【スコア比較】手軽に「ROG Ally」を強化、放熱ケース「Back Modcase」装着前後レビュー
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先日「ROG Ally Back Modcase」の装着レビューを行ったが、その際に大切な『冷却シリコンパッド』を入れ忘れるという致命的なミスを犯してしまった。
その「シリコンパッド」をインストールするに当たって背面パネルを外す必要があった。せっかくなので「ROG Ally Back Modcase」装着前後でベンチマークのスコアは変わるのか比較していきたい。
今回レビューするベンチマークアプリは「CINEBENCH R23」「CrystalDiskMark 8.0.4 x64」「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver1.3」の3つ。
先に結論を書くと3つともスコアが上昇していた。
「ROG Ally Back Modcase」装着前後のスコア比較
まず装着し忘れた『冷却シリコンパッド』を放熱ケースの指定された位置へインストール。
パネル内側へ貼り付けるためのシールなどはない。シリコンパッドは湿った粘土のような状態であったため、梱包袋からダイレクトに置くだけで済んだ。
上記の位置を少しズラしたいと思ってもピタッと貼り付いて動かなかったので僅かなズレは気にしないことにした。
ROG Ally本体のファンと干渉しないか確認する。とくに問題はなさそうだ。
ここからは放熱ケース「ROG Ally Back Modcase」装着前後のベンチマーク・スコアを見ていきたい。
各ベンチマークの計測はコマンドセンター(上図)にある項目で次のような設定で実施した。
- AMD RSR:オン
- FPSリミッター:オフ
- リアルタイムモニター:オフ
- オペレーティングモード:10W(サイレント)または30W(Turbo)
上記のうち「CINEBENCH」を除いてオペレーティングモードを変えながら2つのベンチマークを2回ずつ実行している。
なお、全てUSB-C充電を行った状態でテストを行った。
「CINEBENCH R23」のスコア比較
はじめに「CINEBENCH R23」をマルチコアの結果を見ていきたい。下図は左から順に30W(Turbo)モードの装着前と装着後となっている。
- 装着前(30Wターボ):12776pts
- 装着後(30Wターボ):14058pts
この変化には驚いた。後述するゲームプレイ体験も改善されていたので放熱の効果は体感できるレベルだと思う。
上図の下部にあるオレンジ色のバーが「ROG Ally」のランキング状況、赤色バーは初回測定値。
ランキング3位「AMD Ryzen Threadripper 1950(3.4GHz、16C/32T)」のスコア”16315pts”から大きく数字を落としていたが、「ROG Ally Back Modcase」装着後は”14058pts”となり一気に2000ほどまでに詰め寄ったことになる。
下に位置するのはIntel Core i9-9880H(2.3GB, 8C/16T)でスコア”9067pts”。装着後は5000ptsほどまで差を広げた。
続いてシングルコアでも違いがあるのかチェック。
- 装着前(30Wターボ):1702pts
- 装着後(30Wターボ):1727pts
やはり放熱を活かしやすいマルチコアに比べると僅かな差しかないようだ。
それを示すかのようなデータもある。シングルコアに対するマルチコアの恩恵を現す「MP Ratio」では装着前=7.51に対して装着後=8.14と高い。発熱による処理速度低下が発生しやすいマルチコアの方が効果があることを確認できる。
「CrystalDiskMark 8.0.4 x64」のスコア比較
SSDの処理速度に発熱は影響するのだろうか。よい機会なので比較してきたい。
下図30W(ターボ)の状態で「CrystalDiskMark 8.0.4 x64」を実行したスコア。上から順に装着前、装着後となっている。
興味深いことにRND4K(Read)を除いた項目が全て向上していた。
正直、ベンチマークで最後の激しい状態で計測する最後のRND4K(Write)が変化する程度だと思っていた。
ふとUSBメモリやノートPCから抜き出して強制的に外部ストレージ化したストレージが熱くなっていたことを思い出す。熱は読み書き速度にも影響するようだ。
続いて10W(サイレントモード)でのスコア。上から順に装着前と装着後となっている。
こちらは上がったり下がったりで向上しているのかは怪しい。しかし、全体的に数値が良くなっているので普段から放熱ケースの恩恵は得られそうだ。
「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver1.3」のスコア比較
最後にファイナルファンタジーのベンチマークテストを行なっていく。以下、4つのテストは全て【標準品質】【1920×1080】【ウィンドウ】で実行。インストール直後の初期設定となっている。
まずは10W(サイレント)を実行。上から順に装着前、装着後。
- 装着前(10Wサイレント):1233(動作困難)
- 装着後(10Wサイレント):1252(動作困難)
ディスクベンチと同じく多少の改善はあったものの10W(サイレント)モードでは「ROG Ally Back Modcase」の実力は発揮できないのだろう。
10Wサイレントモードでは音もブツ切れになって顔をしかめてしまうほど。動作困難という評価も頷ける。
最後に本命の30W(ターボ)で装着前、装着後を見ていく。
- 装着前(30Wターボ):3548(普通)
- 装着後(30Wターボ):3622(普通)
どちらも【普通】という結果は変わらないが、74ポイント上昇している。
この数値を見る限り「僅かな変化」としか映らない。しかし、テスト中の動きを見ていると装着前にあった定期的に不安定な描写があり、それらを装着後は何度か回避していた。数字には現れない発熱による負荷・制御がかかるシーンで密かに活躍してくれているようだ。
イメージとしてはAMDチップの発熱限界へ辿り着かせるのを遅らせてくれるといった印象。そのため、高負荷の時間が長いほど威力を発揮するのかもしれない。
レースゲームを試した感想。
2024/02/22時点でも無料配布中の定価3480円「DAKAR Desert Rally」(先日のセール記事へ)というレースゲームを試した。
先日のセール記事に合わせてインストールを行い、レビュー記事でも書こうかと思っていたらROG Allyがカクカクしてしまい最初のトレーニング時点で諦めていた。
「ROG Ally Back Modcase」装着後に改めて30Wターボで試したところ安定してプレイを楽しめるではないか。
それでは何が違うのだろう。前回はカクカクした挙句に岩場へ突っ込み、タイヤがない状態でゴールを目指すという悲惨な状態だったが今回は事故を起こすことなくクリアできた。
どうやら一瞬の僅かな描写の遅れるがあると、その時に行った操作がキャンセルされ、岩場へ激突したりと望まない結果となっていたようだ。それがない。
このレースゲームは加速するほど砂埃や浜辺の水飛沫などといった繊細な風景描写が負担をかけるようで、そこで操作が遅れると車は急に止まれないので激突へと繋がるといった感じだろう。この描写が固まるシーンこそ放熱ケース「ROG Ally Back Modcase」による負荷軽減が活きていると思った。
原神など「ROG Ally」で描写が遅れそうな設定があれば「ROG Ally Back Modcase」が効果を発揮するかもしれない。
「ROG Ally Back Modcase」によりAMDチップが別のチップに変わるわけではない。しかし、派手なアクションシーンなど負荷がかかるゲームで僅かな、些細な遅延を感じるようであれば改善できるように思えた。
また、前回のレビューに書いたとおり背面パネル直付けのリングスタンドが便利。ROG Allyをサッと置けるので手に取りやすくなった。
リンク:Makuake
前回→ROG Allyに自立スタンドや放熱・追加電池を、モッドケース『ROG Ally Back Modcase』導入レビュー・実装手順