実用的な3Dプリンタを探そう、海外作品を見ながら素材や機能をチェック編
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モバイルバッテリーにスタンド機能を追加したり、自作のスマホスタンドやカメラ用品、VESAマウントに自転車クランプ、キッチン用品、収納ボックスまで3Dプリンタがあれば自分で印刷できる時代になっている。
数年前はデータが少なかったものの、今では海外を含め少し検索すると希望する形状に近い3D作品が簡単に見つかる。そこからアイデアを膨らませるだけでも楽しい。
その中には先日レビューしたMacBookにiPad等をマウントする作品があり、材料費200円ほどで作れるという。
そういった1つあたり5000円前後する商品を安く印刷できて、何より自分用にカスタマイズできるのは魅力だ。
もちろん初期投資として10万円くらいは覚悟している。
今回は3Dプリンタを導入するために集めた情報を記録していく。
最初に印刷したいのはMagicKeyboardとMagic TrackPadを1つにして充電ケーブルを上手に隠した下図の作品(Thingiverseへ)。
上図の作品、実はキーボード下の空洞にUSBケーブルを収納できるようになっている。
実用的な3Dプリンタを探せ!
造形方式を選ぶ。
はじめに3Dプリンターの造形方式を選択する必要がある。
家庭用であれば熱溶解積層(FDM方式)もしくは光造形の2択になり、耐久性やコスト面を重視するDIY派であれば熱溶解積層。精度の高い複雑な作品を求める芸術派は光造形となるようだ。
私はガジェット周辺機器やキッチンをシンプルするといった日用品を主に製作したいので「熱溶解積層」になる。
フィラメントは1kgあたり2500円前後、カメラのアルカスイス対応プレートやスマホスタンドなどは形状を工夫すれば格安で製作できそうだ。
また、フィラメントはカラーも豊富なのでブラックやグレー、ホワイトで作品を統一するのも楽しみ。
機種の選び方
製作したいモノからサイズを考える。
3DプリンタはFDMにするとして、どれくらいのサイズを一気に作成したいのかを決める必要がある。
海外では下記の電動で動くヘルメットも3Dプリンターで作られていた。
この動画にあるようなヘルメットではなく、実用的な衛生用マスクも数多く製作されている。
下記はiPhoneを使って顔をスキャン、そのデータから自分専用のマスクを制作する動画。
iPhoneは優秀な3Dスキャナなので、顔をスキャンして自分専用のソフトハードなマスクを製作もしくはプレゼントするのも良さそうだ。
これだけでもうワクワクしてしまう。
ちなみに3Dプリンタに興味を持ったきっかけはFace IDによるスキャンアプリを数年前に見た時だった。今回せっかくiPhone 12 miniを購入したので活かしていきたい。
話を戻そう。
家庭向けには30センチ程度までのビルドサイズが買い求めやすいようだ。
例えばiPad mini 6の保護ケースを製作したい場合、本体サイズが高さ195.4mm×幅134.8mm×厚さ6.3mmなので少なくとも20センチ以上は必要になる。
また、MacBook Air M1のサイズは最大部分で304.1×212.4×16.1mmあるため、30センチでは保護ケースは製作できそうにない。
今のところ30センチ前後のビルドサイズで検討することにした。
造形素材をチェック。
熱溶解積層(FDM)方式の素材とおなるフィラメントには金属系、ABS樹脂、PLA樹脂、PET素材がある。
- 【ABS樹脂】:プラスチック製品に使われていて柔軟性があり、そのかわり大きな製作物では精度が落ちる模様。やすりがけや着色しやすいことから小さなパーツに強い。
- 【PLA樹脂】:とうもろこし等が原料で食器などの3Dプリントで活躍、出力後に硬化するほか頑丈なことから大きいパーツに強い。
- 【PET素材】:ペットボトルで馴染みのある材料、透明感を出すためには特殊な液体や加工が必要になるもののクリアケースなどに向いている。
- 【金属フィラメント】:金属粉末と樹脂で構成され3D出力後に脱脂を行い、高温の窯で焼くと完全な金属になるが、一回り小さくなる模様。ただフィラメントが高額なのと窯を用意できる環境がなく外注すると結構な費用がかかるため家庭用でFLASHFORGE社がリリースしているものの実用的ではなさそうだ。
