SDカード対応のCore Ultra 9搭載ミニPC「GEEKOM GT1 Mega」実機レビュー

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次々と新しいミニPCを投入している台湾メーカーGEEKOM社がついにIntel Core Ultra 9を搭載した最上位クラスとなるミニPC「GEEKOM GT1 Mega」をリリースした。

Intel Core Ultraプロセッサのため内蔵グラフィックスはArcとなり、拡張ポートも増強されるなど1つの頂点を極めたような印象さえ与える仕様に至っている。

今回はGEEKOM社より実機を提供いただいたので実際に使用した感想を開封と一緒に掲載していく。

「GEEKOM GT1 Mega」実機レビュー

はじめにGEEKOMの製品ページから仕様・スペックを確認していきたい。

  • 機種名:GEEKOM GT1 Mega
  • CPU:Intel Core U9-185H | U7-155H | U5-125Hから選択
  • メモリ:最大64GB対応(標準32GB)デュアルチャネルDDR5 5600MHz
  • ディスク:M.2 2280 Gen4=最大2TB、追加スロットでM.2 2242=最大1TB対応
  • 内蔵GPU:Intel ARC
  • AI処理:NPU Intel AI Boost
  • 画面出力:最大8K対応、4Kなら4画面出力が可能
  • 通信:WiFi7、Bluetooth 5.4、有線LANポートは2つ(2.5Gbps)
  • サイズ:132x135x46.9mm、付属のVESAマウントに対応

Intelチップといえばゲームに弱い印象を持ってしまうが、動画編集といった実用系であれば問題なく対応できるArcグラフィックスを内蔵したIntel Core Ultra搭載が「GEEKOM GT1 Mega」の強み。

STEAMの軽度な3Dゲームであれば問題なくプレイできるようだが、どうしても重いゲームをプレイしたい場合はUSB4ポートがeGPU(外部GPU)に対応しているので用途に応じて拡張できるのも強い。

そんなポート類を見ていくと次のようになっている。

  • 前面:USB 3.2 Type-Aが4ポート
  • 前面:イヤホンジャック
  • 背面:USB 4.0が2ポート(PD3.0対応=最大15W給電、eGPUやSSD接続可能)
  • 背面:HDMI 2.0が2ポート
  • 背面:RJ45 2.5Gbpsが2ポート
  • 背面:USB2.0 Type-Aが1ポート
  • 背面:DC in
  • 左側面:SDカードスロット(microSDではなく標準サイズ)

HDMIとUSBポートを合わせて全部で4台まで外部モニターへ出力できる。USB-Cポートはほかにも最大15W PD出力ができるためスマートフォンやダブレットの充電も可能。

それでは早速、開封へ。

「GEEKOM GT1 Mega」を開封する。

「GEEKOM GT1 Mega」の製品パッケージは相変わらずコンパクト。

今回は最上位クラスのミニPCということもあってか高級感がある外装を纏っていた。

パッケージ背面にはUltra 9 185Hの文字。メモリは32GB、SSDは2TB。

もう並大抵のデスクトップPCと競い合える性能が搭載されている。これでWiFi7対応+有線LANポート2つを搭載して通信性能もあるのだから「全部盛り」と言ってよいだろう。技適マークもある。

蓋を開けると本体が登場。

この最初に筐体が現れるスタイルは気分が良い。

隣には保護ケースを装着したiPhone 15を置いた。サイズ感の比較がタブレットではない時点でかなり小さいことがわかる。

せっかくなので厚みも比較。

この薄さでデスクトップOS「Windows 11 Pro」による動画編集が快適に行えるのだから凄いなと思う。

同梱品をチェック。

3Pタイプの電源アダプタなので変換アダプタが必要。今回の機種もVESAマウンタが用意されていた。HDMIケーブルが付属しているのも有難い。

余談だが先日リリースされたMac mini 2024は電源ケーブルしか同梱されていないので別途ケーブルを用意する必要があるほか、電源ボタンが底面に移動したのでVESAマウンタ装着が難しくなってしまった。小型化されたとはいえ使い勝手・設置方法まで変わるような変更は困ってしまう。

付属の電源アダプタは120W出力に対応。

海外を含めた先行レビューを見ると負荷をかけるベンチマークソフトで10分ほどかけるとようやく電力制限がかかる仕様のようだ。消費電力は最大の120Wまでいくことはなく、スリープ時に至っては3W前後まで落ちるのでリモートデスクトップ運用と相性が良い。

