iPad Air(M3)発表、何が変わったのか先代M2とスペック比較・発売日ほか

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Appleは日本時間2025年3月5日、ティムクック氏の予告どおり「AIR」という名称をつけた最新タブレット端末「iPad Air(M3)」を発表した。

発売日は2025年3月12日、価格は98,800円〜。

今回の発表で型落ちモデルとなった「iPad Air(M2)」から何が変わったのかスペック比較していく。

iPad Air(M3)とM2でスペック比較

Apple Storeのトップページや「iPad Air(M3)」製品ページの冒頭にはグラデーションカラーで染めた文字「Apple Intelligenceのための設計。」が大きく掲載されている。

しかし、Apple Intelligence対応は先代のM2モデルも変わらない。

それでは何が変わったのかチェックしていきたい。

なお、iPad Airは11インチと13インチの2サイズ展開となっているため、ここからは見やすさを重視して11インチ同士で比較していく。

以下、Appleストアの製品比較ページを参考にしています。

ディスプレイやApple Pencil、筐体の違い

iPad Air(M3)のディスプレイは11インチLiquid Retinaディスプレイ(2,360 x 1,640ピクセル解像度、264ppi)でP3色域にTrue Tone,反射防止コーティング、最大輝度500ニトとなっており、M2モデルと全く変わらない

横向きにした際の左右ステレオスピーカーと2つのマイクと音響関係も同じだ。

Apple PencilはProモデルとUSB-Cモデルの2種類のみに対応というため、ペン対応状況も変わらない

本体サイズは247.6 x 178.5 x 6.1mmとミリ単位まで同じ筐体だが、重量は460gとM2モデルより2g軽くなっている。

筐体サイズや重量に僅かな影響を及ぼすであろうストレージ構成も128GB / 256GB / 512GB / 1TBと同じ容量で展開されていた。

ちなみに駆動時間も下記のように同じだった。

  • WiFIによるネット利用、ビデオ再生=最大10時間
  • モバイル通信でのネット利用時=最大9時間

以上、外観とディスプレイに関してはM2モデルの流用と見てもよさそうだ。

カメラや通信ほか

背面カメラは12MP広角 F1.8、最大5倍デジタルズーム、スマートHDR4対応と同じ仕様で、ビデオ撮影でできる機能説明も一字一句変わらない。

フロントカメラは12MPセンターフレームカメラ、F2.0、2倍ズームアウトなどこちらも全く同じ説明が続く。

生体認証もトップボタン内蔵の指紋認証センサーによるTouch IDで変わらず、内蔵センサーも同じ数で同じ説明だ。

通信性能はWiFi 6EでBluetooth 5.3と変わらず、セルラーモデルの対応バンドも同じ。SIMカードの説明文に最新M3モデルだけ下記が追加された。

より便利で安全に使える先進的なeSIMテクノロジーに対応(物理的なSIMカードには非対応)

ただiPad AirはM2モデル時代からeSIMのみに制限されていた、物理SIMカードが使えないので上記が何を意味しているのかは不明。

Siriについても説明文章は一字一句にわたって変わらず、Apple Intelligenceも同じ範囲をカバーしているのか特に説明が追加されている様子はない。なぜか日本経済新聞など大手メディアでは「生成AIに対応」を記事タイトルにしているがAIの対応範囲は変わらないようだ。

強いて挙げるなら次項で触れるチップの違いによる処理性能だろう。

唯一の違いか、チップの話。

「iPad Air(M3)」はApple M3チップ搭載により、M2モデルと比べて1つだけ新しい世代となった。ただ4つの高性能コアと4つの高効率コアの8コアCPUと9コアGPUといったことは変わらない。

ただチップ説明に「ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシング」が追記されていた。

これについては当時M3チップを発表したApple Newsroomの説明を引用したい。

M3チップファミリーにより、ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングがMacで初めて利用可能になります。レイトレーシングは、シーンと相互作用する光の特性をモデル化し、極めてリアルで物理的に正確な画像をアプリで作成できるようにします。この機能と新しいグラフィックスアーキテクチャによって、M1チップファミリーよりも最大2.5倍の速度でプロ向けアプリを実行できます。ゲームデベロッパは、レイトレーシングを使ってより正確な陰影と反射を描画し、非常に没入感のある環境を作り出せます。また、新しいGPUによってハードウェアアクセラレーテッドメッシュシェーディングがMacで利用可能になり、ジオメトリ処理にさらに優れた機能と効率性をもたらし、ゲームやグラフィックスを駆使するアプリで、より視覚的に複雑なシーンの表現が可能になります。この画期的なGPUアーキテクチャは、これらすべての機能強化や新しい機能を実現しながら、Appleシリコンの定評ある電力効率を維持しています。実際、M3のGPUはM1と同じパフォーマンスを約半分の電力で実現し、ピーク時には最大65パーセント高いパフォーマンスを発揮します。

