欧州でスマホやカメラ等のUSB-C義務化が合意に、2024年スタートへ
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ヨーロッパを中心に27ヵ国が加盟する経済・政治的な組織であるEuropean Union(欧州連合)がAppleのiPhoneで続ける独自規格による周辺機器ビジネスを終わらせて利便性を高めるべくスマートフォンやタブレット、カメラ等の充電ポートをUSB-Cにすることを義務化することで合意に達したことがわかった。
この後、欧州理事会によって制定されることで確定となるが、海外メディアでは儀式的なことと捉えているようでUSB-C義務化は決定的と報じている。
これによりmicroUSBのデジタル一眼レフやLightningのiPhoneなど古い規格・独自規格でコスト削減や周辺機器ビジネスをしてきた企業は2024年へ向けて重い腰をあげることとなった。
27ヵ国でスマホやカメラ等のUSB-C義務化が合意に。
9TO5Macは今回の欧州連合による動きでiPhoneのUSB-C圧力が高まったと伝えた。
正式な法的用件になるためには欧州理事会によって制定される必要があるものの、ほぼ決定ではないかと見られており、2024年秋までに加盟している27ヵ国で販売予定のデバイスはUSB-C充電ポートが必須となる。
対応カテゴリーはスマートフォンとタブレット、カメラ、イヤホン・ヘッドホン、モバイルゲーム機、有線接続のポータブルスピーカーなどが挙げられており、ノートパソコンについては発効から40ヶ月以内に適合させる必要がある。
Appleの動向、対応は?
欧州連合の動きに以前より対策していることが報じられていたApple、これについてはAppleアナリストのMing-Chi Kuo氏が2023年のiPhone(iPhone 15)からUSB-Cに切り替える可能性を伝えていた。
さらに数日前にもブルームバーグが2023年9月に発表されるiPhone 15シリーズはUSB-Cを搭載しているようだと伝えている。
その一方で昨日のWWDC22で発表されたMacBookにも搭載されたMagSafeという抜け道を懸念する声もある。
9TO5Macもまた欧州連合の法律では有線の充電ポートを持たない端末であればワイヤレス充電が許可されていることからMagSafeを採用したポートレスiPhoneになるのではないかと予想。その前に一時的な処置としてiPhone 15だけがUSB-Cモデルになるのではと伝えた。
以前よりAppleは物理端子を全て排除したポートレス化を計画していることが何度も伝えられていたが、先日は一度廃止した機能を復活させない同社が2022年になってMacBookでMagSafeを復活させたことも驚かせた。
この変更も欧州連合への対応が含まれているのかもしれない。
単純に考えると最後のLightningポート搭載端末となるiPhone 14シリーズは買い控えも予想されるが、仮にiPhone 16が完全ポートレスになる場合、USB-CポートのiPhone 15シリーズこそサードパーティ製アクセサリー(互換性)が最も少ない端末になる可能性もある。
その一方で、MagSafeという完全な独自規格のワイヤレス充電を許可してしまえばデジカメやモバイルゲーム機が売上単価を上げるために独自のワイヤレス充電ドックを展開する可能性が予想される。
そうなると欧州連合はワイヤレス充電の規格を制限するのだろうか。
革新を起こすジョブズ氏から数字を重視するクック氏に変わり、iPhoneやMacBookから驚きが消え、連携やパフォーマンスといった利便性を追求したアップデートが続いていることからも、Appleがより高額なMagSafeに切り替えるのは自然な流れだろう。
Lightningケーブルを販売していた頃よりMagSafe充電器のほうが高額なので、Appleにとっては購入単価の向上に繋がった程度なのかもしれない。
そろそろベースをAndroidとWindowsに戻そううかと思った話である。
前回の話
EUが2023年にも「USB-C」統一へ、Lightningやマグネット充電は終了か(Appleの主張)
Source:9TO5Mac