M1版Macで動画編集ソフト比較、Final Cut ProとLumaFusionの話。

公開日: : Apple ,

 この記事にはアフィリエイト広告・広告が含まれています。

M1版Mac miniがテキパキと動くのでIntel版MacBook Proを起動する機会を失っている。

今回はコンテンツ生産用のmacOS向けに開発されたFinal Cut Proと、コンテンツ消費用のiOS向けにリリースされているLumaFusionという2つの動画編集ソフトウェアをM1版Mac miniで使った感想をザックリと書いていく。

M1版Macで動画編集ソフト比較。

先に結論を書くと各ソフトは次のような用途にあっていると思う。

  • Final Cut Pro=映像の生産:映像や画像、テキストを重ねたり、見やすく細かいカットを加えたり作り込みたい時に。
  • LumaFusion=映像の消費:素材勝負、撮って出し、音とテキストは簡易的で良いという時に。

誤解を恐れずに書けば「Final Cut Pro」は企画内容だけでなく映像や音楽に資料など総動員して動画を作り上げる場合に適していて、多くの映像クリエイターが救われる機能を備えた動画編集ソフトウェアだと思う。
その一方で「LumaFusion」は細かい編集ができない反面、操作がシンプルなので(動物や衝撃的な映像、アイドル的な人物など)存在だけで視聴率が上がるような素材だけで勝負する量産型コンテンツの制作に向いている。

Final Cut Proの強みと弱み

例えば調整レイヤーを追加して映像を一括加工できたり、カラーグレーディング調整といったアドビのプレミアプロと同等の機能が使えるほか、デスクトップOS向けらしくショートカットキーが充実していて、マウス操作にもキビキビと対応してくれる。

少しでも映像に遊びを加えたいとか、生産性を重視するなら考えるまでもなくFinal Cut Proの体験版をインストールして使い方を覚え始めた方が時短になるだろう。

動画編集の王者となりサブスクによる集金が年々酷くなっているアドビに対してFinal Cut Proが優位に立つポイントは、「買い切りソフトウェア」「Apple開発」という強み。これはPowerBookやApple Siliconなど右往左往するAppleユーザーにとって自社開発の動作保証・サポートは見逃せないところだ。

また、下位ソフト「iMovie」があるためFinal Cut Proを購入したけれどアップデートのたびに使えない動画編集ソフトへと成り下がっていくという心配も少ないし、アドビのようにWindows OSを考慮しなくて良いのでアップデートの精度も期待できる。

これといった弱点は見当たらないが、iPadシリーズで動画編集したいという時に困るほか、Adobeのエフェクトや昔使っていたプラグインを使いたいという時に手間がかかると思われる。

記事投稿時点で価格は36800円とAdobeの年間契約に比べたら良心的な価格設定。

まずはFinal Cut Proの体験版を試して問題なければ製品版を使い、不満を解消できる機能がアドビにあるなら検討するという流れが良いだろう。

LumaFusionの強みと弱み

iOSアプリなのにM1版Mac miniで軽快に動作したことで、私に動画編集のきっかけを作ってくれたLumaFusion。

しかし、実際に映像編集を進めていくとポツリポツリと不満が現れた。

その結果としてFinal Cut Proをインストールしたわけだが、一連の流れによって気付いた事としてLumaFusionはマウスの反応や動画のカットや位置変更をするだけでもワンテンポ遅れていた。それが入力デバイスとの相性なのかソフト設計の限界なのかわからないが、全ての操作においてFinal Cut Proより少しずつ時間がかかっているように思う。

また、タッチ操作に特化した影響なのか、シンプル設計ゆえに編集ツールの少なさが目立つ。例えばナレーションを追加して一部の音声をミュートするといっ作業をするのにもデスクトップOS向け動画編集ソフトに比べて4つほど作業工程が増えるイメージだ。

そして、タッチ操作を前提としてるためマウスカーソルによる繊細な操作に対応しきれていない印象がある。それゆえにKeyboardMaestroのような自動化ソフトを駆使してミュート作業のマクロを組もうとしても同じような動作結果を得る仕組みを構築するのが難しい。

やはり動物やアイドル的な人物が往年のネタを繰り返して楽しませるといった映像の切り貼りだけで済む素材勝負の動画に適した簡易ビデオエディタと言えそうだ。

LumaFusionの強みは安いこと、ツールが少なく学習コストの低いシンプル操作であること。
そのため、映像素材だけで勝負できるならMac miniを使うまでもなくiPhoneで撮影してLumaFusionで不要部分をカット、そのままアップロードが最短ルートになりそうだ。

どちらの編集ソフトが良いのか。

YouTubeのようなロング動画でブランド力や収益を稼ぎたいとか、ショート動画サービスでファンを増やしたり宣伝をしたい場面を想定すると、見た目やトークなどのタレント性もしくは圧巻の撮影力(行動力やセンス)を持ち合わせていたらLumaFusionでサクサク動画を作った方が良い。

特に何もないという時はFinal Cut Proやプレミアプロなどで親切丁寧な動画をコンスタントに制作して接触回数を増やすなど古き良き営業テクニックまで総動員して立ち向かうことになる。

とはいえ、運良く素材勝負できたLumaFusion勢も内容が薄いため飽きられてしまう運命にあって、最終的にはFinal Cut Proなどに頼ることとなるため余裕があれば資産として本格的な動画編集ソフトから始めると潰しが効きそうだ。

理想はLumaFusionで戦える時期にチームを編成してタレント性が枯れる前に編集をアウトソースして映像力を育てることだが・・・、私は大人しくFinal Cut Proから始めたいと思う。

よく一緒に閲覧される記事

Re:ゼロから始める英作文、物書堂と「Basic Grammar in Use」を抱えて

幾度となく英作文に挑戦しては敗れ、やがて時間とともに蘇る。

iPhoneだけで執筆を、携帯スタンドの話

iPad miniのMac化を考えていたが、物書堂の辞書アプ

iPadOS17.5ベータ版から次期iPad(4モデル)、見つかる。

密やかなプレスリリース告知とも伝えられる次期iPadシリーズ

→もっと見る

PAGE TOP ↑