(更新)カラー電子ペーパー「E Ink Spectra 6」発表、電子書籍リーダーの新時代へ
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米E Ink (8069.TWO) は現地時間2023年4月6日、電子ペーパー向けの革新的なフルカラー電子ペーパーのディスプレイ・モジュール「E Ink Spectra 6」を発表した。
従来の白黒ではなくフルカラー製品で、彩度と鮮やかさを提供するとしている。
(UPDATE / 2023/05/28)
記事末尾にイベントで披露した動画を追記。
「E Ink Spectra 6」のスペック
E Ink Spectra 6はコントラスト比30:1、動作範囲は摂氏0〜50度、1インチあたり最大200PPI、ディスプレイサイズは様々な大きさで提供可能なディスプレイ・モジュール。
これまで同社はSpectra 3000で3色(白黒赤)の粒子により白黒の電子ペーパーから脱却、次にSpectra 3100で4色(白黒赤黄)の粒子へと進化してきた。
新たなE Ink Spectra 6では6色の粒子が含まれ、組み合わせることでフルカラー画像を表現できる仕組みで同社の言うとおり革新的な進化を遂げた。
電子ペーパーといえばディスプレイを表示し続けても「消費電力ゼロ」が強み、そのフルカラー版。
当面は同社がアナウンスしている定期更新する看板広告や案内板で活用される模様。
過去の記事でカラー電子ペーパーを搭載したタブレットでYouTubeなど動画を視聴しているという内容を取り上げたこともあるが、パイオニアのE Inkが主導することで大きな変化が期待できる。
E Ink Spectra 6 は2024年リリース予定。
同社はプレスリリースで主に看板などの用途を想定と案内しているが、肝心なページの更新時間や消費電力については言及していない。
それでもE Ink社の電子ペーパーを採用している電子書籍リーダー(Kindleなど)はフルカラー版への扉が開いたと言えそうだ。
上図のKindle Scribeはペン入力に対応した大画面E Inkを搭載している。
そこへフルカラーのディスプレイ・モジュールを投入して、ページめくりに耐えうる更新速度になればフルカラーの漫画や雑誌は表示中も消費電力ゼロとなる。
もし色が多くて表示が遅れるなら、最初は白黒で表示して徐々にフルカラーへ染まっていく演出も魔法みたいで良いのではないだろうか。
1ヶ月に1回だけ充電するフルカラーの薄くて軽い10インチ端末は魅力的。
2024年から電子書籍リーダーの新時代へ突入するかもしれない。
(UPDATE / 2023/05/28)
E-Ink社がDisplay Week 2023への出展で「Spectra 6」を披露、インタビューへの質問に対してTim副社長は画面更新に約12秒かかることを伝えた。
そのため、スマートフォンやタブレットに省電力なカラーE-Inkを採用するためというよりもデジタルサイネージ・看板・広告への投入が予想される。
Source:E Ink inc