Pixel 7aで高級コンデジを手放した話、理由はピクセルビニング。
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最終更新日:2023/06/02
Google Nexus Pixel, Pixel 6a, Pixel 7a, 製品レビュー
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2ヶ月前にGoogleストアからPixel 6aを購入してカメラの良さを知った。
そして今月、リーク通りの大幅アップグレードを遂げたPIxel 7aを購入して当時12.5万円ほどした高級コンデジを手放すまでに至る。
自分にとってカメラの重要なポイントは何だったのか、Pixel 7aで魅了されたポイントを記録していく。
Pixel 7a レビュー Vol.09 | カメラ
はじめにコンデジを否定したいわけではないことを書かせていただきたい。
個人的にカメラ単体が備えるフォルムや雰囲気、撮影するモチベーション向上など筐体だけでも魅力は多く、メーカーごとにJPEG現像の違いがあって楽しいと思う。
また、レンズの小さいコンデジと1型センサーが増えつつあるスマートフォンの差がなくなってきているものの専用機ならではの細かい配慮といった点で優れている。
それでは、どういった箇所でPixel 7aが良いと思ったのか。
本来なら、Pixel 6aの1200万画素から一気に6400万画素となり、センサーサイズが72%大きくなったというスペック比較を続けたほうが記事らしいのかもしれない。
しかし、敢えて肌感覚で書かせていただきたい。
それは、コンデジやPixel 6aに比べてノイズが減り、クリアな空気感を表現できるようになったから。
これにより「消しゴムマジック」による除去作業や編集ツールによるJPEG加工も綺麗に行えるようになった。
具体的には指で消したい対象をなぞるために拡大しても粗が目立たないといったことが挙げられる。
技術的な話をするなら先ほどの画素数の増加が大きく影響している。
これについては誤解もあって、Pixel 6シリーズのときから5000万画素カメラなのに3000×4000しか撮影できないといった不満の声をチラホラ見かけた。
この誤解は、新型Pixel 7aでも同じような反応をみたことがある。
上記のような50MPカメラなのに撮影したら12.5MPしかないとか、64MPカメラなのに16MPしかない・・・という話はSamsungのISOCELLシリーズで採用しているピクセルビニング(Pixel Binning)が関係している。
このピクセルビニングこそがPixelスマートフォンのカメラが評価されるポイントだろう。
ピクセルビニングとは
ピクセルビニングは、その名の通り4つのピクセルを1つに結合(ビニング)することで通常より光量を多く集めた1つのピクセルを完成させる技術、だと思う。
Pixelシリーズのカメラで誤解を生んでいる理由は2つある。
- Pixelスマートフォンはピクセルビニングの解放モード(そのまま5000万画素や6400万画素で撮影するモード)を制限していること。
→4つを1つにする結合モード(1250万画素や1600万画素)しか使っていない。 - Googleストアを含め50MP(5000万画素)や64MP(6400万画素)と表示してしまっていること。
つまり、Pixel 7シリーズのメインカメラの正体は1250万画素(x4=5000万画素)であり、PIxel 7aの正体は1600万画素(x4=6400万画素)なのだから混乱する。
カメラの高い性能を伝えたくて誤解を生む表現にたどり着いたのか、宣伝になる数字を優先したのか、純粋な仕様をシンプルに伝えているだけなのかはわからない。
そんなわけで他のスマートフォンやカメラ機材と純粋に画素数を比較するのは難しいと思う。
Pixelスマートフォンのカメラは良いのか?
