(更新)miniSSDスロットを搭載した7型「GPD Win 5」が正式発表、SteamDeckとの比較も公開

公開日: : GPD ,

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【更新| 2025/08/18】
中国GPD Technologyは現地時間8月14日に「GPD WIN 5」を正式発表した。

ポータブルゲーミングPCの最新モデルらしいアップグレードが施されているが、大きな変化と言えるのが昨日記事で取り上げた「miniSSD」の存在。

本機ではmicroSDカードも使えるようになっているのが特徴。

まだ業界標準の規格ではないが速度を求めるクリエイターPCやゲーミングPCを中心に「差別化」として対応機種が増える可能性が考えられる。

【以下、初稿】
GPDが開発中の最新ハンドヘルドゲーミングPC「GPD WIN 5」のスペックが明らかになった。

詳しくはThe Phawxによる下記動画で説明されている。

「GPD WIN 5」はAMDのStrix Haloチップを搭載し、従来モデルから大幅に性能向上。7インチ・120Hzの高精細ディスプレイを採用し、物理キーボードを廃止して操作系はゲームパッド中心に再設計。バッテリーは本体内蔵ではなく外付け式を採用し、最大80Whの容量で長時間プレイをサポート。最大128GBメモリ、4TB SSD、豊富なインターフェースを備え、携帯性とパフォーマンスを両立させた次世代モデルとなっている。

「GPD Win 5」のスペック表

はじめに製品スペックを見ていきたい。

なお、発売前なので変更される可能性が十分にある点は注意して見ていただくことになる。

項目 モデル A (Ryzen AI Max+ 395) モデル B (Ryzen AI Max 385)
CPU AMD Ryzen AI Max+ 395 AMD Ryzen AI Max 385
GPU Integrated AMD Radeon 8060S Integrated AMD Radeon 8050S
メモリ容量 32 GB / 64 GB / 128 GB 32 GB / 64 GB / 128 GB
メモリ種類 LPDDR5x 8000 MT/s
ストレージ容量 1 TB / 2 TB / 4 TB
ストレージタイプ M.2 NVMe 2280 SSD+SSD空きスロット(Socket 3)
ディスプレイ 7インチ 1920 x 1080 /  120 Hz 500nit / Gorilla Glass 6
スピーカー 2×2 W super‑linear speakers
マイク Dual integrated microphones
Wi‑Fi / Bluetooth Wi‑Fi 6E, Bluetooth 5.3
バッテリー(外部) 80 Wh 外付けリムーバブルバッテリーパック
充電・電源 180 W 専用 DC アダプター またはバッテリーパック経由
寸法 267 × 111.6 × 24.21 mm
バッテリーパック寸法 約 110 × 110 × 18 mm
その他のI/Oポート USB4(100W PD & DP Alt Mode),
USB 3.2 Gen 2 Type‑C(DP Alt Mode、充電不可),
USB 3.2 Gen 2 Type‑A,
HDMI 2.1
DC専用ポート(180W),
icroSD(microSDHC/XC)スロット,
3.5 mm コンボジャック
コントロール RGB電源ボタン
LED充電インジケーター,
光学式指マウス(押し込み確認)
キャパシティブアナログスティック,
統一型 D‑pad, ABXY シリコンボタン,
Hall‑effect LT/RT ボタン,
プログラム可能リアパドル, デュアルハプティックモーター,
3‑軸加速度計+3‑軸ジャイロ
備品同梱 本体 ×1, 外付けバッテリーパック ×1,
バッテリー→本体 専用コネクタ ×1,
DCアダプター & ケーブル, 保証書, 取扱説明書

◇◇◇

【追記| 2025/08/18】
下記のスペック表はGPDが正式発表にあわせて公開した業界標準のようになっているSteam Deckとの比較表(画像)を表形式にした内容となっている。

