高価な意匠建材「モールディング」は自作しよう、3Dプリンター活用術 #Creality

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軽トラックのキャンピングカーシェル制作も終わりが見えてきた。

それと同時に並行して空き家だった中古別荘を人が住める状態にまで1年間をかけてリフォーム。山奥なので湿度が98%なんて当たり前の状況では湿気が大敵の3Dプリンター用フィラメントは使用できない。

度重なる防湿リフォーム、気密を高める工夫により除湿機なしでも室内湿度51%という数値に至った。これまでなら外の湿度プラス5%くらいだったので、大きな成果だと思う。

余談になってしまうが、和室を洋室化していて押入れを3DプリンターROOMとする予定だ。

上図のCreality K1Cのほかに「Ender-3 V3 CoreXZ」(組み立てレビュー記事へ)と光造形方式の「HALOT-MAGE PRO」(制作物などの過去記事リストへ)の2台も並べて遊び倒したい。

ようやく、—————ついに3Dプリンターを使えるのだ。

色々と制作したいアイテムはあるが、まずはキャンピングカー・シェルの窓と気密リフォームの3重窓に取り付けるモールディングを印刷する。

モールディングというのは下図のような意匠建材。

ご覧のとおり腰壁など様々な場所で活躍している。

今回は窓ガラスを支えるタイプのモールディング。これをネットで購入しようとするとサンゲツといったブランドでは2メートルが1本で2802円(Amazonへ)となり、壁紙屋本舗のシールタイプ30本売りという(モールディング界隈では)人気と思われるタイプは15,950円(Amazonへ)で販売されていた。しかも窓用ではなかったりする。

いやはや、高い。

建築資材のなかでは意匠に該当するので仕方ない話ではあるが、窓ガラスを支えるモールディングは見た目だけではなく実用性を兼ね備えているので何としても欲しい。

そこで3Dプリンターを使って印刷した話を記録していく。

Creality K1Cで意匠建材を安く自作する。

3Dプリンターは本体が高く、印刷時の電気代もかかるし、フィラメント代も安くない。さらに言えば平行を調整するといった設定が大変といったこtもある。

しかし、ボックス型3Dプリンターは出荷時点で完成した製品だ。

約1年ぶりに出番となったCreality K1Cもまたボックス型なので引越しの振動や、1年間もヘッド調整などをしてこなかったので使えるのか不安が過ぎる。

しかし、杞憂だった。

水平調整もフィラメントの再投入も確認することもなく、とりあえずCreality K1CへSTLファイルをMacからWiFi経由で送信したら印刷できた。

いかがだろうか。

素晴らしい出来栄えだと思う。

今回のSTLファイルは3Dプリンターのデータ公開サイト”Thingiverse”からダウンロードさせていただいた。

何が素晴らしいかというと「印刷時間=7〜8分」と上記サイズならあっという間に制作できることだろう。上図のモデルはテスト印刷だったので単体だったが、3Dプリンターの印刷可能な範囲までコピーすれば大量生産も可能となる。

たしか積層を消す方法もあったはずだが、調べ出すと時間が溶けるので我慢。それよりも窓に使うフィラメントである限り耐候性の問題は避けて通れない。

耐候性についてはPLAよりもABSの方が高く、黒顔料を含んでいるので紫外線による劣化スピードを遅くしてくれるのは事実。

今回のフィラメントはCreality Hyper PLA-CFというメーカー純正品。


(写真) カーボン印刷は使えたか、3Dプリンター「Creality K1C」実践レビュー より

このフィラメントは耐熱性において61.5度という数字を叩き出している。スタイロフォームで室温が安定しているキャンピングカーシェルでは十分に耐えられる温度(詳細はAmazon販売ページ)だ。

ただ耐候性についての言及はない。

これについてはキャンピングカー・シェルの外側にミラーフィルムを貼り、ABSモールディングは内側だけに設置するという解決策が浮かぶ。

もう1つはABS樹脂に耐光性のある塗料を塗るという作戦だ。

塗料である限り屋外の雨風にさらされ過酷な環境となる。リフォームで使うシリコンコーキングの外壁が劣化して雨漏りするのと同じように定期的なメンテナンスが求められる。

ABS樹脂の耐候性を高めるには一般的にウレタン塗料(アクリルウレタンやポリウレタンなど)で表面を覆うのが良いとされている。それは同時に積層面を隠せる可能性も秘めている。

上図は正面から見たABSモールディング。

3Dプリンターで印刷したと言わなければ積層面を”木目”あるいは”木の割れ”と勘違いするかもしれない。ここにアクリル塗装を施せば外側の窓もモールディングできるではないのだろうか。

しかし、アクリルといえばPLAフィラメントを溶かす溶剤だ。とくにアクリルサンデーはPLAフィラメントの接着剤として有名。紫外線の前に溶剤に負けてしまう可能性がある

それについては次回の記事で何を買うかまとめていきたい。

————というわけで、 次回はABSフィラメントの紫外線対策と接着剤について記録していく。

→今回レビューしたABSフィラメントの詳細はAmazon販売ページ

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