iFixitが「M2 MacBook Air」分解動画を公開、ストレージ問題や加速度センサーなど
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Apple MacBook, MacBook Air
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リペア会社のiFixitは日本時間7月20日、M2チップを搭載したMacBook Air(256GBモデル)の分解動画を公開した。
そこで新たに加速度センサーやバッテリーの変化などが伝えられている。
M2 MacBook Airの分解動画(iFixit)
iFixitが公開した動画は次のようになっている。
NANDチップは256GBが1つだけ。
M2版MacBook Airについては256GBモデルの低速化が指摘されていた。
先行して分解していた海外メディアからNANDチップが1つになっていると伝えられていたが、今回のiFixit分解動画でも確認された形だ。
M1 MacBook Airの256GBモデルは128GBチップが2つ搭載されていたことからファイルの読み書き速度が半分程度になるとも伝えられている。
TheVergeが現地時間7月15日に公開したM2 MacBook Airの製品レビューでは256GBモデルについてNANDフラッシュメモリチップは1つしか搭載していないことが伝えられていた。
その際、Appleスポークスマンより「高密度のNANDチップを1つにしたことでベンチマークテストで旧モデルと変わることはあるかもしれないが、M2ベースシステムにおいて実際のパフォーマンスが高速化できている」という回答があったようだ。
macotakara.jpが行った256GBモデル(M2)レビューによれば搭載SSDはMacBook Pro (13-inch, M2, 2022)と同じ型番で性能は読み込み1036MB/s、書き込み2089MB/sと大きく変わらなかったという。
先日購入したM1 MacBook Air(1TBモデル)でBlackMagicベンチマークスコアを計測すると読み書き3000MB/s前後というスコアだった。
SSDは容量が大きい方が高速になるという性質から単純に256GBモデルとは比べられないがM2 MacBook Airを購入するなら512GB以上が推奨と言えそうだ。
いずれにしてもSSD低速化により物理メモリが不足する構成で購入、使用した際は仮想メモリが足枷となりパフォーマンス低下は避けられないことに注意したい。
バッテリー強化、加速度センサー追加。
M2 MacBook Airではバッテリー容量が52.6Whで3つのバッテリーセル構成となった。
これはM1の49.9Whより大幅に増量されている。
その代償としてM1 MacBook Airにあったエッジへかけて薄くなるスタイリッシュな筐体がなくなってしまったという声も少なくない。
また、Sudio Displayにも搭載されている加速度センサーがロジックボードで発見されている。
この加速度センサーはSudio Displayでは動画撮影の安定化という説があるものの、M2 MacBook Airはセンターフレームに対応していないこともあり用途不明とされている。
M2チップの冷却、サーマルスロットリング問題
よりパワフルになったというM2 MacBook Airには熱を拡散させる冷却用のヒートスプレッダがなく、グリスやグラファイトテープ程度しか配置されていないことから十分な冷却ができない可能性が指摘されていた。
これについてはTheVergeがM2 MacBook Proと一緒に行ったCinebench R23の30分耐久ベンチマークでも指摘されている。高負荷時にはファン搭載のProでもサーマルスロットリングが確認されていたが、ファンレスのAirは冷却のためにパフォーマンスを大きく下げたという。
Max TechのVadim Yuryev氏はTwitterでM2チップが108度まで上昇していることを指摘して話題を集めた。しかし、これについては8Kの生データを扱っているためファンレス端末で行うことではないという指摘も多い。(Source:Twitter)
Intel版にはターボブースト制御アプリ「Turbo Boost Switcher」をインストールするという術が用意されており、先日のレビュー記事に書いたとおり効果も実感できたが、Apple Siliconにはチップを鎮める術がないためM1 Mac miniの文鎮化騒動と同じように折衷案の登場まで時間がかかりそうだ。