「えっ、実際の画素数は低いの?ガッカリだよ。」
そう思ったかもしれない。しかし、ピクセルビニングによりPixelスマートフォンは海外カメラ評価サイトでも支持されるようになった。
これは「スナップ写真としてのスマートフォンカメラ」としての視点が強いため、良いカメラと太陽光に合わせられる撮影時間の確保、照明機材の準備など光量たっぷりで最高の状態で被写体を収め続ける素晴らしい写真家には不評かもしれない。
しかし、私に言わせてもらえれば「写真撮影で最も重要な光を手軽にブーストできるって凄くない?」となる。
SNSや動画配信サイトの台頭で光源の重要性が写真家やモデルといった一部のステージにいる人間以外にも広く知れ渡り、アマゾンでもタイムセールの特集ページを見かける機会が増えた。
そういった照明機材がなくても夕暮れの室内で物撮りができるのは素晴らしい、というより驚くべき進化だと思う。
これまでは室内に強い照明を用意→今度は照明機材が映り込まないように配慮→光が強すぎて反射がキツくなって被写体が・・・といったことを気にせずPixel 7aを持って暗がりでパシャリ。
少し肉眼で暗いなと思える室内でも明るく仕上がってくるので助かっている。
具体例を出すなら、コンデジの1250万画素モデルや1600万画素モデルで撮影するとPixel 7aより4倍ほど暗い写真が撮れるということになる。
そして写真が暗くなるということは、光を集めるためにブレやすくなり、映像データの画質も荒く感じるということに繋がる。
いきなりだが本題、なぜ高級コンデジを手放したのか。
それはステキな映像を撮れる高級コンデジを持っていても光量を確保する技術・装置の準備がなければ活かせなかったから。
お恥ずかしながら自動車の車内や曇り空の屋内撮影、やたら蛍光灯の強い社内などレンズとセンサーとシステムの良い高級コンデジを持っていても上手に撮れなかった。
Pixelスマートフォンは、その点を見事にクリアしてくれた。
もし、Pixel 7aが玄人向けに6400万画素モードを標準にして、1600万画素モードをオプション扱いにしていたら本格的な手ブレ防止を備えた高級コンデジよりも撮影難易度は大幅に上がっていただろう。
そして、「なんか綺麗に撮影できないな」と数枚撮影して終わっていたと思う。
Pixel スマートフォンで撮影する理由。
ここまではカメラレンズの話を中心に展開していたが、実は「Pixel 7aで十分」と思えたのはGoogleフォトの編集機能が大きい。
お世辞抜きで総合評価No.1の編集ソフトだと思っている。
意地悪な話をすれば、Adobeから無料アプリまでRAWファイルをじっくり編集できるアプリは数多く提供されていて特定の機能にフォーカスして勝負すれば無料アプリにだって敵わない機能・用途はある。
そうではない。
先ず、なんといってもPixel 7aで撮影してからGoogleフォトで編集してブログにUPするまでの時間が大幅に短くなった。
そして、クオリティも著しく向上した。
実際の写真を見ていただい方が早い。
上図はPixel 6aで撮影した画像だが、ブログ用に画像圧縮しているのでPixel 7aほどは必要ないため作例とした。
すでに十分なクオリティに到達していると思う。
これは「写真が綺麗でしょ?」という話ではない。
Googleフォトで大幅に加工しているのに違和感や嫌悪感を与えない編集ができていることが素晴らしい、という話。
実際の写真は背景に映るコードやカーテン、撮影後に拡大して気付いたスツール上やディスプレイ上に散らばる無数の白い埃など全て消し去っている。
他にもクロックアップする前は部屋の荷物があったり、肉眼では「光量不足」でディティールが見えなかった箇所もピクセルビニングのおかげか綺麗に撮れていると思う。
ここから更に色に深みを与えたり、Adobe風に寂れた感じを演出するといったことも行なっているが驚くべきことに上記の作業は1分前後で終わってしまう。
それほど簡単だった。
最後のダメ押しは、強い画像加工を施しているのにも関わらず空気感が損なわれていないところ。
写真編集をすると加工するたびに劣化、質感が失われて、自分の目からも光が奪われていくがPixel 7aは文字通り「色褪せない」。
これは高級コンデジ+Adobeなどの有料フォトエディタを組み合わせ、それなりの学習時間を経て獲得するスキルに近いと思っていて、そこには僅かな才能も必要で時代に合わなければ評価されない。
そういった気を配らずに撮影から編集までワンストップで行える。
だから高級コンデジを手放すことができた。
時間が許すなら、高級コンデジからMacに転送してフォトエディタで時間をかけて撮影・編集した記事冒頭の写真1枚目と先ほどのPixel 6a撮影写真(撮影〜編集で3分ほど)の画像を見比べていただくと何か伝わるかもしれない。
私のような見やすさ重視、雰囲気がよいと思えて違和感を与えない写真加工を手軽に!という人はPixelスマートフォンが合うと思う。
次回よりPixel 7aに外付け望遠レンズをつけて擬似マクロ撮影とPixel 7 Pro超えの望遠撮影に挑みたい。
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