UQ mobile「くりこしプランS」は格安SIMの本命という話
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コストパフォーマンスの優れた格安SIMサービス(MVNO事業者)を選ぶ際に重要なのは通信回線と月額料金のバランスではないだろうか。
そうすると回線品質が良い大手サブブランドのY!mobileとUQ mobileに絞られてくる。その中でも先日発表されたUQ mobileの「くりこしプラン」は練りに練られたプランであることがわかってきた。
今回は契約から1年半もの間、何度も乗り換えを検討するも他社で超えてくるプランが登場しなかった「データ高速+音声通話プラン」と比較、その内容を記録したい。
UQ mobile「くりこしプラン」の強みと弱み
KDDIが2021年1月13日に発表したオンライン専用ブランド「povo」と、同時発表したUQ mobileの「くりこしプラン」(発表記事へ)は、次のように似たプランとなっている。
- KDDI「povo」:月額2480円、データ容量20GB、柔軟なオプション
- UQ mobile「くりこしプランM」:月額2480円、データ容量15GB
どちらも月額2480円で月間データ超過後は最大1Mbpsで通信し放題、通話は従量課金となっている。
povoの強みは「オンライン完結」で契約や解約、オプションの選択が簡単に行えること。それを活かして200円で24時間通信し放題といった柔軟なオプションを用意している。その一方で弱みは低価格プランがないこと。
それを埋めるのがUQ mobileの「くりこしプランS」(月額1480円)だろう。
「くりこしプランS」は月間3GBしかなく、超過後は上限300kbpsと遅め。しかし、2020年10月にKDDIへ統合されたUQ mobileはMVNO向け回線ではなくau回線が使える。
そう、auのMVNO事業者が提供する300kbpsとは回線の品質が違うのだ。
格安SIMあるあるで「繋がらない」「遅い」をよく見かけるが、UQ mobileの300kbpは数値に近い通信が期待できる。先日のpovo発表でもauと同じ回線であることが強調されたことからも大きな差であることは間違いない。
「くりこしプランS」は格安SIMの本命か
画像:UQ mobileを1週間ほど使った感想、節約モードのYouTube視聴やテザリングなどより
私が2019年9月から現在まで利用しているUQ mobileのプランは、すでに新規募集を終了している「データ高速+音声通話プラン」で、次のような内容となっている。
- 月額料金:1680円
- 月間データ:3GB
- 超過後:200kbps(節約モードも同じ)
- 翌月くりこし:対応
- 通話料金:従量課金
先ほどの「くりこしプランS」は上記プランに比べて月額で200円安く、100kbps速くなっている。
現在200kbpsしかないが、YouTubeの144pは快適に再生できる。iPhoneの縦画面表示や音楽中心であれば遅延なく無制限に再生できるので一般的に低速と見られている200kbpsでもau直回線なので使えるレベルなのだ。
私は2019年から現在まで「データ高速+音声通話プラン」のような回線品質が良く、低価格、目立つ制限がないという三拍子が揃ったプランを定期的に探していたが見つからなかった。
そこへ2021年2月1日、同じ内容で月額1480円プランが誕生する。言い換えれば1年半をかけても200円安くなるだけ、やはり底値プランだったのだ。
画像:UQ mobileが1Mbpsのデータ無制限を月額2480円に、くりこしプラン発表より
これまでUQ mobileのメインプランはY!mobileと同じく初めは1480円、1年後には2980円といった具合に2段階料金だったが、「くりこしプランS」は固定の月額1480円(税込1628円)とシンプルに改善されている。
さらに後述するpovoの受け皿という位置付けになることから回線品質の徹底が予想される。
私は過去に契約したMVNO事業者の無制限500kbpsといったサービスより、au直回線の300kbpsが使えていることから今後にも期待している。
povoの受け皿となるUQ mobile
オンライン限定の通信サービスが大手から誕生すると、次に登場するのは対人サービスを要求する人々。
この「ドコモやKDDIの店舗に行けばahamoやpovoが契約できると思った。」と店舗に駆け込む人たちに対して最も上手く機能するのはUQ mobileで同額の「くりこしプランM」を用意したKDDIだろう。
「povoなら月間20GB、オプションも柔軟だけどオンラインで手続きしてね。」
「UQ mobileは店舗あるけど15GBと少なくてオプションも限定的だよ。」
画像:UQモバイルの新旧プラン比較2019、最安プランを継続か移行かより
povoに不安を覚える人の受け皿としてUQ mobileが機能することになるため、利用者が増えサービスも充実(または安定)することが期待できる。その一方でサブブランドだからMVNOサービスのように利用者が増えすぎて遅くなる心配もない。
現在の契約プランから毎月200円だけ安くなるだけだが、1年半も同等のサービス品質で月額1680円より安いプランが登場しなかったこと、大手通信会社の主戦場ではないことを考えると当面はUQ mobileの「くりこしプランS」が格安SIMの本命と言えるのではないだろうか。