モノクロ画面のiPhoneで過ごした14日間、感想・メリット
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iPhone SE 2といえばバッテリーが残念なことで知られているが、ダメ元でモノクロ画面にしたところ節電だけではない素敵な効果があったのでレポートしたい。
先に結果を書くと節電効果は大きく、最大バッテリー86%まで減っていたが毎日の充電から2日に1回へと変わった。
そして、それは「モノクロによる節電効果」だけでは終わらなかった。
モノクロのiPhoneが映す世界。
きっかけは知人がスマートフォンをモノクロにしていたことだった。
その理由を尋ねると「あまり使わないのに頻繁な充電をしたくない」という合理的な返答。
彼は80歳を超えていながらも全国のマスターズ大会で年代別の優勝争いを繰り広げているアクティブな男性で、普段から直接電話をかけてきてくださるのでスマートフォンの画面は番号や相手先がわかれば十分なのかもしれない。
また、普段はiPadを愛用しているというのもiPhoneをモノクロにできた理由の1つだろう。
海外でも名の知れた彼は、東京の孫を見にきたと思えば翌日には広島から電話がかかってきて、数日後に金沢の土産を持っていたりと多忙。いつ筋トレしているのか不思議なほどスタリッシュな体型に短い白髪でモノクロiPhoneを持つ様は外国人のようにも見えた。
そんな忙しい彼が続けているモノクロのiPhone、そこに映る世界を覗きたくなったのだ。
モノクロ画面のメリットとデメリット。
iOSの設定アプリ内にあるアクセシビリティから設定したところ、画面がスッキリして意外と良い。
しかし、ホーム画面から各種アプリを移動して機能のON/OFFを設定する時などに色がないためキチンと設定できたかわからないこともあった。
やはり電話メインといった機能を絞らないと使いにくいのは間違いない。
それでもKindleで電子書籍を読むと漫画や文庫本は変わらない印象、動画配信サービスで動画を再生したところ最初は味気なく思えたが古いテレビを見ているようで十分に「耐えられる」と思った。
この「耐えられる」というのが重要だった。
ちなみに有機ELとIPS、VAはパネルのベースが黒なのでモノクロにすると消費電力は低くなるが、TN方式は白ベースなのでモノクロにすると黒で塗り潰すことになり消費電力が高くなるので注意したい。
このあたりでモノクロの節電効果を知るべく10件ほどの調査結果を見て回ったところ、おおよそ10%以下の節電効果があると知った。
それは手持ちのスマートフォンでも同じような結果となった。
モノクロ画面にしてスマートフォンが見えなくくなったのに10%以下しか節電できないのだから、「たったそれだけ」と思うかも知れない。
しかし、本当の効果は数日後に気付くことになる。
見ざる聞かざる言わざる。
白黒の味気ないiPhoneにして数日後、ふと「そういえば充電していない」と思った。
iPhoneを手に取りバッテリー残量を見ると残り36%と表示されていて、バッテリーの履歴を見ると24時間以上も充電していないことがわかった。
それだけじゃない。
自分の時間が増えて「やらなければ」と思っていた靴の洗濯やキッチンの不用品処分も行えていたことを思い出す。
そう、モノクロ画面によりiPhoneへの興味が薄れて呪縛から解放されていたのだ。
自分はSNSやメッセージをしないことで奪われる時間を最小限に抑えていたつもりだったが、それでも僅か数秒でも気を逸らすことがなくなるだけで初動を奪われなくなっていたようだ。
これはテレビを手放した時の感覚に近い。
その一方で、iPadにはクリエイティブなアプリも少数だが確実に存在する。彼がモノクロにしていなかったことも納得できた。
同じ時間を消費しているのに驚くほど結果を出す人たちに少しだけ触れられたような気がした。
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モノクロ画面による節電効果は、消費電力でみれば誤差の範囲内かもしれない。
しかし、スマートフォンの魅力を打ち消して本来自分が向かい合うべき物事へ取り組むうちに、結果としてスマートフォンの画面を覗かなくなる。
その「スマートフォンさえ見ない」ことの節電効果は大きかった。
また、1日の中でスマートフォンを手にする回数は想像よりも多かったようで時短や効率化をするより大きな時間を確保できたと思う。
テレビと同じで「手放す=自分と向き合う」ことになり、苦痛を伴う可能性が高い。
唯一の救いはテレビとは異なり、モノクロにするだけで一気に「全てを失う」わけではなく徐々に興味をなくすという優しい治療でもあること。
暮らしの改善や目標、結果を出したい時にいかがだろうか。