やよいの青色申告 オンライン導入レビューVol.02、勘定科目の設定とアフィリエイト報酬の仕訳
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「やよいの青色申告 オンライン」導入レビュー、第2回目。
今回はAmazonアソシエイトなどアフィリエイトの仕訳についてレポートしていく。
仕訳自体はシンプルだが、源泉徴収を含むとポイントは次の3つとなる。
- 報酬の確定日(売掛金/売上)
- 報酬の振込日(普通預金/売掛金)
- 源泉徴収時の仕訳、確定申告の対処
()内は簡略化した仕訳。
Amazonアソシエイトではギフト券での支払いもあるが、今回は確定申告のためということで、それなりの売り上げがあることを前提に銀行振込を例に挙げて記載する。
しかし、ギフト券でも支払いスケジュールなど多くの箇所は変わらないと思う。
アフィリエイト収入がメインの事業者であれば今回の記事で売上の仕訳を終わらせられるかもしれない。
アフィリエイト報酬の仕訳
ネット収入の仕訳と言っても特別なことはなく、税務署が知りたい「お金の動き」と「その日付」が明確になればよいので難しく考えないようにしたい。
はじめに売上計上に必要な初期設定を行っていく。
売掛金に補助科目(Amazon/Google等)を追加しよう。
取引先を登録する
「やよいの青色申告 オンライン」にログイン→「設定メニュー」→「取引先の設定」で下図のようにアマゾンとグーグルを追加した。
今回は見やすさ重視で上記のようにわかりやすく「Amazonアソシエイト」と書いた。
この名称は「アマゾンジャパン」や「アマゾン・ジャパン合同会社」や「グーグル」など仕訳が複雑になった時に混乱しないような名称にすれば良いと思う。
無事に入力し終えたら「登録」を押して確定しておく。
補助科目を設定する
次に追加した取引先の名称を使って補助科目を設定していく。
「設定メニュー」→「科目の設定」→メイン画面のタブ「流動資産」にある「売掛金」に対して「補助科目の追加」ボタンを押して上図のように設定した。
先ほどの取引先画面で登録しているため、空欄を選ぶとプルダウンで「ゆうちょ銀行」などが表示されるので選択して完了。
また、源泉徴収がある場合はタブ「流動資産」→「事業主貸」に補助科目として「源泉徴収税」を追加する。
今回も最後に画面下の「登録」を押してサーバーへ登録が完了したダイアログ表示の確認を忘れないように。
Amazonアソシエイトの売上仕訳をしよう。
報酬確定日と振り込み日
はじめに「支払いのスケジュール」を把握するためAmazonアソシエイトのヘルプページ(Amazonへ)を見ると「口座振込の場合」は、基本的に「翌々月の支払い」となっていた。
しかし、Amazonアソシエイトでは注文のキャンセルや発送遅延による取り消しといった売上の修正が発生することもあるので注意。
実際の作業をみてみよう。
次に具体的な作業をしていく。
- Amazonアソシエイトへログインして「支払い履歴」(要ログイン:Amazonへ)を開く
- そのデータを参考に会計ソフトへ記帳していく
→紹介料の発生日は「売掛金」へ
→銀行振り込み日は「預金出納帳」へ
次の「支払い履歴」の画像を例にして仕訳をしていきたい。
上図の最下段を見ると「2022年2月1日:紹介料」とあり、これが「2021年12月(60日前)の報酬額・確定の日」。
その上にある「2022年2月27日:銀行振り込みによる支払い」が「2021年12月(60日前)の支払日」
以上のことからも、Amazonアソシエイトの報酬システムは次のスケジュールで動いていることがわかる。
- 月初:2ヶ月前の報酬確定日
- 月末:2ヶ月前の報酬の振り込み日
これが延々と繰り返される。
それでは、実際に仕訳へと書き起こしていく。
実際の仕訳、課税売上の注意点
それでは1つめの仕訳。
月初の報酬確定(2月1日の売掛金)について仕訳すると下図のようになった。
上図は「やよいの青色申告 オンライン」ユーザー向けで読みにくいため、一般的な仕訳にすると下記のようになった。
