貴重なDSDAスマホ『Huawei P30』のレビューやスペックを調べた話
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Huawei(ファーウェイ) iVideo, MVNO, モバイル通信
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前回のDSDA(デュアルSIM/デュアルアクティブ)仕様スマートフォンを探した記事で、1台だけ該当した『Huawei P30』について、スペックやレビューをチェックから不具合はないか、またDSDAで使用している報告はあるのか調べた。
『Huawei P30』のレビューやスペックを調べた話
今更だが『Huawei P30』のSIM1へ入れる予定のau回線(UQ mobile)は使えるのかわからなかったので調べたところ、MVNO事業者「mineo」がauプランで『Huawei P30』をセット販売していた。どうやら使えるようだ。
これでスタートラインに立てた。
ここから最も重要なDSDAとして使っているというレビューがあるのかについて調査した。
デュアルアクティブ対応のSIMカードとは
有難いことに既にDSDAライフへ足を進めた先人がいた。そして、やはり発表イベントで説明されていた通り、4G/VoLTEであることが望ましいようだ。
例としてSIM1にはVoLTE対応SIMカードを差し込み、SIM2には4Gで通信するデータSIMを差し込んだほうが良い模様。
そこでUQ mobileの料金プランページを確認するが、LTEタイプとVoLTEタイプがあるという記載だけで詳しい説明がない。my UQへログインすると契約プラン名は「データ高速+音声通話プラン(V)」となっていた。恐らくVoLTEのVだろう。
この通話SIMに関しては3G通信のガラケーやIMEI制限がかかっているSIMカードが使えないともあった。
次にデータSIMについて調べると、SMSの有無は関係ないものの4G通信であることが良いとあり、iVideoを入れたBlackBerryを見ると4Gと表示されていたので問題ないだろう。
ちなみにSIM2側へデータSIMではなくVoLTE対応通話SIMを入れた場合は昔の固定電話にあった割り込み着信ができるようだ。通常のDSDSやDSDVでは通話中に別SIMから着信があった場合は後で不在通知が届く仕様となっている。
ある意味、固定電話かつ固定回線になりうるスマートフォンではないだろうか。
この時点で購入したい衝動に駆られるが、不具合を抱えていては元も子もない。次にスペック情報で不満点がないか、レビューなどを参考に確認していく。
基本スペックを見る
『Huawei P30』は水滴ノッチの約6.1インチOLEDディスプレイ、解像度はFHD+(2340x1080)、 広色域(DCI-P3)となっている。また最新の画面内指紋センサーを内蔵していた。
しかし、レビューを見ると指紋センサーの範囲が狭いらしく、P30 liteの背面認証のほうが良いという声もあった。その代わり顔認証が高速で便利らしく、指紋センサーは使わないという書き込みもある。
HuaweiということでCPUにはQualcomm製ではなく「Kirin 980 オクタコア」を採用。動作クロックとコア数は2.6 GHzデュアルコア+1.92 GHzデュアルコア+1.8 GHzクアッドコアとなっている。
RAMは6GB、内部ストレージは128GBとなっている。残念ながらmicroSDカードは使えないが大抵の用途で十分な空き領域と言えそうだ。
本体サイズは幅:約71.36 mm/縦:約149.1 mm/厚さ:約7.57 mm、重さは約165g(バッテリー含む)となっている。バッテリーは着脱不可。
防水性能はIP53と生活防水、ProモデルはIP68だったがDSDAではない。
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カメラ性能
国内の発表イベントでも強調されていたカメラ性能を見てみよう。
前面は自撮りに十分すぎる3200万画素、これが水滴ノッチ部分に配置されていた。
次にメインとなる背面Leicaトリプルカメラ、広角 約4000万画素 / 超広角 約1600万画素 / 望遠 約800万画素という3つで構成されている。
ここからは何が凄いのかを見ていきたい。
5倍と30倍のズーム機能、ハイブリットズームでは5倍となりデジタルズームを使うことで月も撮影できるという30倍までサポートしている。
ISO感度204800のカメラセンサー、エントリー向け一眼レフも凌駕するISO感度でスマートフォンでは撮影する気にもならない夜間に対応する。
AI手振れ補正、これにより長時間露光撮影ができるとのこと。
2.5センチのマクロ撮影、通常であればマクロレンズを用意しないと近づけない2.5センチまでサポートしている。
AI HDR+技術、いくつかの異なるレイヤーで光量と色彩を重ね明暗を調整し逆光や暗所での撮影でも明瞭な映像にできるという。
カメラ性能のレビュー・感想について
Huawei P30購入者はコンデジが不要になるのではないかというほどカメラ性能に満足していると伝えていた。
トリプルカメラの恩恵なのか普通に撮影しても自然なボケ感があるという。また先ほどのAI HDR+により白飛びや黒潰れも少ないらしい。感情を動かすボケ感と映像記録としてのHDR、両方とも使えるのであれば頼もしいコンデジと言えそうだ。
