになったが、それでも早朝や深夜に作業したい時は「Bears Rock FX-451G」の機動力に助けられている。

ただロゴス寝袋から抜け出すと、すぐに冷気を感じる。

そういう意味では同シリーズ最上級の「FX-453G」(スペックなど詳細はAmazon販売ページへ)を検討している。

こちらは限界温度マイナス34度と「厳冬対応モデル」だ。マイナス15度の「Bears Rock FX-451G」より幅が3cmも広いという点も羨ましいポイント。ちなみに薄着でも眠れるという快適睡眠温度域は12度とのこと。

スマイルSALEなどで値下げしてくれたらと期待しているが、最上位モデルということもあって過去に一度も値下げセールを実施していない。

レビュー664件を見ると愛用中のモデルと同じく縫製の甘さを指摘する声があった。

それでも手足が出せる寝袋で「厳冬対応モデル」は他に見当たらないのも事実。今週は再び寒気が来るとしておりマイナス10度を超える可能性がある。

—————買うなら今がベストなタイミングだろう。

もし購入した際は別途レビューしたい。

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