防水13.3型ワコム「Arrows Tab Q736/M 」購入、Surface Book同等などスペック・レビュー
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最終更新日:2023/05/22
富士通 ARROWS Tab, Arrows Tab Q736/M, 製品レビュー
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先日イオシスで6980円にて購入した「Arrows Tab Q508/SE」(レビュー記事一覧へ)に触れ、富士通の素晴らしさを知ってしまった。
その「Arrows Tab Q508/SE」より9ヶ月前に発売された上位モデル13.3インチ「Arrows Tab Q736/M」が2.4万円となっていて思わず購入。
当時37万円で販売されていたMicrosoftのハイエンドPC「Surface Book」(Microsoftプレスリリースへ)とはdGPU(外部GPU)こそ非搭載ながらIntel Core i7-6600U+メモリ8GB+SSD256GBという基本構成は同じだ。
「Arrows Tab Q736/M」は更にワコムデジタイザと防塵防水IP58+耐薬品+指紋センサー+米軍MIL-STD-810G規格準拠タフネス筐体を備えている。
つまるところ「防水・タフネス仕様で風呂でも使える13.3型ワコム液晶ペンタブレット」として購入した。
(UPDATE2023/05/21)
SSD換装について訂正させていただきました。
ご指摘いただきましてありがとうございます。
Arrows Tab Q736/M レビュー Vol.01
はじめにArrows Tab Q736/Mの特徴を富士通の法人製品ページから抜粋していく。
- 発売日:2017年4月版
- 13.3型「IGZO」フルHDディスプレイ(1920×1080)採用
- 最軽量クラス990gを実現
- 筆圧検知2048階調、電磁誘導方式タッチパネル/スタイラスペン
- 防塵防水「IP58」+耐薬品+MIL-STD-810G規格準拠
- 指紋センサー内蔵(背面)
- CPU:Intel Core i7-6600U搭載
- メモリ:8GB
- ディスク:SSD 256GB(eMMCではないM.2 SSDを搭載)
Arrows Tab Q736/Mは2016年1月リリース版から存在する。
今回の型番「FARQ0800M」は最終となる2017年4月リリース版(法人Arrows Tab発売日の一覧ページへ)。
先日からレビューしている「Arrows Tab Q508/SE」(型番:FARQ1801LZ)は2018年1月リリース版のため、「Q736/M」は9ヶ月前の製品となる。
少し古い機種で致命的な弱点が1つ(記事末尾に記載)だけあるが、ほぼ未使用だったこと、スペックを抑えた文教モデル「Q508/SE」と異なりハイスペック防水タブレットモデルの仕様に魅了された。
さらに「Q736/M」のSSDを交換できる可能性があり、互換バッテリーも2023年5月時点で購入可能なことも背中を押した。
スペックの話。
「Q508/SE」のIntel Atom x7-Z8700と比べて「Q736/M」のIntel core i7-6600Uは次のような仕様となっている。
名称 | Atom x7-Z8700 | Core i7-6600U |
動作周波数 | 1.60GHz(最大 2.56GHz) | 2.60GHz(最大3.40GHz) |
コア数/スレッド数 | 4 / 4 | 2 / 4 |
キャッシュメモリ | 2次=2MB / 3次=なし | 2次=4MB / 3次=3MB |
GPU | Intel HD Graphics 400 | Intel HD Graphics 520 |
「Q736/M」のプロセッサは、2016年12月29日に購入した当時の世界最軽量926gを実現した13.3型ノートPC「LAVIE Hybrid ZERO(PC-HZ750FAB)のi7-6500U(購入レビュー記事へ)より僅かに性能が優れている。
(画像)LAVIE Hybrid ZERO『PC-HZ750FAB』レビュー、ベンチマーク・スコア/winSATやドラゴンクエストにCrystalDiskMark他より
また、Surface Pro 4と同時期リリースのハイエンドPC「Surface Book」で税込み37万円の最大構成モデル(SW6-00006)に搭載されたプロセッサでもある。
このインテル第6世代Coreプロセッサ Core i7-6600UはTDP15Wと消費電力が高いものの、当時のハイエンドPCに積まれるだけあって2023年5月でも十分に戦えると判断した。
それをクリスタなどお絵描き専用のワコム搭載13.3インチ液晶タブレットとして使うなら尚のこと問題ないはず。
「Q736/M」のストレージはSamsung製MZNTY256HDHP(M.2 SSD 2280)、差し替えられるSSDをアマゾンで探すと大容量モデルや高速モデルなど結構な数がヒット(Amazon検索結果へ)した。
Samsung製MZNTY256HDHPは読出し(最大) 535MB/s : 書込み(最大) 215MB/sと低速なため、eMMCの「Q508/SE」と読み込みは100MB/sほどしか変わらないと思われる。
