UPS付き超小型ポータブル電源の2機種スペック比較、「ELECAENTA EM200」vs「BLUETTI AC2A」
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最近になって生活を見直せばオジサンの一人暮らし程度なら電力はポータブル電源「EBL MP1000」と200Wソーラーパネルで事足りることがわかってきた。
そんな質素な生活しているのか、と憐憫の眼差しを向けてくれるかもしれない。でも困らないのは事実だ。もちろん晴れた日が続いているという幸運はあるけれども。
しかし、曇る日が続くこともあるし、印刷に12時間かけた3Dプリンターを停電で止めたくもない。そんな時のためにUPSを兼ねた予備バッテリーが欲しくなった。
さらに言えば緊急時に使えるパススルーの上位互換に近いUPS(無停電電源装置)付き、かつ機動力ある小型モデルが良い。
重量5kgを超えれば対応機種も増えてくるが、ここでは超小型5kg以下で探した。このサイズになると大容量モバイルバッテリーが登場してくる。その中には30,000mAh以上で1kgを超える製品もあった。
ただ「UPS」を謳うとなれば数は少ない。そんな2機種のスペックを比較した。
「ELECAENTA EM200」vs「BLUETTI AC2A」スペック比較
はじめに情報収集の方法について記録する。
まず「ELECAENTA EM200」については数回の製品アップデートを繰り返しており、Amazon販売ページもわかれていた。今回は(10月新改良モデル)から情報を集めた。
困ったことにELECAENTAは日本向けWebサイトおよび製品ページがない。説明書はサードパーティーの配布サイトで英語版などが閲覧できる程度。Webサイトは米国(もしくはグローバル版)があるもののAC差込口が日本向けではないといった差異がある。
そのため、数回のアップデートを重ねて当初の重量2.6kgは最新モデルで2kgという表記になり、過去に記載がない「簡易UPS」という文字まで追加されている。
以上のことから「ELECAENTA EM200」については基本Amazon販売ページの情報(の中でも最新モデル、詳細はAmazonへ)を参考にした。過去モデルと米国版も同時に見て回り、できる限り正確に書き出したつもりだ。
次に「BLUETTI AC2A」。こちらは日本向けウェブサイトと日本語説明書があった。一部で話題となっていた少し容量の大きいモデル「BLUETTI EB3A」の後に発売されただけあって説明が丁寧な印象を受けた。
よって「BLUETTI AC2A」は、公式製品ページと取扱説明書とAmazon販売ページを見比べて差異がないと確認できた箇所を抜き出した。
それでは比較していく。
UPS付き超小型ポータブル電源のスペック比較
2機種とも電池容量は200Wh。リン酸鉄で充電3000回くらいまで容量80%を維持できるようだ。重量は「ELECAENTA EM200」が脅威の2.5kg(Amazonでは2kgと説明)、「BLUETTI AC2A」は3.6kgとなっている。
ELECAENTAは定価21,800円(保証期間が2年間と短い)と安い。ただ、Amazon販売ページにある付属品の「カーチャージャー」と「シガーソケット充電器」の違いはわからなかった。
「BLUETTI AC2A」は定価29,800円と少し高いものの保証期間5年と長い。付属品だけでAC入力+PV入力によるデュアル充電(後述)をすぐに実現できるのは嬉しいポイント。
◇◆◇
ここからは2枚目のスペック表を見ていく。
はじめにAC出力ポート。
2機種いずれもAC差込口は2つ搭載。
ここで「BLUETTI AC2A」が出力300W(瞬間600W)で大きく差をつけた。さらに独自機能「電力リフト」によりドライヤーやホットプレートなどの1000W以上が必要な家電も勝手に出力を抑えて使用できてしまう力技まで搭載している。これは凄い。
「BLUETTI AC2A」は他にもB80と接続して増量したり、デュアル充電やECOモードなど様々な機能を備えている。しかし、そんな無理のありそうな機能はAmazonで『動作しなくなった』という低評価を増やしているようにも見えた。
