カスタムROMとは、Androidの歴史と派生OSの種類。
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Android
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カスタムROMとは何?
マニアックな存在では?
そう思うかもしれないが、Android端末を使っていれば既にカスタムROMを日常で使っているだろう。
本当に純粋なAndroid OSは通称AOSP(Android Open Source Project)と呼ばれており、それをベースにメーカーが各自カスタムして「かんたんスマホ」や「Fire タブレット」などと販売している。
それがホーム画面だけの場合もあれば、自社サービスのアプリや広告アプリから中国メーカーで問題となったユーザー活動収集→サーバ送信アプリまで様々だ。
いずれのカスタムROMも共通しているのは、ユーザー自ら最新Androidへアップデートできないこと。
それだけでなく、メーカーがROM更新を停止すれば最新Androidアプリが対応できなくなったり、FeliCa機種でもセキュリティを理由に決済できない状況もあるだろう。
少し脱線したが、多くのモバイル端末ユーザーは既にカスタムROMを利用しているという話。
もちろんカスタムROMは企業が営利目的に開発するだけでなく、有志により安全かつ快適を目指すタイプ、下図のようにスマートフォン1つでデスクトップPCまで実現しようとするタイプなど様々だ。
ここからはAndroidの誕生やカスタムROMの歴史を見ていきたい。
Androidの過去と現在。
はじめに全ての始まりであるAndroidについて、それからカスタムROMについて書いていく。
Android
AndroidはLinuxカーネルやオープンソースソフトウェアをベースにしたモバイルOSで、プラットフォームベンダーの米Android社が開発していた。
- 2005年、Google社が買収して開発を引き継ぐ。
- 2008年、世界初の商用Android搭載端末「T-Mobile G1」が発表。
- 2010年、Android 2.x搭載の「Nexus One」と「Nexus S」が発売。
- 2012年、Android 4.xが公開され「Nexus 4」「Nexus 10」が発売。
- 2013年、「Nexus 4」「Nexus 7」「Nexus 10」、そして「Nexus 5」が発売された。
上記のNexusシリーズは2021年になってもカスタムROMの多くがサポートするなど、愛され続けている。
Android OSは、Android Wear(Wear OS)やAndroid TVにAndroid Autoと個別ジャンルへ進化、スマートフォンやタブレット向けには下記カスタムROMが派生していった。
有名企業やメーカー製のカスタムROM
ここは有名なのでサクッと紹介していきたい。
- AliOS:アリババが開発中。
- Baidu Yi:Baiduが開発していた。
- ColorOS:日本上陸しているOPPOが開発中。
- EMUI:ファーウェイが開発中。
- Fire OS:アマゾンが開発中、FireシリーズやEchoシリーズが有名。
- MIUI:Xiaomiが開発中。
- One UI:サムスンが開発中。
- OxygenOS:OnePlusが開発中。
上記カスタムROMの中で最も利用者が多いのはアマゾンの「Fire OS」だろう。
多くのメーカーが独自UIやアプリインストール程度しか行えていない中で、電子書籍サービスKindleストアやプライム関連サービス、買い物に紐づけるなどしてマネタイズに成功した唯一のカスタムROMかもしれない。
CyanogenMod(サイアノジェンモッド)
カスタムROMといえば「CyanogenMod」(略称CM)は避けられないほど支持されていたCyanogenMod Inc.開発のAndroid派生OS。
2009年にGoogleが開発者へ警告状を送付して話題となった。
2015年3月時点の記録としてはスマートフォンでCyanogenMod起動ユーザーが5,000万いるという報告があったほどのカリスマROMだ。
2012年12月には700万米ドルを調達している。
しかし、2016年のクリスマスに提供終了を発表、その年の終わりに幕を閉じた。
正式な後継先はLineageOSとなっている。
LineageOS
LineageOSは、CyanogenModからフォークしたAndroidベースのオープンソースOSで、その誕生はCyanogenModの終了日である2016年のクリスマス。
2つのROMは深い関係だが、Cyanogenの名はCyanogenMod Inc.が保持しているため「LineageOS」と名乗っている。
同ROMはCPUのオーバークロックやルートアクセス、膨大なAPNリストといった便利なカスタマイズから、タブレット調整やインターフェイス拡張といった細かい設定にまで至る。
そして、公式のAndoridソースに統合されたこともあるほど信頼性も高い。
このLineageOSは様々な派生ROMのベースとなり情報も豊富なので、カスタムROM入門におすすめだ。
Maru OS
このOSについては2016年8月に書いた記事「Nexus 5がDebianデスクトップにもなる『Maru OS』がオープンソース化」に詳しく説明しているため割愛する。
貴重なデスクトップモードに注力しているカスタムROMだ。
crDroid
先程のLineageOS派生プロジェクトで次の項目を重視している。
- 軽い動作、パフォーマンス
- 安定性
上記の特徴から古い枯れた機種を「軽快に」動かしたい場合によいだろう。
印象的なロゴを見るたびにドラクエの「ラーの鏡」(エジプトの太陽神ラー)を思い出す。
リンク:crDroid
/e/(旧称:Eelo)
LineageOSベースでプライバシーを重視してGoogleのアプリさえ入れていないカスタムROM。
標準でGoogle Play互換アプリ「MicroG」をプリインストールしており、GoogleログインやYouTubeといったGoogleアプリが動作するという。
その代償としてFake StoreインストールによりGoogle Playがインストールできない仕様となっている。
リンク:/e/
OmniRom
CyanogenModメンバーが集まったためか、LineageOS系ではなくAOSPベースで開発しているカスタムROM。
プロジェクトの最優先事項は「安定性」となっている。
構成メンバーやAOSPベースでの開発に加え、安定性重視の考えが支持されたのか幾つものカスタムROMがベースとして採用しているのも特徴。
公式の対応機種ページを見るとRaspberry Pi 4がスマートフォンと一緒に並んでいた。
リンク:OmniRom
AospExtended ROM
開発フォーラムXDAで支持されているAOSPベースのカスタムROM。
王道を引き継いだLineageOSの機能性、CyanogenModメンバーが立ち上げたOmniRomの安定性といった2つのROMが持つ良いところを組み合わせていくスタイル。
XDAらしい職人気質なカスタムROMとなっている。
リンク:AospExtended ROM
Pixel Expeience
Pixel Expeienceという名前から連想済みかもしれないが「どの端末でもPixel端末の機能を!」というAOSPベースのカスタムROM。
Googleアプリが含まれ、Pixelのランチャー、壁紙、アイコン、フォント、ブートアニメーションまで含まれている。
ミッションは全デバイスに便利な機能を、そして最大限の安定性とセキュリティを提供すること。
対応機種ページを見ると日本メーカーはないものの、GoogleとASUS、XiaomiやOneplusといった日本でも入手できる端末もあった。
リンク:Pixel Expeience
Ubuntu Touch
この記事を書くキッカケとなったカスタムROM。
まとめた内容を前回の記事「Ubuntu Touchで出来ること(質問まとめ)」に記録している。