上記の説明文を読むとアプリ側の対応が必要になるような気もする。まぁ新しいプロセッサあるあるで機能しない場合や逆に不具合の原因になるなんてこともあるので、iPadOS版アプリではハードウェアアクセラをOFFにしたら正常に動作したなんて報告があるかもしれない。

なお、内蔵RAMは8GBと変わらない。

次にチップの影響による「メディアエンジン」の違いだが、これは意外と大きいように思う。まずは説明文を見てみたい。

  • M2チップのメディアエンジン
    ハードウェアアクセラレーテッドH.264およびHEVC
    ビデオデコードエンジン
    ビデオエンコードエンジン
  • M3チップのメディアエンジン
    ハードウェアアクセラレーテッド8K HEVC、4K H.264、ProRes、ProRes RAW
    ビデオデコードエンジン
    ビデオエンコードエンジン
    ProResエンコード/デコードエンジン
    AV1デコード

M3チップでは太字箇所が追記された。

「ProRes対応かぁ、やったー」となるのかは怪しい。ProResはRAW撮影やLOG撮影といった生データではなくJPEGやPNGといった現像方式のApple版だからだ。あえて特徴を書くと「容量が恐ろしく大きい写真や動画になるのに、現像結果がJPEGなどのフリーコーデックと変わらない」という点だろう。

個人的にはRAW撮影やLOG撮影に対応した有料カメラアプリを使ったほうがカラーグレーディングといった現象の楽しみはあるように思う。なんならiPhone 8やiPhone SE(初代)を中古5000円くらいで購入して生データを撮影したほうが「使い捨てカメラ」「おもちゃカメラしか出せない味」が出て稼げる映像になるとさえ思う。それに画角の制限がかかるので単焦点レンズでカメラの勉強をするような体験すらできるだろう。

—————まぁiPadはタブレットなのでカメラ撮影は配布された紙類のメモ撮影やお絵描きアプリで使うためのトレース撮影くらいだろう。私はiPad mini 6で電子書籍版がリリースされていない歴史の教材などを電子化したことがある。その際は写真やイラストを使った箇所の映像が劣化してしまった。そういう意味でもiPadのカメラは「メモ程度」に使うのが良いと思う。

話が脱線してしまった。

しかし、脱線しても後悔しないほどM2モデルとM3モデルの違いはない。

つまり「語るほどの違いがない」のだ。

おそらくM2モデルと同じくMacBookやiPad Proといったシリーズで合格基準を満たせなかった個体を機能制限チップとして取り込む在庫処分的な意味合いもあるのだと思う。それもあって発表イベントがなく静かにリリースされているのだろう。

iPad Air M3モデル、価格の話。

最も興味深いのはiPad Air(M3)の価格が据え置き(98,800円〜)という点だろう。

SNSでは数日前にM2モデルを通常価格で購入したユーザーの投稿や初売りセール購入を後悔する声も見かけた。

生成AI「Apple Intelligence」についてはプライベートな情報を蓄積できるローカル処理+カメラを使ったリアルタイムAI処理という面で大きな期待を寄せている。生成AIを使っていると同じアカウントで過去データを継続できるといっても限界があって、Apple AIではエコシステム情報とカメラによりプロンプトを叩き込む数が大幅に減る可能性がある。

Appleのカレンダーやメモアプリのデータから吸い上げるといったことまでできるならAppleエコシステムを長年利用しているユーザーなら誕生日や過去の訪問先、趣味趣向を汲み取った提案だってあるかもしれない。購入している書籍から好きなイラストを参考に画像生成へ反映なんてことまでしてくれたらと思うと妄想が止まらない

いずれにしても「Apple Intelligence」は4月初句に日本語へ対応する予定だ。

型落ちとなって整備済み品で安く販売されるであろうM2モデルを選ぶか、最新機種としてM3モデルを選ぶかといった選択肢が増えたのは喜ばしいことに思う。

リンク:https://www.apple.com/jp/ipad-air/(コピペして移動できます)

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