50Hz/60Hz対応については、「ELECAENTA EM200」は安心対応としながらも『Hz変更に非対応の家電は使用しないように』と案内している。「BLUETTI AC2A」は操作により切替可能。
次にDC出力、ここでも評価が大きくわかれる。
「ELECAENTA EM200」はDC出力ポートは7つ搭載。しかし、充電中はUSB-CとUSB-Aの出力は不可(備考欄に詳細を記載)となっている。そのため充電中の出力はDC5521ポートとACポートに制限されてしまう。
「BLUETTI AC2A」はDC出力ポートが4つと少ない。しかし、先ほどのような出力制限はなくフル稼働できる。
続いて最も重要な「UPS機能」。
「ELECAENTA EM200」はAmazon商品名に『簡易UPS』とあったので調査を開始した。しかし、海外の取説を含め最後までUPSに関する記述はなかった。商品名にだけ記載されている状態。かろうじてパススルーについては説明があり『DC充電中はACのみ対応』とのこと。これは所謂「UPSバイパスモード」ではなく、モバイルバッテリーに多いバッテリーに蓄電した電力を流すパススルーを意味している可能性もある。
これについてはELECAENTA社に問い合わせたい。回答があれば追記していく。
一方、「BLUETTI AC2A」は説明書も含め電源が切れた際は20msで切り替わる「UPS」を搭載とあった。これはソーラーパネルなど不安定な入力ポートでは当然ながら機能せず、安定しているAC入力中にのみ動作する仕様だ。
PV(ソーラーパネル)とDCポートの入力でも違いがある。
「ELECAENTA EM200」はPVもDCもACアダプターも全てDC5521端子で充電する仕様。「BLUETTI AC2A」はAC入力=最大200WとPV入力(XT60コネクタ)=最大120Wの二通りに対応しており、さらにAC+PVのデュアル充電=最大270Wまでサポートする。
「BLUETTI AC2A」を調べるほど技術力が高いことに感心する。その一方で利用者が無理な運用をして低評価をつけそうな危うさを感じた。
他には超小型では活躍が期待できるLEDライトを「ELECAENTA EM200」は搭載している。「BLUETTI AC2A」では静音モードがあり充電中でも45dBと静かに充電できる。
どちらが買いか
「ELECAENTA EM200」は200Whながらモバイルバッテリーに匹敵するほどの軽さ2kgが魅力。カタログ通りなら携帯性は頭一つ抜きん出るのではないだろうか。ただ「簡易UPS」に切替時間20msといった記述がないことからバススルーの可能性もある。
やはりELECAENTA社に重量とUPS、50Hz/60Hzの切替仕様について質問することにした。
「BLUETTI AC2A」はACとPVの入力に対応し、充電中のUSBポートが使えるなど基本スペックが高い。さらに他のポータブル電源に比べて飛び道具のような機能が多く、それによってなのか「動作しない」という報告も多いように感じている。
なによりUPS機能がキチンと電池を経由しないことが明示され、停電時には20msの速さで切替られるというのも心強い。
この記事を書いて頭を整理できた。
しかし、5.6kgと少し重くなってしまうがUPS=10msという小型モデル「ALLPOWERS R600」(Amazonへ)が存在する。こちらは基本スペックで定格600W(瞬間1200W)にまで対応。この重量になると据え置きタイプとなってしまうがUPS付き小型ポータブル電源として唯一の10msという可能性もある。
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最後に実売価格を比較すると「ELECAENTA EM200」(10月新改良モデル)はセール特価17,480円(レビュー35件はAmazonへ)。「BLUETTI AC2A」はセール特価19,800円(レビュー304件の詳細はAmazonへ)となっていた。
他にもUPS付き超小型ポータブル電源があれば比較していきたい。
次回→Comming Soon.