一気に小さくなったMac mini(M4, 2024)は買いか、スペックを確認する
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Appleは日本時間2024年10月30日、最新の小型デスクトップ端末「Mac mini」のM4およびM4 Pro対応モデルを発表した。
価格は9万4800円〜、発売日は2024年11月8日を予定している。
1つ前の世代と比べて大幅なサイズダウンを実現しており、最近のAppleでは珍しく外観で違いがわかるアップグレードとなった。
上図は左から2023年モデル、2024年モデル。
19.7cmから12.7cmへと7cmの小型化を実現している。
性能面でも大幅なアップグレードが伝えられており、買いなのかチェックしていきたい。
Mac mini(M4)発表、スペック
一般的なデスクトップパソコンと比べて拡張性に乏しいミニPCというジャンル。
実際に使用してはじめてmicroSDカードを使うためにUSBカードリーダーやUSBハブを接続する必要があったりと手間がかかることに気付き、最終的に接続したままとなり結果として見た目が悪くなるなど小型PCとは思えない惨状になることもある。
Mac mini 2024は大丈夫なのだろうか。
フロント部分を見るとUSB-Cポートが2つ、オーディオジャックが1つ、電源ON/OFFを確認できるLEDランプが配置されていた。
続いてリア部分。
MacBookのようにUSB-C電源ではなく、電源ポートが継続となった。正直なところ性能を落としてでも良いのでUSB-C給電モデルがあれば買っていただろう。携帯性がグッと上がるので使い道が広がると想っている。
電源ポートのほかにはLANポートが1つ、HDMIが1つ、USB-Cが3つとなった。
USB-Aポートは廃止されているので古いアクセサリー類はUSB-C変換アダプタやUSBハブを経由することになるだろう。
HDMIポートが1つということでMacBook Airのように1台までしか外部モニターを接続できないのかというとMac mini 2024は「最大3台のディスプレイに対応」となっていた。
ここで注意すべきポイントがある。
M4モデルとM4 Proモデルでは3つのUSB-Cポートに関する転送速度が異なるということ。
- M4モデル:Thunderbolt 4(最大40Gb/s)
- M4 Proモデル:Thunderbolt 5(最大120Gb/s)
一方、それ以外のポートは全て同じ仕様。M4モデルの最小構成から2倍以上も価格差があるのにアップグレードされてはいないことも忘れてはいけない。
そして最後に電源ボタンの位置について見ていきたい。
上図は小さなボディにAppleシリコンの並外れた電力効率によって高負荷をかけても静かでクールと伝えているシーン。よく見ていただくと底面部分に電源ボタンが隠れているのがわかる。
Appleは以前よりスリープ運用を推奨しており、実際MacBook Air M1でも再起動をかけることなんて滅多になかった。再起動の繰り返し要求について鬼がかっているWindows OSに比べるとmacOSのアップデートシステムが優秀だと思えるシーンでもある。
それにしてもVESAマウントを使ったり、壁面ボードに取り付けるようなユーザーはどのように電源ボタンを押すのだろうか。
Appleは時々、わけのわからないことをする。
M4 / M4 Proの処理性能について
Apple製品ページではM4およびM4 Proがいかにパワーアップしたかと伝えるため「Intel Core i7搭載Mac mini」を基準値として、M1チップとM2チップを持ち出した比較グラフを掲載している。
M4では基準値と比べて写真編集が7.2倍、ゲームは13.3倍となり、M4 Proでは同じく13.2倍と15.9倍と伝えている。
いまだにM1 MacBook Airを使っている身としてはLogic Proでの音楽制作や液タブ+クリスタを使った絵を描く行為に関して全く問題ないという回答になる。
もちろん激重ゲームを同時配信するようなガチ勢や8K動画をガツガツ更新する配信者なら調べた末に迷わずWindows端末を選ぶだろう。Mac miniはスタイリッシュに、シンプルに作業をこなしたいという時やiPhone / iPad シリーズと連携したい時に力を発揮する。
iPhone SEや先日発表されたiPad miniのように廉価版チップが投入されているのかはわからないが、少なくとも小さなMacに最新Appleシリコンを積んでくれていることは喜ばしい。
Mac mini(M4, 2024)の価格、買いなのか
