サーマルカメラ搭載スマホは買いか、人気の外付けモデルと比較
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限界別荘地へ移住したら真っ先に行うのがDIY・リフォームとなる。その際にサーモグラフィカメラ(サーマルカメラ)あるいは熱検知デバイスが必要になることがわかってきた。
具体的には次のようなシーンで活躍する。
- 温度差で壁内にある下地の位置がわかる
- スタイロフォーム施工などで断熱効果が丸わかり
- 解体時に電気線の位置がわかるので誤って切断することを避けられる
- 水抜けの悪い箇所を特定できる(黒い色のままでわかりやすい)
- 小動物が屋根裏、床下にいるのもわかるらしい
- 夜中に家へ近づく個体のサイズがわかる(人間サイズでないことを願う)
最初はiPhone向けの外付けモデルが良さそうに見えた。しかし、実際に調べていくと(失礼ながら)意外なことに中国メーカーのスマートフォンが高性能かつ実用的なことがわかってきた。
スマートフォンに直接内蔵したモデルは次のようなメリットがある。
- システムアプリに近いので、後付けアプリ特有のトラブルが発生しない
- バッテリー消費が安定している
- マイクロレンズを買わずに基盤の熱チェックが行える
- 赤外線を利用した暗視カメラ内蔵というモデルが多い
そこでサーマルカメラ搭載スマートフォンを探した内容をシェアしていきたい。
サーマルカメラ搭載スマホ選び
はじめに外付けモデル、または単体で機能する製品を見ていきたい。
外付けモデル・格安の専用機をチェック
◇FLIR 435-0006-03(Lightning端子モデル)
FLIRの型番「435-0006-03」という製品は最新iPhoneで使われていないLightning端子ながらアマゾンの温度センサーランキングで上位に位置している製品。
通常価格68,200円、セールで32%OFF=46,503円で販売されていた。
レビュー数は2,127件(最新価格やレビューはAmazonへ)と多く、製品概要は次のようになっていた。
- 熱画像解像度:19200画素(160 x 120 ピクセル)
- 計測温度範囲:-20℃ ~ 400℃
- 温度分解能:0.07℃
- 温度精度:±3℃ または ±5%
- バッテリー性能:稼働時間 40分/充電時間 60分
- フォーカス機能:自動
- 撮影モード:静止画(.JPEG、温度情報あり)/動画(.MP4、温度情報なし)
Amazonレビューを見ると個別充電に対する不満が見受けられた。たとえば充電しても残量が1%以上にならないとか、電源が頻繁に落ちるといった内容。これは他の外付けモデルでも似たような報告があった。
また、外付けモデル共通の問題点を挙げるなら「アプリ起動に時間がかかる」「アプリが起動しない、落ちる」といった後付け、外付けの弱点とも言えるトラブルがある。
◇HIKMICRO Mini2
「HIKMICRO Mini2」はアマゾン温度センサーのランキングで3位となっている製品。通常価格32,999円のところ22%OFFで25,798円となっていた。
USB-CなのでPixelスマートフォンでも使用可能。またバッテリーレスの小型モデルなので携帯性にも優れている。
主な特徴は次のようになっている。
- 256 x 192 IR 解像度/ 49,152 ピクセル
- 0.04 °C 熱感度/NETD<40mK
- 25Hz 高速画像周波数
- -20°C から350°Cの温度範囲
- プラグ&プレイ
- 電池不要設計
- HIKMICRO Viewer で画像や動画を共有します
アマゾンへの商品登録から368日ほど経過しているが、製品サイクルが早いとは思えないジャンルにおいて新しい製品といえそうだ。
ただ2023年11月のレビューを見るとiPhone 15で認識しないという投稿があったので注意したい。
細かい箇所としては温度表示が画面の左上に集約されてしまうため、どこの温度なのかが見えにくいといった指摘があった。
→「HIKMICRO Mini2」はレビュー156件、最新情報はAmazon販売ページへ
◇外付けの本命か、HIKMICRO E03
「HIKMICRO E03」は上記2つとは異なり単体で動作するカメラタイプ。値引きはされておらず通常価格35,698円で販売されていた。
Amazon販売期間は208日間で、底値は28000円台となっている。
