8K光造形3Dプリンター「CREALITY HALOT-MAGE PRO」開封レビュー、スペック

公開日: : 最終更新日:2024/02/10 周辺機器 , ,

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Crealityが業務機レベルの造形スピード170mm/hを実現したと謳う高速光造形3Dプリンター「CREALITY HALOT-MAGE PRO」。印刷品質を保ちながら3~5倍速く造形できるという。無印モデルとは異なりPROモデルはレジンの自動充填・戻し機能を採用するのが特徴となっている。

そんな光造形3Dプリンター「CREALITY HALOT-MAGE PRO」がCreality 3D社より届いた。

以前レビューしたFDM方式(2023年1月の開封レビューへ)では古いWindowsタブレットにKlipperをインストールして動作させるといったタブレットのブログやライフハック系の印刷作業しか行えていない。さらに光造形方式は初めて触れるレベル。つまり初心者、もがいていくことになる。

(画像)Lenovo Miix 2 8が現場復帰、Klipperで専用端末へより

そんな状態なので、開封から3Dプリンターの設定、PC側のソフトウェア導入・設定、実際の印刷、最後の硬化作業をゆっくりと進んでいくことになる。

今回の記事では開封とアップデートに関する話までを記録していく。

「CREALITY HALOT-MAGE PRO」の開封、スペック

手元に届いた段ボールや梱包状況、本体内部に入っていた発泡スチロールまで下記の公式開封動画と同じだった。この動画では重要なオートレベリングに挟む紙のシーンまで映されている。意外と見落としがちなレベリングの些細な作業風景は何度も見直した。

上記の開封動画そのままだったので、ここからは「HALOT-MAGE PRO」を取り出した状態から進めていく。

下図の通りFDM方式のような無骨さはなくスリム、清潔感すら漂う。広い設置スペースが必要ないので光造形方式は良いかも、などと思っていたら3Dプリンターと同じようなサイズの硬化機が届いていたことを忘れていた。2台分を考慮すると単体で完結するFDM方式のほうが省スペースで工程が少ないと言えそうだ。

いろいろと調べていると光造形方式は「毎回カバーの着脱が面倒」「カバーを置く場所が必要」という声があった。

「CREALITY HALOT-MAGE PRO」は下図のように回転してカバーが開く仕様となっており、このタイプは業務用にしかなかったそうだ。このカバーを褒め称えるファンを何度か見かけたので地味に大変な作業だったのだろう。

カバーは無段階となっていて上図の位置で一度とまるようになっている。そこからさらに押し上げると背面のノズル手前まで開く設計だった。

ちなみにCreality社がフリップ型と呼んでいるカバーはオレンジ色の塗装部分により周囲への紫外線を99.89%ガードするとのこと。

背面を見るとノズルと排気口、電源スイッチ、LANポートがあった。

PROモデル限定のレジンを自動で注ぎ、回収してくれる装置のノズル部分。

レジンの素材によっては有毒。トレイからボトルに戻す際にこぼして大惨事に至ったブロガーやYouTuberをみかけた。たしかに1滴でもレジンが机や床に飛び散ったら困る。このオート注ぎ&回収は労力を減らしつつ安全を確保してくれる嬉しい機能と言えそうだ。

レジンポンプと呼ぶ装置は30分いないに1Lの樹脂を補充・回収できるとのこと。

上図中央の箇所が排気口。カバー側にある活性炭フィルターを通して背面に排気される。内部に見える長方形の穴がある箇所は指先をかけるとクルクルと回転した。

活性炭フィルターの寿命は約3ヶ月。

電源部を撮影、その横には商品名や本体サイズ、電圧、12kgといった重量が記載されている。技適マークは段ボールだけでなく本体のラベルにも貼ってあるのも嬉しいポイント。

有線LANポート。WiFi内蔵モデルなので利用者は少ないと思うがKlipperか何かでローカル管理できるOSがあったような・・・。

本体カバーの内側に入っていた発泡スチロール中段(上図)には同梱品がまとめて入っていた。USBメモリなどが1つの袋に入れてあり、それを持ち上げると下図の排気ホースと電源ケーブルが現れる。

電源コードは日本仕様となっていた。FDM方式と同じ太い電源ケーブル。

排気ホースは任意で締め上げられる金具が付属していた。下図の黒いパーツ部分にある凹み部分を本体の凸部分に合わせてジョイントする。

大きめの袋に入っていた同梱品と先ほどの排気ホースと電源ケーブルを集めて撮影。やはりFDM方式に比べると小物が少ない。

クイックインストレーションガイドは日本語に対応している。しかし、細かなセットアップについては別途QR コードやUSBメモリ内部のファイルを見てほしいとのこと。

オープンソースがベースになっているシステムなので、更新しやすいWebベースや配布PDFファイルでバージョン管理を行ったほうが一度印刷したら書き換えられない紙の説明書よりもトラブルを避けられる。良い方法だと思った。

3Dプリンター共通の重要事項であるレベリングだけは丁寧に説明されていた。

肝となるソフトウェア「CHITUBOX」の有料ライセンスが1年間無料となるライセンスカードとUSBメモリが入っていた。

ヘラは金属がプレート側、プラスチックがレジンパッド側となっている。

主なスペックは次のようになっていた。

  • 印刷技術:MSLA
  • ビルドボリューム:228x128x230mm(6712cm³)
  • 製品寸法:333x270x608mm
  • パッケージ寸法:420x350x675mm
  • ネット重量:13.3kg
  • 総重量:16.2kg
  • 印刷速度:≤170mm/h
  • レイヤー高さ:0.05-0.15mm
  • LCDスクリーン:10.3インチ モノクロームスクリーン
  • LCD解像度:8K(7680×4320)
  • XY解像度:29.7μm
  • 光源:インテグラルライトソース3.0
  • 光の均一性(%):>90%
  • 光の強度:8000±10%μW/cm²
  • リリースフィルム:ハイスピードフィルム
  • ファイル転送:USBドライブ、RJ45ケーブル、WiFi、Creality Cloud
  • スマートレジンポンプ:あり
  • エア・プリファイア:あり
  • 入力電力:150W
  • レジン:405nmレジン
  • スライシングソフトウェア:HALOT BOX、CHITUBOX、Lychee Slicer
  • コンピューターOS:Windows/Mac
  • ファイルフォーマット:STL/OBJ
  • ディスプレイスクリーン:4.3インチ カラータッチスクリーン

◇◆◇

さっそく「CREALITY HALOT-MAGE PRO」の電源を入れてOSを起動、言語がEnglishとなっていたので日本語に変更した。次の画面でWiFi設定を行い、ホーム画面が表示されたら設定メニューからシステムアップデートを行った。

「CREALITY HALOT-MAGE PRO」の値下げが早い理由として本体システムと「CHITUBOX」の初期バージョンによるバグが伝えられている。それも少し前に解決されたらしい。

そのため、本体のシステム更新は必須。ただ2024年1月以降のアップデートで新たな不具合が発生する場合も考えられるので闇雲にアップデートすれば良いとは言えない。

また「CHITUBOX」のバグについては無料版が更新されていないという苦情を何件か見かけた。今回のようにライセンスカードがある場合はバグトラブルに付き合って大きな時間を溶かす前に有料版を使ったほうが良さそうだ。

次回より3Dプリンターの印刷物を硬化する機械「UW-02」の開封、専用ソフトの使い方などを順次レビューしていきたい。

CREALITY HALOT-MAGE PROの関係リンクは以下のとおり。

追記:2024/02/10
実際に印刷しました。
光造形で「電池スペーサー」を印刷した話。HALOT-MAGE PRO レビュー

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