オンラインストレージ4社比較、大容量で割安なサービス探し(2020年2月版)
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地震やゲリラ豪雨といった自然災害だけでなく新型肺炎で突然の入院といった不測の事態が明日にも起きるかもしれない。そんな時に残されたPCや外付けディスクへ保存したデータを守れるだろうか。
これまで音楽と静止画、動画をPCや外付けディスクといったローカル保存からクラウドサービスへ移行してきたが、今回はパソコンに残されたテキスト類やバックアップデータといったファイルをアップロードできるサービスを探していく。
オンラインストレージ4社を比較する
オンラインストレージまたはクラウドストレージと呼ばれるサービスは個人向けから法人向けまで数多く存在する。数年後も経営が継続されていそうで、突然終了しない主力サービスとして提供しているストレージサービスを選び、そこから個人的に求める次の内容で絞り込んだ。
- 年間2万円程度
- 容量は1TB以上
- Officeやアドビなどと連携
- WordPress連携
- スマートフォン等にも対応
- ローカル保存しない同期
オンラインストレージのバックアップ機能は企業などにとって重要だが、個人では反対に撮影した写真などを随時PCとMac、スマートフォン、タブレットなどで同期されても困るので「同期の仕様」も重視している。
利用者と対応サービスが多い「DropBox」
アメリカ企業Dropbox, Inc.(Wikipedia)が提供するオンラインストレージサービスで、日本でも利用者が多いことからファイル共有の際にアカウントを持っている可能性も期待できるというメリットがある。
今回の候補に挙げた理由は3つある。
1つは最安プランDropbox Plusが月額1200円と安いこと、もう1つは容量2TBあること、最後の1つはスマートシンク機能だ。
このスマートシンクは上位プランProfessional限定だったが2019年5月のアップデートでPlusにも解禁されたサービスで、Dropboxヘルプページを読むと「ハードドライブの容量を節約できる」機能と紹介されている。
従来のファイル同期は、ローカルディスクにもデータを保存している状態だったが、スマートシンクではファイルを表示しているもののデータ自体は存在しないため容量を圧迫しない。
これは全てのデータをクラウド化して大容量SIMを最大限に使いたいというニーズにあっている。
また、Wordpressを定期的にバックアップできるプラグイン「BackWPup」を使うことでDropboxにブログのバックアップを保存することができるのも魅力だ。
他にもDropboxは数多くのアプリで対応しているのも強い。
なお、DropboxはWindows / macOS / iOS / Androidに対応している。iPadにも対応としているので新しい派生OSが登場しても対応するだろう。
Officeと60分の無料電話が付いてくる「OneDrive」
Windows OSを提供するMicrosoftのオンラインストレージサービスで、ご存知Office365との強力な連携を強みとしている。
同期については一度フォルダを同期してクラウドとデータを同じにした後、設定画面から任意のフォルダでチェックマークを外すとPCからフォルダが削除されOneDriveだけに保存された状態となり、再びチェックすることでPCにダウンロードできるとのこと。(オンデマンド機能の詳細は説明ページとヘルプページへ)
価格・プラン
個人向けOneDrive(要ログイン)は無料で容量5GB(OneDrive Basic)を提供しているが、Office 365 Solo(年12984円)を契約することで1年間1TBまで増量される。このとき契約者はWindows / Mac / iOS / Androidの端末に何台でもOfficeをインストールして利用できるとしている。さらにスカイプで日本を含めた通話60分が無料で付いてくる。
上記2プランの中間となる「OneDrive 100GB」は月224円で100GBと格安だが増量はできないほか、オンデマンド機能などに対応していない。
次にビジネス向けOneDriveを見ると「OneDrive for Business Plan 1」が月額540円で1TB、上位プランのPlan 2は月額1090円で容量無制限となっている。
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Officeが手に入る個人向けプランが月換算1082円となっているため1TBで問題がなければ良いプランと言えそうだ。
Office 2019とOffice 365 Soloの違い
せっかくなのでOffice 2019とOffice 365 Soloの違いについて調べた内容を2行で書いておく。
- Office 2019は買い切りで永続ライセンスだがアップデート・サポートに期限アリ。
- Office 365 Soloは年間契約だがWindows / Mac / iOS / Androidにインストールし放題で常に最新バージョンが使える。
