Apple「M2チップ」発表、M1チップとの違い。

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Apple(カリフォルニア州)は日本時間2022年6月7日、Macのために特別に設計したという次世代Appleシリコンの始まりとする「M2」を発表した。

「M2はMシリーズチップの第2世代の始まりであり、M1の驚異的な機能を凌駕します。電力効率の高いパフォーマンスへの飽くなき追求により、M2はより高速なCPU、GPU、Neural Engineを実現しました。さらに、より高いメモリ帯域幅と、ProRes高速化のような新機能を備え、M2はMacのためのAppleシリコンの急速なイノベーションを継続しています」と、Appleのハードウェアテクノロジー担当シニアバイスプレジデント、ジョニー・スルージは述べている。

「M2チップ」と「M1チップ」の違い。

M1チップはiPadにも搭載されていることから今回のM2チップはMac製品だけでなく、Apple製タブレットにとっても重要な存在となっている。

前回の記事で取り上げたiPadOS16においてはM1チップ必須の機能も登場しており、今後も存在感が増していくことは間違いない。

はじめに物理的な違いについてApple説明を抜粋すると次のようになった。

  • 第2世代の5ナノメートルテクノロジーで構築
  • M1より25パーセント多い200億個のトランジスタで構成
  • M1より50パーセント高い100GB/sのユニファイドメモリ帯域幅を実現するメモリコントローラなど、チップ全体で機能が向上
  • M2は最大24GBの高速ユニファイドメモリを備え、より規模が大きくより複雑なワークロードも処理可能に。

続いてパフォーマンス性能の違いについて。

CPUは18%向上

M2チップはマルチスレッド性能がM1に比べて18パーセント向上した。

それによりM2ではエフェクトを重ねた音楽制作や、写真に複雑なフィルタを適用するなど、CPUに負荷のかかるタスクをごくわずかな電力で処理できるようになったという。

最新のWindowsノートパソコンの10コアチップと比較しても、M2搭載CPUは同じ電力レベルで約2倍のパフォーマンスを実現するほか、わずか4分の1の電力で、そのWindowsパソコン用チップのピークパフォーマンスの約90パーセントまで達成できるとのこと。

WindowsについてはPCゲームや対応する周辺機器の多さなどの魅力もあるため処理性能だけで乗り換えることはないと思うが、次に触れるGPUパフォーマンスも含め動画編集やRAW現像といったシンプルな重作業を目的とするならM2チップは魅力的と言えそうだ。

GPUは35%向上

M2チップはM1より2つ多い最大10コアのAppleの次世代GPUを搭載している。

また、より大きくなったキャッシュと、より高くなったメモリ帯域幅との組み合わせにより、10コアGPUはグラフィック性能の大幅な向上を実現したという。

それにより同じ電力レベルであれば、M1より最大25パーセント高いグラフィック性能と、最大の電力レベルで最大35パーセント高いパフォーマンスを達成するとのこと。

最新のWindowsノートパソコン用チップの統合型グラフィックスと比べると、M2のGPUは同じ電力レベルで2.3倍高速なパフォーマンスを実現し、5分の1の電力でそのピークパフォーマンスを達成するとしている。

その他、変わったこと。

M2チップはAppleの最新のカスタムテクノロジーをMacにもたらし、新たな機能やより高度なセキュリティなどを実現するとして次のような変化を伝えている。

  • Neural Engineは1秒間に15兆8千億回の演算が可能で、M1より40パーセント以上増加しています。
  • メディアエンジンは、8K H.264およびHEVCのビデオに対応する、より帯域幅の高いビデオデコーダーを搭載します。
  • AppleのパワフルなProResビデオエンジンは、4Kと8K両方の複数ビデオストリーム再生を可能にします。
  • Appleの最新のSecure Enclaveは、最高クラスのセキュリティを提供します。
  • 新しい画像信号プロセッサ(ISP)は、より優れたノイズ低減を実現します。

他にもAppleシリコンを搭載したMacコンピュータでは、Mac上で動作可能なiPhoneとiPadのアプリケーションや、Mシリーズチップのフルパワーを解き放つユニバーサルアプリケーションなど、これまでで最大のMac向けアプリケーションのコレクションにアクセスできると伝えている。

前回の話
iPadOS16の目玉機能「ステージマネージャ」とは、対応機種

Source:Apple Newsroom

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