「GEEKOM GT1 Mega」の底面を見ると技適マークとVESAネジが確認できる。

4つあるゴム足を外すと内部へアクセスできるようになっている。メモリ32GB+SSD 2TBと拡張する必要が皆無と感じるほど標準スペックが充実しているので分解する術があるということだけ把握しておくとよさそうだ。

GEEKOM AX8 Proのサイズ感

せっかくなのでAX8 Proと並べて筐体を見ていきたい。

まずは天面。左からAX8 Pro、「GEEKOM GT1 Mega」となっている。

「GEEKOM GT1 Mega」はポート数が多いためサイズが異なる。個人的には「GEEKOM GT1 Mega」の大きさになると排熱効率がよくなるように感じた。

Intel Core Ultra9 なので発熱量も多いため筐体サイズとしては必要十分といった印象。

USBポートが増えているので、USBランプやUSBライト、テープランプなどを差し込んでデスク周りの間接照明をOS起動に合わせるのも面白そうだ。

有線LANポートが2つに増えているのでクロスケーブルによる直接データ転送やルーター化、あるいはサーバー化も行えそう。色々と楽しめそうな筐体になっている。

そして最も大きな違いは下図の側面部分。

「GEEKOM GT1 Mega」にはSDカードスロットを搭載している。

AX8 Proに映っているケンジントンロックは反対側へ配置、そのためAX8 Proが搭載するポートは全て備えた上でSDカードスロットが追加された形となる。

Mac製品も上位機種だけSDカードスロットを備えており、そういう意味でも「GEEKOM GT1 Mega」は最上位クラスのミニPCと言えそうだ。

実際に使用した感想、ベンチマーク結果

ここからは実際に使用した感想をレポートしてきたい。

はじめにSDカードスロットを挙げさせてもらう。これまで動画撮影後にUSB-C経由でMacBook Airへ転送していたが認識エラーと途中の切断、やがて転送アプリ自体が起動しない or 認識しないといった問題が頻繁に起こっていた。かといってWiFi転送も時間がかかるためUSBハブを差し込んでSDカードで転送していた。

これがSDカードスロット内蔵の「GEEKOM GT1 Mega」になるとサクッと転送できた。

当たり前だが認識エラーやエクスプローラーが落ちるといったこともない。今までの苦労は何だったのか。やはりサードパーティー製品との相性はWindowsに軍配があがる。

ミニPCであれば下図のような合板へ取り付けも可能。そのまま軽キャンのシェルへインストールすれば場所を取らずにデスクトップPCと戦える性能を積むことができる。

当初は自宅に置いたWindows端末をモバイル通信と光回線を使ったリモートデスクトップ接続を計画していた。しかし、ミニPCを携帯できれば直接SDカードも抜き差しできるし通信料金も節約できる。また、自宅の駐車場に設置したままであればWiFiルーター経由のリモートデスクトップ接続が可能なので遅延なく遠隔操作もできそうだ。

それではベンチマークスコアを見ていきたい。

さすがSSDといった読み書き速度。

最近はもっと高速なSSDもあるがプリインストールの2TBとしては問題のない速度となっている。

続いてドラクエベンチ。

これは凄い。

ほぼ2万というスコア。心なしか”はぐれメタル”の笑顔が輝いて見える。

ダンまち5期が盛り上がっているのにハロウィンイベントさえ行わず虚無期間を貫くゲーム「ダンクロ」のような重めの3Dアクションバトルゲームもこなせそうだ。

次回は実際に動画をエンコードした結果など実用面での使い勝手をレポートしていきたい。

「GEEKOM GT1 Mega」の価格

「GEEKOM GT1 Mega」(U9モデル)の価格はGEEKOM公式サイトで定価139,900円(最新情報はGEEKOMへ)にて販売、さらに全PC対応の3000円OFFクーポンが配布されている。

またAmazonに出店中のGEEKOM直販店でも139,900円(1399円相当還元)(最新価格はAmazon販売ページへ)となっていた。

MSIのゲーミングノートやパソコン工房のデスクトップPCを見てみるとIntel Core Ultra 9搭載モデルは39.9万円前後といった印象。「GEEKOM GT1 Mega」は本体価格が安いのでeGPUに割く割合を大きくできるのが強みではないだろうか。

USB4はeGPU対応なので用意すればゲームも楽しめる最強ミニPCに仕立て上げられそうだ。

前回の話→軽キャンのオフィス化、Core Ultra9搭載ミニPC「GEEKOM GT1 Mega」設置はありか

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