本気のLinuxスマホ「PinePhone Pro」は買いか、スペック・価格

公開日: : 最終更新日:2022/02/20 スマートフォン

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PINE64が数日前に発表した最新Linuxスマートフォン「PinePhone Pro」はソニー13MPカメラにRAM3GB+128GBとミドルレンジのAndroidスマートフォンと変わらないスペックに仕上がっている。

先日記事で取り上げた「Ubuntu Touch」などをサポートし、外部モニターやマウスを繋げばデスクトップモードも楽しめるポケットサイズのLinux端末だ。

2021年10月15日から開発者向けの予約注文を開始しており年内の出荷を予定、一般ユーザー向け「Explorer Edition」を2022年初めにリリースするという。

真のポケットPCと呼べそうな「PinePhone Pro」は買いなのか、スペックを見ていきたい。

Pinephonepro

「PinePhone Pro」のスペック

PINE64は製品ページで「PinePhone Pro」に込めた想いを打ち明けている。

同社はPinePhone(2018)を送り出してから2年間、様々なフィードバックを入念に分析してハードウェアの改善に取り組み、その集大成が「PinePhone Pro」だという。

Rockchipと協力したSoCとRAM / ROM

SoCはRockchip 1.5GHzヘキサコアを搭載し、RAMはデュアルチャネル4GB、ストレージはeMMC 128GB(microSDカード最大2TBまで対応)、カメラにはソニーIMX258センサーのメインカメラ13MPとフロントカメラ5MP(OmniVision OV5640)を積んでいる。

同社はRockchipエンジニアチームと緊密に連携し、SoCのパフォーマンスや熱、バッテリーを調整してPinePhone Pro専用のバリアント「RK3399S」(市販品はRK3399)を完成させた。

Rockchipチームは端末のサスペンドにも尽力、これによりバッテリーを節約しながら通話やSMSを受信できるとのこと。

誰かが大衆はストーリーで動いていると話していたが、Rockchipチームの情熱に触れるとエントリー端末の見方も変わってくる。

パフォーマンスについて

実際の体感速度は2021年10月時点で市販されているミッドレンジAndroidスマートフォンと同等としている。

また、ネイティブLinuxゲームやレトロなゲームエミュレーターも上手く動作しており、SuperTuxKart、PSP、Dreamcastといったエミュレーションの良好な報告も受け取っているという。

さらに外部モニターとキーボード・マウスを接続してブラウジングやオフィス系アプリ、1080p動画視聴、軽量な写真編集であれば優れたパフォーマンスを発揮したようだ。

同社は「PinePhone Pro」をポケットで持ち運べるLinuxコンピュータと呼ぶ。

セキュリティと拡張性の継続

Pinephonepro unboxing

セキュリティ面では、カメラ / マイク / WiFI / Bluetooth / イヤホン / LTEモデム(GPS含む)からの漏洩を防ぐ物理的なプライバシーキルスイッチを継続。PinePhone(2018)と同じく背面からアクセス可能となっている。

ポゴピンシステムも継続され、PinePhone(2018)向けに提供されていたキーボード、PineDio LoRa、指紋リーダー、ワイヤレス充電ケースなどが全て使用できる。

ディスプレイとインターフェイス

画面サイズおよび解像度はPinePhone(2018)と同じ5.95インチ(1440×720)だがLCDからLCD IPSへとアップグレード、さらにコーティングを施したCorning Gorilla Glass4で保護している。

インターフェイスはUSB Type-C 3.0をサポート、最大3A(15W)にまで対応した。

バッテリー容量は3,000mAhを搭載、本体サイズは160.8 x 76.6 x 11.1mmと2mm厚くなってしまったが電池や5Gモデムによる可能性を選んだようで重量も215g(無印は185g)と僅かに重くなっている。

まとめ。

PinePhone Proの価格は399ドル、日本円換算で約46,000円とAndroidのミドルレンジ端末としては割高に見える。

しかし、プライバシーキルスイッチなど完全独自のハードウェアとOSチューニングを考えると「一点モノ」に近く良心的な価格と言えそうだ。

PinePhone (2018)の時はSoCが市販品など手探り状態だったが、PinePhone Pro (2021)では専用SoCとなりストレージも4倍以上、カメラもソニーの本格的なセンサーを積んで一気に実用的な端末になった。

スマートフォンは薄く軽くという進化が多い中で優先すべき仕様を選び、その結果として2mm厚くなったところまで格好良く見えてしまう。

自宅ではプロジェクター、旅先では備え付けTVといった具合にスマートフォン1つでPC環境を持ち運べる端末になるかもしれない。(対応OSやファクトリーイメージは公式Wikiページより確認できる)

「PinePhone Pro」は買いか

スマートフォンの機能を持った小さなコンピュータ「PinePhone Pro」は、金銭とコンテンツの交換をメインとする消費活動に最適化されたスマートフォンにはない可能性を感じた。

決して大ヒットするような端末ではないがデータセンターに設置するLinuxサーバーのようにレジ端末や商品検品リーダー、配送員のスキャン端末かつ内線電話など法人向けのベース端末という未来もある。

この端末に私が望むのはブログが書けてアップロードできれば良く、音声入力も進化しているのでキーボードを使うのは作業を自動化するセットアップ時くらいだろう。それを実現できると判断した時は購入したい。

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Source:PinePhone Pro

この話には続きがあります。
6型Linuxスマホ「PinePhone Pro」が注文できなかった話、やりたいこと。

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