項目 GPD WIN 5 Steam Deck
画面サイズ 7インチ LTPS タッチパネル 7〜7.4インチ LCD / OLED
CPU AMD Ryzen AI Max 395 AMD Custom 0405
ベースクロック 3.0GHz 2.8GHz
最大クロック 5.1GHz 3.5GHz
TDP 45〜75W 15W
GPU AMD Radeon 8060S (RDNA 3.5) カスタム (RDNA 2)
GPUクロック 2.9GHz 1.6GHz
演算ユニット 40CU 8CU
シェーダー数 2560 512
メモリ 32GB / 64GB / 128GB LPDDR5X 8000 MT/s (4ch) 16GB LPDDR5 5500 MT/s (32bit×4ch)
ストレージ規格 M.2 2280 M.2 2230
ストレージ容量 1TB / 2TB / 4TB 64GB / 256GB / 512GB / 1TB
バス規格 PCIe 4.0 ×4 PCIe 3.0 ×2
転送規格 NVMe 1.4 NVMe 1.3
データ/電源端子 1 × USB4 (40Gbps) 1 × USB4
USB-C 1 × USB 3.2 Gen2 Type-C (10Gbps) 1 × USB 3.2 Gen2 Type-C
USB-A 4 × USB 3.2 Gen2 Type-A (10Gbps) 1 × USB 3.1 + 2 × USB 2.0 Type-A
HDMI 1 × HDMI 2.1 (FRL) 1 × HDMI 2.0
LAN端子 1 × RJ45 1 × RJ45
カードスロット 1 × Mini SSDカード, 1 × microSDカード 1 × microSDカード
オーディオ端子 1 × ヘッドホン端子 1 × ヘッドホン端子
入力 物理キーボード(4096段階ペン対応) タッチ操作(1024段階ペン対応)
バッテリー 80Wh, 100W PD急速充電対応 50Wh, 45W PD充電
サイズ 267mm × 111.6mm × 24.1mm 298mm × 117mm × 49mm
重量 565g(標準バッテリー) / 915g(拡張バッテリー) 669g

◇◆◇

 

Strix Halo搭載で最大128GBメモリ対応

GPD WIN 5は、AMDの未発表APU「Strix Halo」を採用。

最大128GBのLPDDR5x-8000メモリに対応が明らかとなった。これは、ポータブルゲーミングPCとしては極めて高いスペックで、ハイエンドPCクラスのパフォーマンスを狙う構成となっている。

GPDはこの高性能APUを活かし、2つのモデル構成を用意する予定で、それぞれRyzen AI Max 395および385を搭載する。

7インチ 120Hz ディスプレイを搭載

GPD WIN 5には7インチのフルHD(1920×1080)解像度を持つディスプレイが搭載されており、最大120Hzのリフレッシュレートに対応。表示領域は横向き(ランドスケープ)で、ガラスはCorning Gorilla Glass 6。ゲーミング用途に適した反応速度と滑らかな描画が期待される仕様になっている。

内蔵バッテリー非搭載、外部バッテリーパック式

GPD WIN 5の設計上の大きな特徴として、内蔵バッテリーがないことが挙げられる。

その代わりとして外部バッテリーパックを使用するようだ。

GPDは、80Whの外付けバッテリーを開発中で、独自のDCポートで接続。この仕様は高出力なStrix Halo APUと広い拡張性を両立するため判断だろう。

外部バッテリーとはいえ高いパフォーマンスを支えるため電池消費が激しいことから、ほぼ有線デバイスとして使うような気もするが、気軽に持ち出せるハイパワーPCという意味では画期的ともいえそうだ。

このバッテリーパックという流れはEUの規制も絡んでいそうだが、日本にとってはガラケー時代では当たり前だったことから意外と受け入れられる人もいるかもしれない。それにしても市場で不利になるとルールを変えるというのはスポーツや文化、文明の利器を制限するような気がするのだが、いかがなものだろうか。

GPD WIN 5のようなパワフルなポータブルPCが登場するとStable DiffusionやローカルAIを構築するユーザーも登場してきそうだ。ちなみにM1 MacBookでローカルAIを構築してみたところ、モデル選びが悪かったのか日本語10文字を表示するのに20分くらいかかって断念した。かといって軽量モデルを選んで お座なりな回答をもらっても嬉しくない。

それにiPhoneやPixelにAIを搭載しても、簡易版ということが多い。Gemini CLIを強制的に動かすという手もあるが、コーディングなどにおいて現実的ではない。

そうなるとエコシステムを優先して閉鎖的なスマートフォンよりもGPD WIN 5のような拡張性があるデバイスに光を見てしまう。中華PCの時代が来るのか注目したい。

前回の話
microSDカードからMini SSDの時代は来るのか、M.2 2230との違いほか

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