しかし、書き込みが10倍以上は速くなる。
もし速度不足を感じた時は2,000MB/sなどの高速SSDに換装したい。
「Q508/SE」のために追加購入したUSBメモリ型SSD(レビュー記事へ)が「M.2 2280」であれば分解して装着したいところだけれども・・・。
シリコンパワーのM.2 SSD 2280「SP512GBP34A60M28」(Amazonへ)を見ると容量512GBで3,861円ながら「読込2200MB/s:書込1600MB/s」と爆速、僅かな投資で容量2倍で速度は読込4倍:書込3倍になる。
防水性能が落ちるリスクを取ってでもSSD換装を妄想してしまう。
(追記2023/05/21ここから)
上記シリコンパワーは端子形状が「M-Key」かつ「NVMe」で、「Q736/M」は「B-Key」「SATA」のため換装できない可能性をご連絡いただきました。
ご指摘いただき誠にありがとうございました。
「Q736/M」にプリインストールされているSamsung製MZNTY256HDHP(下図)は「B&M Key」「SATA」となっておりました。
(追記2023/05/22分)
BIOS画面からSATA接続であり、SATA転送速度の理論値がSATA6Gbpsで約600MB/sであることからNVMe接続のSSDが認識したとしてもデータを転送する道路の幅が広がらないため無理と判断しました。
仮にSSD換装をするとしても1TBなど同じSATA SSDの大容量モデルとの交換程度になりそうです。
2度にわたり、ご指摘いただきありがとうございました。
(追記分ここまで)
・・・そんな「Arrows Tab Q736/M 」の中古を2.4万円(電源アダプタ、クレードル、ペン付き)で購入した。
「Arrows Tab Q736/M 」の筐体チェック
タブレットPC本体としては大画面となる13.3インチ、筆圧検知2048段階のワコムデジタイザ内蔵しながらも990gという軽さを実現している。
ワコムなどが販売する液晶ペンタブレット専用品はタッチパネルを省いてペン限定にしていることもあるが、「Arrows Tab Q736/M 」はタッチパネルまで備えて990gというのだから感心してしまう。
「世界最軽量」を謳うノートパソコンも製品ページを開けばタッチパネル搭載モデルは普通の重量だったりするので富士通、恐るべし。
背面はハイスペック防水PCというだけあって高級感あるダッシュボードのような造りになっていた。
先日よりレビューしている「Arrows Tab Q508/SE」は文教モデルとして学生のハードな使い方に対応できるよう無骨な造りになっているので同じタフネス筐体とは思えないデザインに期待が高まる。
下図の左端にあるのは指紋認証センサー。
Q508/SEと同じようなペンとペンホルダーを確認。
その側面には電源などのボタンとキャップの下にインターフェイスが収められている。
防塵防水IP58ながらイヤホンジャックがキャップレスというのも興味深い。
富士通の防水テストを見ると「常温で水道水の水深1.5mのところに沈め、約30分間放置(IPX8相当)」をクリアしたと試験画像とともに説明(富士通へ)されていた。
水に沈められるWindowsタブレット、素晴らしい。
その反対側を見るとアクセスランプとファン通気口、インターフェイス収納キャップがあった。
新品ではないので同梱品は下図のとおり。
さっそく起動したところ「Q508/SE」とは別次元のキビキビとした動作に目を見張った。
充電回数も20回未満ということで法人モデルや文教モデルは大量購入して使わなかったパソコンの宝庫なのかもしれない。
しかもWindows 11へのアップグレードに対応していないモデルということで諦めてしまうらしく値段も下がりやすい。
後日「Q508/SE」で行ったWindows 11 非対応CPUでのアップグレード(記事へ)も試していきたい。
せっかくなのでBIOS画面を開く。
そう、本当にSSDなのかをチェックしたい。
・・・確かにSSDを内蔵している。
M.2 SSD 2280というのも間違っていない。これなら換装できるだろう。
ワコムペンも問題なく動作した。
不思議なのは手持ちの「LAVIE Hybrid ZERO(PC-HZ750FAB)」と変わらないプロセッサなのに「Arrows Tab Q736/M」の動作は軽快なところ。
Windowsがクリーンな状態だからというのもあるかもしれない。しかし、M1 Macbook Airと変わらないブラウザの操作感に(嬉しいけれど)違和感を覚えている。
私の妄想を具現化したような最高のタブレットPCだが「Q508/SE」の1つ前の世代ということで致命的な弱点がある。
それはUSB-Cポートの非搭載。
そう、USB-C充電が行えないのだ!
・・・しかし、その問題は購入前に調査済み。
すでにUSB-Cケーブルで充電できるよう手配しているので準備が整い次第レビューしていく。
次回よりドラクエベンチマークやディスク読み書き速度の結果、大画面13.3インチ風呂タブレットの夢は叶ったのか、Windows 11へのアップグレードなどを順次レビューしていきたい。
・次の話→古いパソコンをUSB-Cで充電する方法 | Arrows Tab Q736/M レビュー
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