以上、金属フィラメントを除いた3つの素材はどれも試したくなってしまう。
次に上記フィラメントを失敗しないよう3D出力を支援する3Dプリンタの機能をチェックしていく。
3Dプリンタの機能
「オートキャリブレーション機能」
最初のうちは先人たちが公開しているフリーデータで3D作品を試していくことになると思うが、そのときデータ通りにならない場合があるという。
それを避けるための機能として「オートキャリブレーション機能」があった。
たとえばスマートフォンの保護ケースを製作したときに数ミリのズレがあって「まだまだ3Dプリンタは実用的ではない」という評価を何度か見かけたが「オートキャリブレーション機能」を使用していていない可能性がありそうだ。
この「オートキャリブレーション機能」を最大限に活かした3Dプリンタではネイルの製作(レビュー313件の詳細はAmazonへ)があった。
また練度があがると手動でキャリブレーションを調整するようになるという情報もある。
今回は初心者ということでオートキャリブレーション機能を搭載したモデルを選んだ方がよさそうだ。
「ヒードヘッド機能」
3Dプリンタの台座を温める「ヒートベッド(ヒードテッドベッド)機能」を搭載している機種は印刷品質を向上させるという。
また、複数の異なる素材を1台で済ませたいという時にも活躍するようだ。
たとえば食器をPLA素材で印刷するとして、冷えると急速に硬化するためヒートベッドにより印刷の成功率が上がるとのこと。
このヒートベッド機能も必須と言えそうだ。
専用ディスプレイの有無、その他。
この専用ディスプレイについては情報が少なかった。
パソコンの連携が途切れた時にディスプレイがあることで9時間かかる印刷の6時間でストップしても破棄せずに残り3時間を継続できたなど単体で動かせる強みがあるようだ。
たしかにタブレット用スタンドやスピーカーの強化パーツなど大きめの印刷で10時間を超える時に常時PCを稼働させておくのは電気代の高騰が激しい2023年1月時点では気を付けるポイントかもしれない。
ここは素材を無駄にせず、かつ時間を買うという意味で「ディスプレイあり」を選ぶことにした。
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さらに3Dプリンタには自分で組み立ててから印刷するタイプと完成品が届く機種がある。
自分で組み立てる際は必要な部品がなかったり、組み立てを間違えて印刷が微妙に失敗し続けるという悲劇も感がられる。
そう考えると初心者のうちは完成品を使い、印刷制度を把握したほうが良さそうだ。
他にも対応するソフトウェアやファイル形式も重要なポイントになる。
おそらく人気のAUTODESK Fusion 360(個人用途は無料)をMacBook Air(M1)にインストールすることになると思うが、製品トップページ後半にあるFAQを見る限り「Apple® macOS Monterey 12.0」までしか対応していない。
そのため他のソフトウェアを使う可能性もあるが、Fusion 360の書籍(Amazon検索結果へ)は多く、YouTubeでも使い方を紹介する動画も豊富だ。
ユーザー数も多い「Fusion 360」は自己解決しやすいので何とか使えるようになりたい。
海外のアイデアを知る。
ここからは海外の3Dプリンタ活用事例をみていきたい。
下の動画は植物の鉢だけでなく、水やりシステムを印刷している。
自宅の窓辺にあったサイズの植木鉢を好きな色で印刷することを考えただけでも楽しくなる。
続いては壁に取り付ける棚や文房具、カード収納ケースなど日用品を印刷している動画。
日本からはスターウォーズのAT-ATを3Dプリンタで印刷するというプラモデルを自作する動画。
真冬に紹介するのもどうかと思ったが、握るだけで動作する手動扇風機も楽しそうだ。
この動作を活かしてUSBケーブルの自動巻き取りを作りたいと妄想してしまう。
記事が長くなってしまったので一度切り上げるとして、次回より3Dプリンタの具体的な機種選びを行いたい。
色々と印刷したいガジェットや生活用品のリストが増えているので、早く3Dプリンタを購入したい。