Mac mini(M4, 2024)の発売日が2024年11月8日ということもあり、記事投稿時点では予約注文の受付が行われている。予約ページへ移動するとある程度カスタマイズされたMac mini 2024が選択肢として用意されていた。
最小構成は94,800円。
ストレージは256GB SSDとなっており、過去のAppleが行ってきた販売方法から最低グレードのSSDは読み書き速度が段違い遅いだろう。そのため、最小構成は実質512GB搭載モデル=124,800円からだと思う。
初期メモリは16GB。仮想OSなどメモリを割り当てる先がなかったり、写真・動画編集で重いフィルターをかけて劣化せずにモニター表示しながら編集でもしない限り32GBは必要ないはず。それをわかっているのか微妙な24GBを用意していた。
オプションとしては24GBメモリを選ぶと追加3万円、32GBメモリで追加6万円となっていた。
ストレージも512GB=追加3万円、1TB=追加6万円、2TB=12万円で、2TBを積むだけでIntel Ultra搭載ミニPCが買えてしまう金額に。
他にあるオプションはLANポート。標準から10ギガビット対応にすると追加1.5万円が必要とのこと。
最後に注意ポイントとしては同梱品にUSB-CやHDMIケーブルが含まれていないこと。Mac mini 2024の同梱品は電源ケーブル1本のみとなっていた。
この他に昨日記事で取り上げた最新のMagicアクセサリーを揃えると結構な金額になる。大抵はロジクールなどを使うと思うがトラックパッドは試してみたいところ。
Mac mini(M4, 2024)は買いか
M1チップ搭載のMac miniを所持していて作業時間がかかって困る! という場合は買い替えにより時間を獲得できるから買いだろう。
しかし、M1 Mac miniを購入してからM1 MacBook Airへと買い替えて現在も愛用中の私には有り余るパワーだと思った。
軽トラ(ハイゼットジャンボ)のオフィス化というか軽キャン化する際に小型PCを積む計画があり、その中でMac miniも検討していた。2023年モデルと比べれば小型化したのは大きな変化ではあるものの使い勝手という面で新たな体験ができるとは思えない。
iPad mini 2024の時も触れたがApple intelligenceの日本語対応は2025年以降、そもそもM1チップでも対応できるという。
何よりSDカードスロットがないというのが地味に痛い。
動画配信するにあたりGoProなどのカメラを使っている。最近の機種は大抵USB-C転送に対応しているが、何故かmacOSとは相性が悪いらしく途中で切断したり、異常に遅いということが頻発している。最終的に消費電力15Wを必要とするUSBハブを接続するなどしてガチャつかせてしまう。
この後でレビューするが台湾メーカーGEEKOMの最新ミニPC「GEEKOM GT1 Mega」を試したところフルサイズSDカードスロット搭載かつWindows OSなのでデータ転送は快適だった。本体サイズも135 x 132 x 46.9mmとほぼ同じ。メモリ32GBや2TB SSDに加えIntel Core Ultra U9-185Hチップを搭載とパワフル構成、それでいてOSも異なるのでMacBookとの棲み分けという面でわかりやすい。
ミニPCは携帯性があるもののモニターやらキーボード、マウスといった外部アクセサリが必要になるためノートパソコンのような機動力があるわけではない。
そういう面でリモートデスクトップが使えるWindows 11 Proは相性が良い。デットスペースに小型PCを置いてMacBookから遠隔操作するので動画編集など重作業はGEEKOM、軽作業はMacBookといった感じで使えている。
「GEEKOM GT1 Mega」に関しては2つの2.5 Gbps有線LANポートを備えているのでルーター代わりにして使うことも可能。キャッシュサーバーにして繰り返し閲覧に強いローカル環境を構築するのも面白そうだ。
そういったサーバー運用という点において有線LANポートが1つのMac miniは頼りないと感じた。SDカードもないことからクリエイター向けではなく、エンドユーザー向けなのかもしれない。
M2搭載MacBook Airが148,800円〜となっていることから安くM4チップ版macOSを体験したいというユーザーへ向けたiPhone SEや無印iPad的な位置付けのように感じた。
私には贅沢すぎるため、スルーさせていただくことにした。
Source : https://www.apple.com/jp/mac-mini/