取引日 | (借方) 勘定科目 | (借方) 補助科目 | (借方) 金額 | (貸方) 勘定科目 | (貸方) 補助科目 | (貸方) 金額 |
2月1日 | 売掛金 | アマゾン | 130,000円 | 売上高 | アマゾン | 130,000円 |
ここで重要な「税区分」の話は後述するとして、一気に取引の仕訳を完結させていきたい。
次に月末の振り込み(2月27日の普通預金)に関する仕訳。
上図の内容を一般的な書き方にすると次のような仕訳となった。
取引日 | (借方) 勘定科目 | (借方) 補助科目 | (借方) 金額 | (貸方) 勘定科目 | (貸方) 補助科目 | (貸方) 金額 |
2月27日 | 普通預金 | ゆうちょ | 128,979円 | 売掛金 | アマゾン | 130,000円 |
2月27日 | 事業主貸 | 源泉徴収税 | 1,021円 |
ここでの重要ポイントは「源泉徴収税」。
アマゾンジャパンは国税庁(国税庁よくある質問へ)に従い、月間12万円以上の報酬を支払う月は源泉徴収した報酬を振り込むシステムとなっている。
上記の例では13万円の売上なので(報酬13万円ー12万円) x 10.21% = 源泉徴収額1021円となっている。
しかし、上記の計算をしてもアマゾンジャパンの支払い履歴に印字されている数字と合わないので、おとなしく差し引かれた分の金額を「事業主貸(補助科目:源泉徴収税)」として入力している。
(以前は振り込み手数料として1行分の記載もあったが2022年時点でなくなっており、それが加算された金額なのかは不明)
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以上、先ほどの仕訳と合わせることで、2月1日に発生した「売掛金」が2月27日にアマゾンから源泉徴収された上で、「普通預金」へ入金されたというお金の動きを税務署が確認できるようになった。
アマゾンは課税売上?税区分の話
先ほどの仕訳で重要なポイントは項目「税区分」のところ。
シンガポール経由となるGoogle社の売り上げは「消費税の対象外取引」になるものの、アマゾンジャパンは「課税売上」(上図左のオレンジ色付き枠)になる。
その課税売上に対して、簡易課税を選択している場合は第5種事業として「みなし仕入れ率=50%」になるようだ。
今後、インボイス制度に登録する際はメイン収入ではなくても課税売上の収入があれば納税義務が発生するので注意したい。
なお、アマゾンジャパンの税区分については最新情報は「Amazonアソシエイト・プログラム運営規約」から確認できる。
Amazonアソシエイトの源泉徴収で損しないために
先ほどの源泉徴収額は「Amazon側で所得税を支払った額」という話。
つまり確定申告時に記載もれがあると所得税を二重に支払うことになるので注意したい。
この時、「税金を多く払ってますよ!」と税務署が教えてくれることもなければ訂正や還付も行われない。ただ所得税を二重に支払っただけとなる。
Amazonアソシエイトの支払い履歴で先ほどの画像にあるような「源泉徴収」や「Tax」という文字とともに報酬が差し引かれていたら源泉徴収が行われている。
私たちが行うべき作業は次のとおり。
- Amazonアソシエイトの支払い履歴で「源泉徴収額を確認」
- 1月から12月の源泉徴収の合計額を算出
- 確定申告書類Bの(他社も含めた)源泉徴収額の合計額を記載
ちなみに昔は源泉徴収を示す書類を「確定申告書」に添付する義務があったが、2023年時点では不要となっている。
それについては2023年1月5日に田中卓也税理士が監修した「弥生会計 確定申告あんしんガイド」(弥生へ)というコラムに詳しく書かれている。
電子申告が進み添付書類も不要になったということで忘れやすくなったとも言える源泉徴収の申告、確実に入力していきたい。
前回→やよいの青色申告 オンライン導入レビューVol.01、期首残高など初期設定編
→今回レビューした「やよいの青色申告 オンライン」の詳細は弥生の製品ページへ