Fire タブレットをLinux化、無料の「Termux」で開発環境を構築
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最終更新日:2022/05/15
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これまでFireタブレットをファイルサーバー(FTPサーバー)やメディアサーバー(DLNAサーバー)にしてきたが、今度は様々なサーバーを運用できるLinux環境を構築する。
作業自体はGoogle Playからインストールするだけでroot権限も不要、とても手軽な簡易エミュレータを使った内容だ。しかし、これによって次回の文章入力デバイス化(ポメラ化)へ向けた第一歩としたい。
TermuxでLinux開発環境を
Android OSのカーネルはLinuxであるということは有名だが、Android搭載スマートフォンやタブレットをLinux端末として使おうとするとroot権限が必要など敷居が高く、チャレンジする人は少ない。
しかし、今回の「Termux」は無料かつroot権限が不要、お手軽にLinux環境を体験できるエミュレータとなっている。配布も独自ウェブサイトではなくGoogle Play、過去記事でインストール済みであればFireタブレットでも簡単に導入できる。
今回「Termux」(Google Playへ)はFire HD 8 タブレットにインストールした。理由はFire HD 10 タブレットはAlexaが使えて処理性能も高いため”そのまま使い倒したい”からだ。一方でFire HD 8 タブレットはアプリの動作などが遅めなのでサーバーとして使うほうが良いと判断した。特に”ポメラ化”には最適だと思っている。
しかし、エミュレータということなので動作が重くなる可能性がある。そこが重要なポイントとなりそうだ。
Termuxの管理システムはDebian系でAPTパッケージ、SSHやVim、Emacsなどが使える。今回の目的は文章入力に集中できるテキストエディタが欲しいので「Vim」をインストールする。
このVimはViから派生したマウスの利用を想定していないという特徴を持ったテキストエディタで、これは文章入力に集中できる環境を作れるポメラに似ていると思った。さらにプラグインでWordpressなどにも対応できる。iOS向けの有料ブログエディタなどに一喜一憂しない昔ながらのテキストエディタを学ぼうというのが今回の狙いだ。
これまでAndroidアプリではVim Touchというエディタが存在したが、現在はGoogle Playで配布されていない。次にDroid Vimというアプリが配布されているが独自設定を記録できるファイル「vimrc」機能は有料となっている。
しかし、Termuxの「Vim」はアプリではないため実用的ではないかと期待している。
Windowsでは長い間「秀丸」を愛用してマクロも便利に使わせてもらっている。しかし、Android版やiOS版は用意されていない。一方でVimは各OSで使えて無料、さらに何年も育てたという自分の設定ファイル「マイvimrc」などと公開している人もいる。これを機に全OSで使えるテキストエディタに慣れておきたい。
Tearmuxの初期設定
Tearmuxをインストールしたら、最初にaptを更新した。
apt update
apt upgrade
次にファイルを管理しやすくするための設定を行った。
termux-setup-storage
これを実行するとフォルダへのアクセス権限に関する許可が求められ、許可すると「/storage/」ディレクトリ以下にSDカード用フォルダへのシンボリックリンクが作成され、アクセスが簡単になる。
続いてソフトウェアをインストールしていく。
apt install git
apt install curl
apt install wget
上記の他にもMySQLやPHP、Pythonなどがインストールできる。
次回はTermux内のVimと折り畳みキーボードを使ってFireタブレットの”ポメラ化”に挑戦する予定だ。
続き⇒Fireタブレットのポメラ化、折り畳みキーボードと「Vim」で構築
前回⇒Fireタブレットを512GB搭載メディアサーバーにする方法、DLNAサーバー化でmicroSDカード活用術