他にも逆光時の人物撮影で通常は顔などが黒潰れしてしまうところが鮮明に明るく映っているなどの報告もあった。その写真は設定を施したのではなくAIによる自動処理とのこと。
バッテリー、インターフェイス、充電環境
バッテリーは3,650 mAhと大容量ではないがUSB-CポートということでMacBook Proと同じ1本のケーブルに纏められるのは助かる。電源アダプタも以前購入した最小最軽量な61W充電器「RAVPower RP-PC112」を一緒に使えるほか、最大22.5Wの急速充電「SuperCharge」をサポートしている。
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上図の電源アダプタとUSB-Cケーブルという構成は余分なケーブルを排除できるため目指しているシンプルな暮らしに近づけるほか、旅行時の荷物も少なくて済みそうだ。
他には3.5mmイヤホンジャックを搭載、NFC対応、Qiワイヤレス充電には別売りの専用保護ケースを購入することで対応できる。
バッテリーの充電速度と電池管理
前回の記事でモバイルバッテリーには本体の充電速度も重要だと気付いた。それはスマートフォン本体も同じで、幸いなことに『Huawei P30』は22.5W急速充電に対応している。
レビューを探すと電池残量切れで強制シャットダウンになってから約1時間15分ほどでフル充電できたという投稿があった。
次に電池管理、OSはAndroid 9 ベースのEMUI 9.1で独自の設定を用意している。
レビューによるとパフォーマンスモードという処理性能を高める設定があり、有効にすると電池消費量が増える。次の省電力モードはパフォーマンスモードの2倍近い駆動時間になるとあった。例としてパフォーマンスモードが27時間であれば省電力モードは55時間といった感じだ。
そして、その上をいく「ウルトラ省電力モード」では駆動時間の残りが170時間と表示されていた。
Huaweiのヘルプを見ると「ウルトラ省電力モード」は動作アプリを制限し、デフォルトで電話/メッセージ/連絡先の3アプリが選択されているが、これらを削除して最大6つのアプリを設定できる。
しかし、この機能ではテザリングもできない可能性がある。公式ヘルプを調べた限りでは、バージョン2.0はモバイルデータ通信サービスとWi-Fiが有効になるとあったが明確な答えはない。
モバイルルーターとして持ち歩く際は「省電力モード」で使うイメージが良さそうだ。
なお、LINEなどアプリを使う場合は「省電力モード」にしておくと動作が重くなり、操作に時間がかかり点灯時間が長くなるため通常モードにしておくほうが良いという報告もあった。
通信性能
続いて通信性能、唯一の技適ありDSDA(nanoSIMx2基)ということで選んでいるためモバイル通信に不満はない。対応周波数は次のようになっていた。
FDD LTE: B1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 12 / 17 / 18 / 19 / 20 / 26 / 28
TDD LTE: B34 / 38 / 39 / 40 / 41 (2545~2655 MHz)
キャリアアグリゲーション対応
WCDMA: B1 / 2 / 4 / 5 / 6 / 8 / 19
GSM: 850 / 900 / 1800 / 1900 MHz
Huawei P30製品ページを見るとBluetoothテザリングで高速通信ができるというバージョン5.0対応となっていた。
Huawei P30は買いか
これまでHuawei P30のスペックや特徴、レビュー情報などをチェックしてきた。
ここから現状のiPhone 8 (UQ mobile通話SIM)とBlackBerry KEY2(iVideo通信SIM)をまとめるほど魅力的と言えるのか検討する。
残念なポイントとしてはモノラルスピーカーとFeliCa非対応というところだ。特に電子決済は1日に何度も使っているのでないと困る。かといって支払い用にiPhone 8を持っていてはDSDAの意味がない。
また防滴仕様なのでiPhone 8のようにバスルームへ持ち込んだり、洗顔中に横へ置いておいたり、調理中に台所へ無造作に置いておけない。
それでも今の2台を1台へ纏めることで電源管理と荷物が減る、モバイルバッテリーを持っていくときも1台だけ差し込めばよくケーブルも1本で良い。
大容量や無制限と呼ぶSIMが普及してもDSDA仕様が標準になることは難しいように思える。通信機器を手広くやっているHuaweiならではといった印象さえある。
実装してくれそうなメーカーとしては12月に日本上陸するXiaomi、ハイエンド仕様で攻めるOPPOやOnePlusといった中国系メーカーだろうか。
電子決済だけをApple Watchのようなデバイス単体で管理できる方法があれば乗り換えられるかもしれない。もう少しだけ調査を継続、何か進展があれば追加レポートをお届けする。
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※『Huawei P30』は現在アマゾンで販売中、プライム対応67,990円となっていた。
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前回⇒無制限SIMと通話SIMの同時通信を1台で完結、幻の『DSDAスマホ』を探す