3.5インチのディスプレイはタッチ操作に対応。カメラは広角50度、解像度は240×240と高いのもポイント。
単体で動作するため即起動できる。スマートフォンでアプリを起動するといった手間がないのは大きい。レビューを見ると10数年前に200万円以上したガンタイプと変わらない性能だったという報告もあった。
以上で外付けタイプの確認は終了する。
最後の「HIKMICRO E03」はスマートフォンとは関係のない単体動作モデル。それゆえAndroid OSのアップデート問題、アプリ提供終了、アプリが起動しないといった不具合まで考慮すると最適解という気もする。
これらを踏まえた上で中国メーカーのサーマルカメラ搭載スマートフォンを見ていきたい。
熱検知カメラ搭載スマートフォンをチェック
◇OUKITEL WP21 Ultra
一見すると通常のタフネススマホに見える6.78インチ「OUKITEL WP21 Ultra」はHelio G99+RAM最大17GB、ストレージ256GB、66W急速充電に対応した最新スマートフォンとなっている。
そこに熱カメラと暗視カメラ20MPを搭載して通常価格75,000円が15%OFF=64,515円で販売されていた。
サーマルカメラ端末として6.78インチは大画面と言えるだろう。さっそくサーモグラフィの性能を見ていきたい。
- 熱解像度:256×192
- フィルレッシュレート:25Hz
- 温度範囲:マイナス10度から最大550度まで
- 正確さ:プラマイ2度
上記のほかに先ほどの専用機を超える機能としては複数の測定ポイントを追加できること。これは重要なのにアピールされていない。リアルタイム測定の描写も見応えがある。
さらに20MP暗視カメラモードを搭載。3つの赤外線LEDにより肉眼では闇しか見えない限界別荘地でもモノクロ映像で状況を確認できるようだ。
また、リモコンなどは助けて見えるのでカラカラと何か音がするといった時も確認しやすい。もちろん異常な熱源を発見するのにも使える。
バッテリー容量が9800mAhという冗談のような量を積んでいるほか、防塵防水はIP68準拠となっているので熊がでてもスマートフォンだけは無事だろう。
「OUKITEL WP21 Ultra」のレビューは31件、仕事や狩猟で使おうとしている投稿もあることから性能の高さが伺える。
→最新の価格や在庫・レビューはAmazon販売ページへ
◇Blackviewは3台が搭載
Blackviewはサーマルカメラ搭載モデルが3台もあった。しかし、アマゾンで販売しておらず、日本向け直販サイトでのみ。
いずれもIP68準拠のタフネス仕様となっていた。
もっとも安いのがAndroid 11と古い「Blackview BV6600 Pro」で定価61,212円が特価36,727円に。
次に安いのは「Blackview BL8800 Pro」で定価91,819円が特価59,682円に。
そして最新モデルと思われる「Blackview BL9000 Pro」が定価116.304円から特価84,167円となっていた。
いずれの機種もメーカー「FLIR」によるサーマルカメラとなっている。システムアプリのような状態なのでAndroid OSのアップグレードがなくなってもローカル起動はできるのではないだろうか。
ここのところはBlackview担当者に質問してみたいと思う。興味のある読者がいたら記事にする予定だ。
サーマルカメラ搭載スマホ vs 外付け・単体モデル
中国メーカーのスマートフォンとはいえ熱検知や暗視カメラまで搭載すると結構な値段がしてしまう。FLIRへのライセンスなどもあるのだろう。
また、Android端末全般にいえる問題点として専用機よりもバッテリー消費が激しい、OS・アプリの起動速度・動作しないといったトラブルもある。
そうなると価格から考えて「HIKMICRO E03」が妥当な気がした。
同メーカーから少し安いガンタイプ「HIKMICRO E02」(34,980円、レビュー69件の詳細はAmazonへ)も販売されているが、「HIKMICRO E03」のほうがランキング上位なのはスペックに加え携帯性の高さがあるように思えた。
スマートフォンは暗視カメラを搭載していることもある。
しかし、実際の使用イメージがわからない。おそらく使うことはないと思う。型落ちで安くなっていればスマートフォン版は買いといった感じだろうか。
気軽に買い替えるような製品でもないので、もう少し探したいと思う。