(完結編)30Wパススルー充電器「CIO SMARTCOBY Pro PLUG」は使えたか、Anker製20Wモバブ充電器との違い・レビュー
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2023年1月18日に届いたCIOのモバイルバッテリー内蔵USB充電器「SMARTCOBY Pro PLUG」について追加レポートを行いたい。
前回のレビューでは「MacBook+モバイルモニターだと最大30W出力では足りない、残念」と書いてしまったが、色々と試しているうちに「大丈夫」と判断した。
その理由も含め書いていきたい。
先日Ankerサポートチームより回答いただいたパススルー充電に対応するという2製品(当時の記事へ)は最大20W出力のためM1 MacBook Air+モバイルモニターという環境に耐えられないと購入を断念。
つまりUPSに近づいた稀な製品の中で唯一30W出力まで辿り着き、かつ「電池を経由しない」という2in1充電器はCIOだけと思われる。
そして、M1 MacBook Air+モバイルモニターという構成でも最大30W出力の「SMARTCOBY Pro PLUG」(USB-Cケーブル1本で運用)が使えたので具体的な使用方法を記録していく。
CIO製「SMARTCOBY Pro PLUG」レビュー・感想
はじめに前回のレビューで試した「残念な結果」となった理由を振り返りたい。
私はRAVPOWER製の薄型45W充電器を下記「1」のような接続で運用していた。
- 電源→充電器→17.3型モニター→M1 MacBook Air
- 電源→充電器→M1 MacBook Air→17.3型モニター
この「1」による接続方法だと17.3型モバイルモニターを経由して余った電力でMacbookを充電、あとは優秀なmacOSのバッテリー管理で調整してくれる。
この方法はMacBookが電池寿命を削ってまでモニターへ電源供給を行わないのが良い。
しかし、「2」の運用では接続するタイミングによってMacBookから電源供給となってしまい、電池寿命を削ってしまう可能性がある。
さすがのmacOSでも外部接続機器を判断してはくれないはずだ。
そうして試した前回のレビューで「1」は下図のような結果となった。
macOSのシステム情報を開くと上図のように20Wへと減り「充電中:いいえ」となってしまった。
この状態で数分待っても変わらないことから前回は「充電できない」と諦めてしまった。
・・・とはいえ、諦めきれない。
・・・すると、M1 MacBook Airは20W出力で充電できているという情報があるではないか。
ただApple純正アダプタの30Wより少ないため「ゆっくり充電」になるらしい。
この「ゆっくり充電」はリチウムイオン電池にとって優しい充電とも言われ、電池寿命を延ばすというのを先日の記事で書いたが、もし事実なら「CIO SMARTCOBY Pro PLUG」は偶然にもMacBookに「お優しい充電器」かもしれない。
そこでMacBook Airの充電について調べたところアンカーの人気モバイルバッテリー内蔵USB充電器「Anker PowerCore Fusion 10000」に辿り着いた。
「Anker PowerCore Fusion 10000」で知る20W充電器の話
同製品は「CIO SMARTCOBY Pro PLUG」と同じような製品だが最大出力は20Wと少ない。
各所のレビューを見ると同製品に対して「パススルー対応」と謳う宣伝記事が多数あった。
しかし、先日のAnkerサポートチーム回答に含まれていないことから電源→電池→対象端末という電池経由タイプだと思われる。
ただ今は、その話がしたいわけではない。
「Anker PowerCore Fusion 10000」に寄せられたAmazonレビュー6,773件(Amazonへ)には何件も「MacBook Air (M1, 2020)が20Wで充電できた」という報告があるのだ。
それではMacBook Airは20W対応なのかと調べると、少しややこしい。
検索結果に現れたYahoo!知恵袋(Yahooへ)によれば次のような回答があった。
充電できません。
電流電圧が違います。
20W充電器は最大9V2.2A
MacBook Airの30W電源アダプタは20V/1.5A
これは次のようなことだろうか。
- 「20W充電器は電流電圧が異なる(9V2.2A)から充電できない」
- しかし、MacBook Air自体は20W出力あれば充電はできてしまう
- Apple純正と同じ「20V/1.5A充電器なら20W出力でも安全」
そうなると各USB充電器の出力を知る必要がある。
- Anker PowerCore Fusion 10000
→「USB-C 出力:5V=3A / 9V=2.22A」 - CIO SMARTCOBY Pro PLUG
→「USB-C出力:5V=3A / 9V=3A / 12V=2.5A / 15V=2A / 20V=1.5A (Max30W)、PSS出力:3.3-11.0V=3A」
・・・ん?
Anker PowerCore Fusion 10000でMacBookの20W充電が行えたという報告があるもののMacBook Airの30W電源アダプタにある「20V/1.5A」には非対応、これで充電するのはよろしくないではないのか。
CIO SMARTCOBY Pro PLUGは「20V=1.5A」に対応している。
まとめると、次のことがわかった。
- M1 MacBook Airは20W充電器でも充電はできてしまう。
- M1 MacBook Airは(Apple製を含め)20V=1.5A出力の充電器を推奨
- CIO SMARTCOBY Pro PLUGは「20V=1.5A」に対応
つまりCIO SMARTCOBY Pro PLUGであれば、モバイルモニターを経由して20Wに減ってしまったとしても「20V=1.5A」なので安全にMacBook Airを充電できる可能性があるということか。
さらに本来はマイナスな印象がある低速な20Wの「ゆっくり充電」だが、電池には優しいかもしれない。
そこで再びMacBookのバッテリーを自動調整されない73%まで減らし、改めてモニター経由でMacBookの充電を試した。
再チャレンジ!すると・・・
やはりmacOS上では「充電中:いいえ」と表示、充電されている様子はない。
念のため、MacOSの充電アイコンを開くも「バッテリーは充電停止中」として”コンセントマーク”が表示されていた。
ここまでは前回と変わらない。
しかし、今回は20W充電ができると信じて10分ほど待つことにした。
そうするとバッテリーアイコンの”コンセントマーク”が”白い稲妻”に変わった。
ここでmacOSのアイコンについて調べたところ、次のような意味があるようだ。
- 白い稲妻:充電しながらMacBookを起動中
- 黒い稲妻:バッテリーを使わずにMacBookが起動中
- コンセントマーク:バッテリー最適化で放電中、充電していない
やがてバッテリーアイコンの詳細に「フル充電まで1時間41分」という表示が追加された。
おぉ!!!
これは”ゆっくり充電”ではないですか。
1分後に開くと残り1時間40分と順調に充電している様子。
ここで再びシステム情報を開くと「20W」「充電中:はい」となっていた。
これでMacBookの電池を消費することなくモバイルモニターの電源が供給され、余った電力でMacBookがゆっくり充電されることがわかった。
今後は急な停電が起きてもMacBookとCIO SMARTCOBY Pro PLUGという2つの電池で延命できる。
正直、前回のレビューでは早々に「CIO SMARTCOBY Pro PLUG」を手放すことも考えていたのでよかった。
今回レビューしたCIO SMARTCOBY Pro PLUGの購入先は楽天のストア直販(楽天販売ページへ)だが、レビューはAmazonのほうが575件(詳細はAmazon販売ページへ)と多いので参考になると思われる。