リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの並列接続で悩んだ話|ダイオードや循環電流ほか

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先日の記事で移住先である限界別荘地が気軽に停電すると書いたが、その対策として非常用ではなく日常用として蓄電池を導入した。

もともと太陽光発電システムを構築するつもりだった。それならば一気にソーラー対応の走行充電器まで組んでしまおう!そう決意して先のプライムデーでシステムの大部分を発注していた。

そのうちバッテリーはリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを選択した。

プライムデーでは12.8V/100Ahが特価28,799円と安く、同じ電圧の200Ahを1つ注文するよりも100Ah x 2のほうが1.5万円ほどオトクに。その値段に背中を押されて100Ahを2つ購入した。これを並列接続して200Ahにしようと。

しかし、甘かった。

ソーラーパネルの並列接続ならダイオードで対策すれば解決できるが、入出力が存在するバッテリーは複雑だったのだ。

バッテリーの並列接続は難しい。

その規模に関わらずバッテリーの大容量化を目指すと直列接続と並列接続を組み合わせる必要がある。今回は12Vの自動車に走行充電器を接続するため、電圧を上げない12.8Vバッテリーの並列接続を選ぶことになる。

この並列接続を選ぶと発生する問題が”循環電流”だった。

一般的に同じメーカーの同一ロット、電圧と容量を揃えることで並列接続しても良いとされている。

しかし、実際は完全に同一のバッテリー状態なんて存在しないようで僅かな電圧の差が数年後に牙を剥くようだ。

その対策としてショットキーバリアダイオードと理想ダイオードが紹介されている。どちらも同じ役割を果たすが、前者は1本30円ほどで安い代わりに発熱とロスが多く、後者は真逆で1本1000円ほどする代わりに発熱とロスを抑えられるという代物。

困ったことがあるとすれば、ダイオードを突き詰めた先人たちが未だ解決策を見出せていないことだろう。

最も参考になる情報源は、ブログ”太陽光発電(DIYで自作)”さんの記事だ。そちらではダイオードシステムを突き詰めた末に、起点となるバッテリー1台が”循環電流”の渦から逃れられていない。

そうなると残る手段は2つ。

  • 大昔から存在する「スイッチ切り替え方式」
  • ごっつチャンネルGT-work氏の「電圧切り替え方式」

まず安価で確実な手段として物理的な3極スイッチを用いて2つのバッテリーを手動で切り替えていくという方法。これなら”循環電流”は発生しない。

次に異なるメーカーや容量のバッテリーを一緒に使う裏技としてごっつチャンネルGT-work氏が公開していた動画がある。

この方法は並列接続が抱える根本的な問題をクリアしているように思う。動画のコメント欄ではダイオードを使った方がシンプルという指摘もあるが、走行充電器やソーラー充電においてダイオードには限界がある。

同氏の方法を簡潔に表すなら「手動スイッチの自動化」だろう。

同氏が使用しているアイテムは5極リレー(Amazonへ)と低電圧放電保護モジュール(Amazonへ)の2つだけ。このシンプルさも素晴らしい。

電圧をトリガーとしてバッテリーを切り替えるというシンプルだが強力な手法。もちろんバッテリーの劣化で設定した電圧より下がることも予想される。しかし、鉛などとは異なりリン酸鉄は電圧の変化は緩やかでサイクル回数も多い。その変化よりも前に車の買い替えやシステムの交換が発生するだろう。

並列接続、最終的にどうするか

ごっつチャンネルGT-work氏の手法は色々と応用が効きそうで興味深い。そのまま脱線してしまうかもしれないくらいだ。

ただ今回はプライムデーで2つ一緒に購入した同一メーカー・ロットのリン酸鉄バッテリー。シンプルに並列接続しようと思う。

今後、新たに中古の鉛バッテリーとかリーフの電池を購入して大容量の蓄電システムを構築するといった時に電圧トリガーのスイッチを試したい。

なお、私が購入したリン酸鉄リチウムイオンバッテリーはGOLDENMATE製でプライムデー特価28,799円だった。現在は35,999円に戻っているが、5000円OFFクーポンが発行されているので最終価格は30,999円と安値が続いている。

値上げが続く世の中でリチウムイオンバッテリーによる火災ニュースもあってか安全なリン酸鉄まで値下げしているのは運が良かった。YouTuberの酷評を受けてマキタ草刈機が投げ売りしたときもあったが大衆向けコンテンツの動向から安く買えるというのは変わらないようだ。

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