Office 2019 Home製品版が5年後にアップグレードする場合の総コストは2製品とも同等。しかし、Office 365 SoloはOffice 2019 Professionalと同等なので使える機能を加えるとOffice 365 Soloが得と言えそうだ。
MicrosoftやAdobeがサブスクリプションに力を入れていることからも今後サービスが良くなるのはOffice 365 Soloと予想できる。
「Google Drive」
Google Driveは個人向けでは2TBプランが月額1300円となっていた。
ビジネス向けのG Suiteでは月額680円で30GBの「Basic」プランと月額1360円で容量無制限の「Business」プランがある。しかし、5人分のアカウントが必要といった条件が付く。
GoogleフォトやPlay Musicの曲数の解放が付属していれば迷わず選択していたが、いずれもプランページには書かれていない。(G Suite Businessヘルプページにはフォトも無制限とあった。)
ストレージ対象サービスにGmailやカレンダー、ハングアウト、Google Office、Keepなどがある。
意外とリーズナブルな「iCloud Drive」
Apple製品を使っているのでiCloudも検討、月額1300円で2TBとリーズナブルだった。
iPhoneやiPadのバックアップと復元を保存できるメリットを見かけるが、iTunesを使ってPCに保存しCドライブ⇒ユーザー⇒Backupフォルダでバックアップ・データを直接、他のストレージサービスで同期するという手もあるので特別な強みにはならない。
そうなるとAppleがアップロードしたデータを「あなたしか見えない」と説明することが様々なデータをアップロードしたい人にとって魅力ではないだろうか。以前ニュースで犯罪者が所持していたiPhoneのデータを開示しないといった話を見たが、それだけ信頼できるデータ管理会社と言える。
同期については、2019年6月のアップデートでiCloud for WindowsはOneDriveと同じオンデマンド・ダウンロード機能が使えるCloud Syncエンジンを採用、表示すれどダウンロードしない方式でファイルを管理できるようだ。
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他のサービス
BOXなど企業向けの頼もしいオンラインストレージサービスもあるが、目的が異なるためセキュリティは高く複数人の管理に長けているものの、容量は少なく価格は高いといった個人向けではないため除外した。また容量無制限で格安であっても最小ユーザーが3人は必要といった縛りがあったのも外した理由だ。
他にはAmazon Driveもあるがプライム会員の特典であるプライムフォトのRAWファイルも無制限という恩恵があるため新たに契約する必要性を感じなかったサービスもある。
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どのサービスを選ぶか
ここまで見てきた各サービスの候補となるプランを箇条書きにして、そこからサービス内容を加えて検討していく。
- DropBox(Plus) : 月額1200円/2TB
- OneDrive(Office 365 Solo): 月額1082円/1TB
- Google Drive(2TB): 月額1300円/2TB
- iCloud Drive(2TB): 月額1300円/2TB
対応サービスと共有ユーザーの多さを考えるとDropboxは頼もしい。次にOfficeインストールし放題なOneDriveもニーズに合えば割安だろう。
Google DriveはAndroidユーザーであれば馴染みあるサービスでコストパフォーマンスはAppleと同じく優れている。しかし、Windowsメインで考えると同期などに不安を覚えた。
最後のiCloudはiOSと統合しており、Apple製品メインならば即決だろう。しかし、WindowsもMacもiOSもAndroidも使うため大きなメリットに感じられなかった。
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ここで記事冒頭のクラウドストレージに求める機能に戻り、Windowsでの同期機能に力を入れている(説明ページや利用者レビューが多い)サービスに絞ると次の2つになった。
1つはWindowsと統合しているOneDrive、同期方法がWindows 8.1時代とWindows 10初期と2019年以降で仕様は変わっていたが、前述のオンデマンド機能が最新で使い勝手も良さそうだ。
もう1つのDropBoxはスマートシンク機能で同期が行われて便利そうだが、そもそも「アップロードできない」や「同期できない」といったユーザーレビューもあり、事前に調べる必要がありそうだ。
幸いなことに4社とも無料プランを用意しているため、実際に使ってみて最終的なサービスを決定したい。